葉っぱの坑夫

2000年4月からウェブ上で、翻訳作品を中心にさまざまなコンテンツを公開してきました。…

葉っぱの坑夫

2000年4月からウェブ上で、翻訳作品を中心にさまざまなコンテンツを公開してきました。内容としては移民文学、野生動物観察、音楽家インタビュー、外国語で書かれたハイクなどです。コンテンツの中から紙の本や電子書籍も作っています。 https://www.happano.org

マガジン

  • 葉っぱの坑夫 Updates-J

    2000年4月スタートの非営利ウェブパブリッシャー&翻訳プロジェクト、葉っぱの坑夫の更新情報を掲載します。ほぼ月に1回、更新しています。

  • オオカミと狼伝説(ウィリアム・J・ロング)

    アメリカ北東部の荒野を長年にわたって旅した作家が、『赤ずきん』にはじまる「オオカミの恐怖話」のウソを解き明かす。 2024年3月中旬公開予定 【その1】 ミネソタの森で 【その2】 アラスカの鉱山技師 【その3】 イタリアの村にて 【その4】 雪嵐の森で

  • 最近思ったこと、考えたこと

    ブログサイトで書いてきたジャーナルを、2020年6月からnoteで発表することにしました。テーマはその時々関心をもったこと、もう何年も続けています。葉っぱの坑夫の出版活動と直接的には繋がっていないけれど、ここで考え調べながら書いたことが、あとで役に立って、企画が生まれることもあります。トップの画像:Graham Knott(CC BY-NC 2.0)

  • 作曲する女たち:19世紀生まれ、20世紀生まれ

    女性 X 作曲をテーマに、「小評伝」「インタビュー」二つの形式で、19世紀生まれ、20世紀生まれそれぞれのアメリカの作曲家のキャリアの軌跡と思想を一人ずつ追っていきます。19世紀、20世紀、それぞれ5人ずつ計10人を紹介します。 2023年10月17日スタート。

  • シバの女王

    短編連作小説『トーマス・ニペルナーティ』の最終話(第7話)。冬が間近にせまり、ニペルナーティの風来坊生活も終盤に近づきます。 7月25日(火)スタート、毎週火、金に更新します。全10話。 *8月第1週は夏休みのため更新はなしです。

最近の記事

H a p p a n o U p d a t e s - No.261

□ オオカミと狼伝説 ウィリアム・J・ロング著 【その3】イタリアの村にて、【その4】雪嵐の森でを更新しました。 野生のオオカミとそれをめぐる嘘と本当が入り混じる伝説めいた話、オオカミと出会い、恐怖に陥った人間の想像力たくましい体験談。著者のロングはユーモアをまじえて、伝えられた逸話と本来のオオカミの姿の違いを指摘します。通説というのはどこにでも存在し、人々は特に深く考えることなく、それを信じてしまうことがあります。それは自然や動植物に関してだけでなく、普段の生活の中、ある

    • オオカミと狼伝説 【その4】 雪嵐の森で

      文:ウィリアム・J・ロング(1867~1952年、アメリカ北東部で野生動物を観察して、多くの作品を書いた作家) 1頭のオスのオオカミを追っていたときのこと、非常に体の大きなやつで、獲物をたらふく食べて動きが鈍かった。わたしは森から凍った湖に出てきたところで、オオカミは100メートルほど先の岸辺のそばをブラブラ歩いていた。オオカミは氷の岩棚の下を、人間への警戒心もなく通り過ぎるところだった。パンッ! オオカミの足元の氷面に銃弾を飛ばしたのはそのときだった。 距離があったしち

      • 『作曲する女たち:20世紀アメリカを駆け抜けた10人』 発売開始! Ten Women Composers of 20th Century America

        葉っぱの坑夫から『作曲する女たち:20世紀アメリカを駆け抜けた10人』が発売になりました。noteで今年2月まで連載していた作品をペーパーバックとKindleによりパッケージ化したものです。 ペーパーバック:¥1,320(税込) Kindle版 ¥550(税込)  127 × 203mm、135頁 *この記事末にもくじがあります。 タイトル写真:本書(校正本のため「再販禁止」帯が入っている)と原著 前半が19世紀生まれの作曲家たち(5人)で、女性が作曲のジャンルに登場し始め

        • 4月の出版物:その2『作曲する女たち』 (日英のタイトルをめぐってドタバタ)

