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2023.10.12 未明 悠真、加八

アタシたちの、大切な基本人格の雪希は、23年10月12日に、死のうとした。大量のクエチアピン(処方薬)を溜めて。46錠を、水筒の生温い水で一気飲みして。

そうなった原因は、母親からかけられた数々の言葉。心露が、途中からこっそり録音してくれてあるけれど、アタシたちは聞いたら死にたくなってしまうから、聞けていない。

7歳で、知的障害と重度の自閉スペクトラムがある心露が全て話していたが、心露にとっても相当苦しいものだったらしく、話が終わってから内界の床で泣きじゃくっていたほどだ。それほどまでに、アタシたちの母親がかけた言葉は、酷かったらしい。

心露の痛みは、雪希の痛み。アタシたちの痛みは、雪希の痛みだ。

雪希は、ある意味冷静だった。友達、親友に遺書を送り、大学の教授たちにもCcでメールを送った。友達や先生からの連絡に泣きながら薬を一気飲みした。

次の時、気がついたら病院だった。地元の慣れ親しんだ精神科。2日、時が進んでいた。昏睡か昏迷…アタシはよく分からないが、とにかく意識を失っていた。救急で大量の輸液などをして、後遺症はないが、意識が曖昧になり、尿カテが入ったまま動こうとしたりして大変だったようだ。

友達が送ってくれた母とのLINEでは、早くに救急車を呼ばなかったことを謝罪していた。なんと、朝までいつもの ODだと思って放置していたらしい。親友は、今すぐ東京に来いとまで行ってくれた。だが、母から「東京に行ったら縁を切る」と言われたことで、この行動をとれず、また、親友はじめ友人に心配と迷惑をかけたことに、雪希は深く傷ついている。

いま、入院して6日目。アタシたちは、しにきれなかった。生きてしまった。
これからの人生を、本気で考えなくてはならない。母との関係、どこに住むのか。フラッシュバック、解離、転換。
きっとこれが、人生の転機になる。

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