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ヨミマシタホン No.4

『ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ』by 前野 ウルド 浩太郎 (光文社 2020年 1,800円+tax)

この本は、光文社新書『バッタを倒しにアフリカへ』の児童書版だそうです。何故子供向けの本を読んだのかーーー。最近ホンは、ほとんど図書館で借りて読むことが多く(すみません…)、新書のリクエストの数がとても多かった、という理由からです。

それと、どこかの書評で『ウルド』について読んだ時に、面白そうと思ったのでした。『ウルド』の方には全部の漢字にルビが付いており、難しい言い回しには著者独自(?)の解説(著書は「取扱説明書」と言ってます)が載っています。これが奮ってます。

まあ既にあらま的にオトナなので、ルビはほとんど必要ありませんでしたが、この解説、面白かったです。も、ですね。

興味を惹かれたトピックはいっぱいありましたが特に自分も!? と強く思ったモノは、著者がアフリカのサハラ砂漠でバッタの調査で格闘している時、ちゃんと疲れていることでした。環境が過酷なアフリカに行くヒトはみんながみんな強靭、と思ってしまいがちですが、疲れてしまうことがきちんと描かれているので、普通の体力のヒトでも行けるのかな? と思ってしまいました。

願わくは十歳せめて中学生くらいまでに読みたかった。そうすればどうすれば今持っている夢を叶えられるか(持っていなかったらあれだけど)…まあこれは、博士になった方の奮闘記ですが、自分のやりたいことなりたいことの、きっと参考や励みになったろうな…。ヒト並みの体力でもアフリカに行けるんだ、だから自分だってナンカやれたさ…(と、思わず遠い目をしてしまいました)。

ま、そんな忸怩たる(?) 思いを抱えなくても、読み物としても十分楽しめまっす!


追記:上記をアップした翌日の本日、十月十四日(木曜日)の朝日新聞の夕刊に、この方が現在所属し主任として活躍している研究チームが、このバッタ(サバクトビバッタ)の今まで知られていなかった習性を突き止めた、という記事が掲載されていました。

ホンを読んだばっかりでしたので、おお〜! っとこのニュースをとても身近に感じてしまいました。著者がこのホンに書いていた、あの時の砂漠での艱難辛苦がこのように報われて…立派な研究成果となっている。感動です。

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