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たくあん和尚のお話

 とても尊敬している、人生のお師匠さんがいました。
 その方から、教えていただいたお話がありました。
 もしかしたら、有名なお話かも知れません。
 ここに書き記しておきたいとおもいます。

 昔、たくあん和尚という方がいたそうです。

 そのたくあん和尚のことが大好きな人がいました。

 その人は盗賊でした。

 その盗賊は、いつも、峠で待ち伏せをしては、人をあやめ、その人の物を盗んで生計を立てていました。

 たくあん和尚はいつも、その盗賊に、そんなことはやめないか、と進言していました。

 ある日、袈裟をしている男が一人、峠を歩いていました。

 盗賊は、いつものように、その男を襲い、あやめてしまいました。

 そして、いつものように、その人のものを盗もうとした時、袈裟を外したところ、その男は、なんと、あのたくあん和尚、その人でした。

 大好きなたくあん和尚を、自らの手で失い、しばらく、涙が止まりませんでした。

 その時を境に、盗賊は、改心し、二度と、人をあやめたり、物を盗んだりすることがなくなりました。

 たくあん和尚は、自分の命を差し出して、盗賊を改心させたのでした。

 …。

 その人生のお師匠さんは、「君もそんな風になれないか?」とおっしゃってくださいました。

 あれから、もう20年くらい経ちました。

 未だ、そのようにはなれていません。

 でも、少しでも、たくあん和尚に近づこうと、日々、取り組んでいます。

 これが、人生の目標かも知れません。

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