          葉っぱの坑夫が4月に出版するもう一つの本を紹介します。これも前回紹介した『トーマス・ニペルナーティ 7つの旅』と同じように、noteサイトで連載していた作品です。連載時は「作曲する女たち」でしたが、パッケージ化するにあたって、『20世紀を駆け抜けた・作曲する女たち』とすることに。 内容としては19世紀生まれの作曲家5人の小評伝、20世紀生まれの作曲家5人のインタビューです。前者はマデリーン・ゴスの『近代アメリカの作曲家』【"Modern Music-Makers: Cont

        H a p p a n o U p d a t e s - No.261

        マガジン

        • 葉っぱの坑夫 Updates-J
          54本
        • オオカミと狼伝説(ウィリアム・J・ロング)
          4本
        • 最近思ったこと、考えたこと
          109本
        • 作曲する女たち:19世紀生まれ、20世紀生まれ
          12本
        • シバの女王
          11本
        • [エストニアの小説] 幸せの2羽の青い鳥
          17本

        記事

          発売開始! 2冊目のエストニアの小説、トーマス・ニペルナーティ(訳者あとがき公開)

          2022年6月の『蝶男:エストニア短編小説集』(メヒス・ヘインサー著)につづいて、『トーマス・ニペルナーティ 7つの旅』が発売になりました。 ペーパーバック:¥2,640(税込) Kindle版 ¥550(税込) 127 × 203mm、520頁 *タイトル写真の左(校正本のため「再販禁止」の帯が入っていますが) なぜ、エストニアの小説? これまで日本で知られていない世界各国の作家の小説を翻訳・出版してきましたが、エストニアの小説を訳して出版することは、ずっと考えてきたこ

          発売開始! 2冊目のエストニアの小説、トーマス・ニペルナーティ(訳者あとがき公開)

          4月の出版物二つ:その1(編集時に起きる様々な出来事)

          今月2冊の本を出す予定で、いま準備しています。どちらもnoteで連載したコンテンツで、ペーパーバックの紙の本とKindle本にします。KDPのシステムをつかって準備中で、おそらくそのままKDPから発行することになると思います。(2023年3月の『小さなラヴェルの小さな物語』以降、代理店通しではなくKDPから出しています) 1冊目が、エストニアの小説『トーマス・ニペルナーティ 7つの旅』(原題 "Toomas Nipernaadi")で、2022年6月から2023年9月までn

          4月の出版物二つ:その1(編集時に起きる様々な出来事)

          オオカミと狼伝説 【その3】 イタリアの村にて

          文:ウィリアム・J・ロング(1867~1952年、アメリカ北東部で野生動物を観察して、多くの作品を書いた作家) ヨーロッパオオカミは、オオカミをよく知る者が見れば、アメリカ北部のシンリンオオカミと基本的に同じだ。しかし臆病なところは、度重なる飢餓によってもたらされたものに違いない。中でもオオカミを恐れる農家の近くに住んでいる場合には、その傾向が強い。夏の間、ヨーロッパオオカミは孤独に暮らし、ネズミや小型のシカなどで食欲を満たす。冬になるといつも空腹で、それが限界点まで来ると

          オオカミと狼伝説 【その3】 イタリアの村にて

          新世代作家たちが描く、リアル or 空想的(スペキュレイティブ*)なアフリカの小説

          *スペキュレイティブ・フィクション(Speculative Fiction)とは、さまざまな点で現実世界と異なった世界を推測、追求して執筆された小説などの作品を指す語。フィクションの複数のジャンルにまたがって使用される。 (ウィキペディア日本語版) 5月にスタート予定で準備している新プロジェクト「アフリカ新世代作家・作品コレクション」について、発想のもとになったこと、プランの意図や経緯について書きたいと思います。 このシリーズは、2015年に出版した『南米新世代作家コンピ

