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小学校に上がるまでは、「ごめんね!」を言えなくていい。

保育の現場で子どもたちに「ごめんね」と言わせる習慣は一般的です。

今日は、子どもたちの心理的発達という観点から、小学校に進学する前の子どもに「ごめんね」を指導する際に、注意すべき点について考えていきたいと思います。


例えば、積み木で一生懸命作っているものに興味を持ったお友達が、触って壊してしまう場面を考えてみましょう。このような場面では、積み木を壊されたお友達が怒って、お友だちを叩いてしまうことがあります。ここで、保育現場では通常「叩いてごめんね」と言わせることが多いですが、これは子どもの感情理解には必ずしも効果的ではありません。

具体的な指導方法


子どもたちが自分の感情を理解し、相手の感情に共感するためには、大人が適切な質問をすることが重要です。

例えば、「どうして叩いたの?」と尋ねることで、子どもたちの感情を言葉で表現させることができます。さらに、「どうして悲しいのか、怒っているのか」を話させることで、感情を理解する手助けをすることができます。

積み木を壊した子に対しては、「どうして触ってしまったの?」と尋ね、その動機を理解することが大切です。

このような対話を通じて、子どもたちは自分の行動が他人にどのような影響を与えるのかを学びます。

子どもの感情理解と脳の発達


心理学の研究によると、2〜3歳で他人の基本的な感情を認識し始め、4〜5歳で共感的な反応が見られます。しかし、これらの能力は学童期に入るまで完全に発達しないことが多いです。

これを踏まえると、子どもたちに対する指導は、彼らの発達段階に適応する必要があります。

親や保育者は、子どもたちが感情を完全に理解することを期待するのではなく、彼らの現在の能力に基づいたサポートを提供することが重要です。

「ごめんね」の強制が及ぼす影響


「ごめんね」と言わせる強制は、子どもたちの感情発達に対して表面的な影響しか与えず、真の共感や自己認識の発達を妨げる可能性があります。

子どもが本当の意味で感情を理解し共感する機会を奪うことになりかねません。

強制的な「ごめんね」の代替え案


大人は、日常的に子どもたちの感情や行動を観察し、適切なタイミングで質問を投げかけることが大切です。

例えば、子どもが他の子どもとトラブルになった際には、ただ叱るのではなく、その原因を探るための会話を試みることが重要です。

これにより、子どもたちは自分の行動や感情をより深く理解し、問題解決のスキルを身につけることができるでしょう。

まとめ


小学校に上がる前の子どもたちに「ごめんね」という言葉を強制する必要はありません。

代わりに、大人が感情や行動を通じて模範を示し、子どもたちが自然に他者の感情を理解し共感する能力を育んでいきましょう。

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