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画面の向こうへ伝える vol.4

最近、普段研修業務を行なっていたり、コンテンツを開発してきたという人たちにお話を伺う機会があり、そう言った人たちの前でミニ登壇させて頂くこともあった。

共通して出てくる言葉に「アウェイをどうするか」おそらくそれを生業にしている方々が必ず出会うアウェイをどうするか。

要は聞く気がない人たち、なんとなく参加している人たちをどう巻き込むかということ。

最初からその話が聞きたい人、その人の話が聞きたい人、ホームの人達はこちらの話を聞いていて当然。
ましてや社会人でそこにお金を払って参加している場合、聞くスキルも持ち合わせている。

社内への研修はホーム。聞かなければならない人が集まり、かつ役職者からの研修ならば聞く。この企業で生きていくことに関わるので。

社外への研修かつ、お金を払っていないで参加させられた人たち、ここがアウェイ。
私の対応していた研修参加者の年齢幅は、19歳〜70代が1つの画面に、ホームとアウェイが入り混じる特殊な状況。
これを聞いたある方は、どういう状況か想像できない。。と、ジャングルで戦っていた人を見たような反応を見せていた。
どれだけ神経と体力を消耗していたか。

研修が始まる前は、毎回尋常じゃないストレスを感じて、深呼吸と共に画面をオンしてスタート。

第4回「体感させる」

なぜ、尋常じゃないストレスを感じながらスタートするか。
「体感させる」研修にしてあるからだ。
受講者と同時にこちらも脳をフル回転していないと「惹き込まれる」とはならない。

体感させる仕掛けの一部をご紹介。
キャッチボール
②ゲーム
③ロープレ

①キャッチボール


研修中は受講者とキャッチボールし続ける。
質問しては、回答を回収し、アドバイスを入れる。
20人〜30人それ以上の受講者がいる中それを行い続ける。

ランダムに全員に質問を飛ばすので、受講者は参加せざるを得なくなる。

営業マンは瞬発力が大事なので、それを鍛える意味で質問を投げ続けていた。
これは上手い回答が出ることが大事なのではなく、すぐに言葉を出せるかが大事。
なんでもいいからまずはぶつかっていくこと。

特に大事なのは、受講者から出てきた回答の回収。これが大事。
相手の話を聞いていなければ、認められないし、アドバイスは入れられない。
また、他の業界の営業マンもベテラン営業マンも参加していたため、絶対に相手のプライドを傷つけないよう尊重しながら、必要なことは伝える。

その為、ここは良い。ここは改善点。
他の業界との伝え方の違い。これがしっかり伝わるように。

②ゲーム


接客のシーンを分解してリアルな現場を想像して頂く
各シーンでお客様の出す言葉に自分だったらどう答えるかを想像し、チャットに回答して頂く。
考えるだけではなくて、実際に答えを出して共有して頂くことが大事。

具体的に接客のシーンを想定した動画や絵を用意しておくとより分かりやすいと考える。
私には準備の時間はなかったので、口で状況を説明して考えて頂いた。

ここでも、大事なことは回答は全て回収し、口頭で読みあげること。
そして「私は実際こうした」「私の場合はこうする」と伝える。
出た意見を否定したり、その通りにしてくださいということではなく、参考として受け取って頂く。

受講者の回答を全て読み上げることで認め、「私の場合は〜」を伝えることで、道筋が見える。
その際は、何の情報をキャッチして、それを判断したか、その言葉を発したのかまで伝えている。

ちなみに受講者のアンケートでは「私の場合は〜」の内容が一番面白かったと言われることも多かった。

回答の回収という言葉を何度か出したが、これも受講者より「回答の回収の仕方が勉強になる」
何度か言われたことで自身もより意識をするようになった。

元々人をフラットに見て判断する性格が研修にプラスに働き続けたと言うことなのかもしれない。

③ロープレ

ロープレはどの営業職でもやっているかと思うが、ここでは、その細かい内容ではなく、何をしていたかだけを伝える。

・1対1のロープレ
・接客練習

・1対1のロープレ
30人をただ研修していたのではなくそれぞれトレーニングしていたという理由。
全員が私の前でロープレ試験を受験すること。が研修の最後に待っている。
受験前にオシャレな髭を全部剃って来た人、スーツでビシッと決めてきた人など様々な人がいた。オンラインなのに、立ってお辞儀するなど。(自社スタッフはスーツなのは当たり前)
ここでのフィードバックも、相手を引き上げることが目的なので、否定はしない。
あくまでも、よかった点と改善点。どう改善するか。
鋭い改善点の指摘を求める人は多かった印象。
あとは大体相手を笑わせるようにしている。どうやって?は教えません。