          新世代作家たちが描く、リアル or 空想的(スペキュレイティブ*)なアフリカの小説

          ポリーニの残した言葉(6) 聴衆は音楽を聴く努力をしないことがあります。中でも現代音楽については。それに対して、わたしは新しい音楽については、聞こうとする努力が必要だと思います。しかし同時に、過去の名作を深く理解することが求められます。(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニの残した言葉(6) 聴衆は音楽を聴く努力をしないことがあります。中でも現代音楽については。それに対して、わたしは新しい音楽については、聞こうとする努力が必要だと思います。しかし同時に、過去の名作を深く理解することが求められます。(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニの残した言葉(5) 私はたくさんのコンサートをするわけではありません。限られた数のコンサートしかしてないのです。中でもオーケストラとは、あまりやっていません。(どうしてでしょう、という質問に対して)そうなったとしか言いようがないです。(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニの残した言葉(5) 私はたくさんのコンサートをするわけではありません。限られた数のコンサートしかしてないのです。中でもオーケストラとは、あまりやっていません。(どうしてでしょう、という質問に対して)そうなったとしか言いようがないです。(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニの残した言葉(4) 何年かして、同じ曲を演奏するときの気持ちについて: 「記憶はいつも残っています。それを演奏していなかったとしても、心の中にはあるし、思い出したりもします。そして以前に弾いたときの感情がよみがえります」(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニの残した言葉(4) 何年かして、同じ曲を演奏するときの気持ちについて: 「記憶はいつも残っています。それを演奏していなかったとしても、心の中にはあるし、思い出したりもします。そして以前に弾いたときの感情がよみがえります」(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニの残した言葉(3) 私の曲選びはとても単純です。自分が関係を持ちたい作品、一生の関係を持ちたいと思う作品を選びます。どんなときも好ましく、飽きることがない、これを弾きたいというものです。何を選ぶかは、ピアノの楽曲の莫大さのため無限です。(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニの残した言葉(3) 私の曲選びはとても単純です。自分が関係を持ちたい作品、一生の関係を持ちたいと思う作品を選びます。どんなときも好ましく、飽きることがない、これを弾きたいというものです。何を選ぶかは、ピアノの楽曲の莫大さのため無限です。(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニ、2019年のライブ動画が、今グラモフォンで無料視聴できます。ベートーヴェン最後の三つのピアノ・ソナタ30、31、32番。会場はミュンヘンのヘラクレス・ザール。ポリーニ77歳の演奏。ん、雑音? ちがう、ポリーニ歌ってる!!! https://www.stage-plus.com/ja/video/vod_concert_APNM8GRFDPHMASJKBSOJ2E8

          ポリーニ、2019年のライブ動画が、今グラモフォンで無料視聴できます。ベートーヴェン最後の三つのピアノ・ソナタ30、31、32番。会場はミュンヘンのヘラクレス・ザール。ポリーニ77歳の演奏。ん、雑音? ちがう、ポリーニ歌ってる!!! https://www.stage-plus.com/ja/video/vod_concert_APNM8GRFDPHMASJKBSOJ2E8

          ポリーニの残した言葉(2) (解釈の)次にそれを演奏する瞬間が来ます。そこでは自分が学んだもの、発見したもののすべてを出します。でも自然発生的にです。理想は即興的に生まれるものですが、この即興性は偉大な楽曲の場合にしか、出てきません。(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニの残した言葉(2) (解釈の)次にそれを演奏する瞬間が来ます。そこでは自分が学んだもの、発見したもののすべてを出します。でも自然発生的にです。理想は即興的に生まれるものですが、この即興性は偉大な楽曲の場合にしか、出てきません。(1997.10.23、シカゴにて)

          ポリーニの残した言葉(1) 「解釈のプロセスというのは本当に素晴らしい、魅了される時間です。おそらく誰も、そのプロセスがどのように働くかは知り得ない。非常に私的な時間で、音楽家は、中でもソリストは、全面的に自分と向き合います」(1997年10月23日、シカゴ交響楽団ホールにて)

          ポリーニの残した言葉(1) 「解釈のプロセスというのは本当に素晴らしい、魅了される時間です。おそらく誰も、そのプロセスがどのように働くかは知り得ない。非常に私的な時間で、音楽家は、中でもソリストは、全面的に自分と向き合います」(1997年10月23日、シカゴ交響楽団ホールにて)

          H a p p a n o U p d a t e s - No.260

          □ オオカミと狼伝説 ウィリアム・J・ロング著 3年ほど前に、同じ作者による『オオカミの生き方』という本を出版しました。ロングは20世紀初頭に、アメリカ北東部の森や荒野を長期間フィールドワークして、野生動物について多くの作品を書いた人です。オオカミを筆頭に、ビーバーやカワウソ、ヤマアラシやシカ、カラスに様々な鳥たち、スズメバチといった虫に至るまで、多種多様な生きもの生態をとことん観察して記録に残しています。 今回の「オオカミと狼伝説」は、少し違う趣向の作品で、オオカミとい

          H a p p a n o U p d a t e s - No.260