熱中対策と熱中症対策は違う!~ペットボトル飲料を買って知ったこと
35℃を超える炎天下での夏祭りは過酷だ。
相当の覚悟と対策なしには出かけられないイベントになってしまった。
私が取った対策は「熱中症予防に良い飲料」を冷やして持っていくこと。
スーパーで山積みになっているのを見つけて、前日から冷蔵庫でギンギンに冷やしておいた。
おかげで熱中症にならずに無事に帰宅。
涼しい部屋で「熱中対策水」のペットボトルを眺めていた。おや?
「熱中症対策」のための水だと思って買ったのだけど、良く見たら「熱中対策水」って書いてある。考えてみたら不思議なネーミングではないか?
裏面を見た。こんな説明が書かれていた。
これは驚いた。熱中対策水は、熱中症を予防したい人のための水ではなく、何かに熱中しているひとを応援、サポートしてくれる飲料だったのだ。
このプチ発見にちょっとワクワクしてきて、つい調べてみたくなった。
全国清涼飲料連合会による「熱中症対策」表示ガイドラインによると
>>飲料100mlあたり40~80mgのナトリウムを含有する清涼飲料水は商品POPなどに“熱中症対策“と記載して良い
フムフム。「熱中対策水」には「食塩相当量0.83g」と書かれていたから、このガイドラインはクリアしているのだろう。でも、それなら「熱中対策」とせず「熱中症対策」と書く方が潔いのにな。
しかし、こういう記載もあった。
>>製品の容器包装に“熱中症対策”と記載することはNG
そうか。POPならいいけど、製品そのものに記載するのはNGということなのだ。製品そのものに記載したかったから、あえて「熱中対策」というワードを選ぶことにしたのだな。理解できた!
と、ここまで考察したところで、ガイドラインにもう一つ、気になる記載があるのを見つけた。
>>「熱中症予防」「熱中対策」など、紛らわしい表示は使用できない。
ややこしくなってきた。使ってはいけない表示を使っている?まさか?そんなわけはない。だってスーパーの入口に堂々と山積みされていたのだから。
きっとこういうことかなと考えた。
ガイドラインには「熱中症対策」と記載するときの条件が書かれているが、「熱中対策」と記載することの詳しい条件には触れられていない。「熱中対策」は抜け道表現なのだ。だから、「熱中対策」の定義を独自に(敢えて熱中症対策とは異なる意味合いで)作って成立させたのかしら。
開発担当の方がとても賢くて優秀で、この三遊間を狙った表示を成り立たせるロジックを考えて実現させたということかな…私の考察が正しいとしたら、とてもお見事だと思う。
私が開発に関わっているのは肌に与えて肌と心を潤わせる「化粧水」という水。
熱清涼飲料水は、口から摂取して身体全体に影響を与える水。飲料メーカーの商品名のつけかた、考え方、テクニックを知ることはとても学びが多く有用なことだと気付かされた。
この猛暑のおかげで、熱中症対策アイテムは飲料に限らず様々なものが出てきている。表示の工夫を少し気にして学びながら、上手に生活に取り入れて、過酷な夏を乗り切りましょうね。
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