・接客練習
30人ほどが受講しているので、1対1のロープレ試験中は全員に練習して頂く。
29人に動いて頂くための仕掛けであり、全員を引き上げる仕掛け。

まずは営業・お客様・見ている人の3つの役割。
その役割を回転させる。させ続ける。
部屋も定期的にシャッフルし続ける。
その際、部屋の組み合わせも計算されている。
(数名はその意図に気づいた人もいたが)

3つの役割はどれも大事。
その役割のそれぞれにどういう意図があるのかと具体的な言葉の仕掛けはまた別の機会に。

研修中zoomの機能はフル活用していたが、ブレイクアウトルームは本当に便利。
全員を3人もしくは4人組に分けて練習部屋へご案内。

受講者は私の目から逃れて、お互いにコミュニケーションが取れることでリラックスする。
しかし、ある意味お互いに見張りになっているので練習する。

この時間でこのくらいといった今ままでの受講者の目安なども伝えるので、そこを目指して、アウトプットし続ける。
適度に「どうですか?」と私が部屋に現れることで、サボれない。笑

オンラインを忘れるほどに、脳をフル回転でトレーニングさせられ続けるので「合宿みたいだった」「疲れた」という感想に繋がっていたのだと考える。

頂く感想


私に向けられる感想は「鋭い」「怖い」「惹き込まれる」「面白い」というものが多かったが、研修中に怒鳴ることも声を荒げることもひどいことも言わない。
「笑っているのに怖い」「見透かされていそうで怖い」「女かよと思ったけど違った」「思った以上にスパルタでした」なぜか受講者の男性陣に言われた言葉。

女性受講者からは「笑顔を参考にしたい」「ツンデレですね」「ツンデレなところが好き」とか。

大人になって、何かを成し遂げる機会それを認めてもらえる機会は少なくなる。
スパルタな方が、受講者のやりがいもあったのか、厳しければ厳しいほどに喜ばれた。
この厳しさのバランスや伝え方も大切。
緩急の付け方。

この数日間の成長は見逃さない。
必ず拾って認める。褒める。

私の場合は、オンライン研修を堅苦しく受講する必要はないと考え、目的が達成されていれば、そこまでの道のりは緩やかにする。
なぜなら、数日間ずっと座り続けることはストレスだから。

大人達が短期間で必死に練習してテストに挑む姿はかっこいい。
犬と練習してても、子どもと練習してても夫婦で練習していても。
風呂で練習していても。車で練習していても。

ウォーキングマシンで受講していても、画面の半分猫が座って隠れていても、犬4頭等、沢山の犬達が一緒に受講していても。
(この記事だけだとただの失礼な人達ですが、
Trainingの記事などご覧ください。)

その他、上半身裸の高校生のお兄さんが横切っても、赤ちゃんや子ども達が一緒に受講しても、
風呂上がりの子ども達が画面の前を駆け抜けていっても。

19歳がいても70代がいても。

余談だが、過酷な日々を一緒に走るため、最終日はなぜか私を盛り上げる人たちは沢山いた。
最終日のロープレの際は始める前や終わった後にマスカレードを付けた人が出てきたり、仮装した人たちが沢山出てきたり。
休憩中に金のゴリラの人形が画面の中で踊りながら私を待っていたり。かくれんぼする人がいたり。←

みんな人を喜ばせることが上手。
とりあえずツンデレを喜ばせようとしたんですね。

オンラインならでは。←?!!

修行のような日々のおかげで、私のエピソードは画面の中に沢山。

研修はライブ

「画面の向こうへ伝える」あまり具体的なプランもなく、つらつらと記事を書いてきたが参考になる部分があれば使ってみてください。
最初の記事で、グルーヴという言葉を使っていたが、研修はライブ。生き物。
研修をライブと表現している企業もある。

これは、オンラインでもオフラインでも変わらない。

ただ一方通行に話すのではなく、受講者とキャッチボールをして、盛り上げていく。

研修の主役は受講者。こちらは一緒に走り切る。
受講者の利益の為に研修を行う。

それが私の考える研修。

企業に属していても、いなくてもその業務を改善し、アップデートし続けている人達を尊敬する。
研修やトレーニングを行うことで、その人の人生が輝く瞬間を届けることができ、それを見せて頂けるというのは、非常にありがたいこと。

今後も人の人生に光を当てられるような自分の人生にしていきたい。

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