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建築を知らずとも、建築家たちの飛躍と挑戦に触れる

2023年11月某日
文化庁国立近現代建築資料館 [NAMA] 10周年記念アーカイブズ特別展 日本の近現代建築家たち
文化庁 国立近現代建築資料館


タイトルの通り、開館してから10年が経った国立近現代建築資料館。
12名の建築家がフィーチャーされている。

個人的には建築を学んだことはないし、仕事でも携わったことはない。
ないんだけども、素敵な建築物にグッとくる私。

たとえば美術館や博物館。
建物自体も結構見ちゃう。外観と内装。
触れる範囲で触ってみたりしながら。
ベタなところで東京国立博物館なんて、みどころいっぱいだったりするし。

あるいは旅先での歴史的な建築物。
古いものをきちんと保存していこうって考え方が各地で広まってきているような。
明治・大正・昭和初期あたりの建築物が見られたりする。眼福。
積み重ねてきた時間に思いを馳せるわ~
という私感はさておき。


フィーチャーされた12名の建築家。
聞いたことがあるお名前の方もいれば、存じあげない方も。
しかし代表作を見てみると「あ~アレ作った人なんだ~」な発見がいっぱいあった。
日本の近現代建築の重要人物たちなので、それも当然か。


・吉田鉄郎:東京中央郵便局(1931年)
現在のKITTE。東京駅丸の内口すぐ。
ブルーノ・タウトも注目したモダニズム建築。
オリジナルを尊重した低層部。
中が吹き抜けで抜けてる感じがいいよね~

・坂倉準三:新宿西口計画(1966年)
立体的に道路がグインとなってる、あのややこしそうなのを計画したんだ。
小田急百貨店も坂倉準三デザインだったのね~
再開発で生まれ変わるとのことだが、どんな感じになるのやら。

・吉阪隆正
大学セミナーハウス。テレビで見たことがある。
ピラミッドが逆さになって地面にぶっ刺さってるみたいなやつ。
外観もパンチが聞いてるけど、中もおもしろげ。

・高橋てい一*:群馬県立館林美術館(2001年)*(てい一の「てい」は青偏に光)
館林美術館は以前訪れたことがある。
だだっ広いところに、いきなり素敵な美術館造ったな~と感じていた。
ガラスをふんだんに使っているアプローチとか。
緑とか水の流れも含めての、ランドスケープデザインていうの?なんだか気持ちよかった。

・菊竹清訓
万博、江戸東京博物館、九州国立博物館とかスケールがデカいなあ。
館内とロビーで映像がエンドレスで流れている。
オーラルヒストリーなるもので、菊竹氏のお弟子さん3人のクロストークがおもしろかった。
もちろんコンペとか大変そうなんだけど、みんな楽しそうに振り返ってた。

・原広司
ご本人のオーラルヒストリーがおもろかった。
梅田スカイビルとかすごいよねえ。ワクワクする。行ったことないけど。
越後妻有交流館キナーレ。田中泯が踊ってたとこだ。

・安藤忠雄
キャラクターが強めで好き。
大小国内外さまざまな仕事してるよね。
体を大事にしてほしい。
ちなみに、安藤忠雄から隈研吾へ「国立近現代建築資料館できましたでー」の直筆お便り(複製)が感慨深い。
隈研吾のオーラルヒストリーは吉田鉄郎の東京中央郵便局について語っている。


「第2部:飛躍と挑戦」ということで、建築家たちの意欲的な作品(図面やスケッチなどなど)が展示されていた。
代表作だけでなく、未完のものやコンペへの応募案なども。
ちなみに第1部は「第1部:覚醒と出発」だった。

現存する建築物も多いし、さらには彼らのお弟子さんたちも作品を生み出していることだろうし、現代進行形な建築資料なのだった。

▼第2部:飛躍と挑戦 のラインナップ
吉田鉄郎:東京中央郵便局(1931年)、忠霊塔コンペ案(1939年)
岸田日出刀:ゴルフコースと倶楽部ハウスのデザイン
坂倉準三:新宿西口計画(1966年)、神奈川県庁新庁舎(1966年)
前川國男:ポンピドゥセンターコンペ案(1971年)、最高裁判所コンペ案(1968年)
丹下健三:シンガポール・スポーツ・コンプレックス計画(1972年)
吉阪隆正:大学セミナーハウス(1965年)
大髙正人:京都国際会議場コンペ案(1963年)、広島基町・長寿園団地(1978年)
高橋てい一*:浪速芸術大学コンペ案(1964年)、群馬県立館林美術館(2001年)*(てい一の「てい」は青偏に光)
大谷幸夫:国立京都国際会館(1963-1966年)、最高裁判所コンペ案(1968年)
菊竹清訓:海上都市、京都国際会議場コンペ案(1963年)、アクアポリス(1975年)
原広司:ケルン・メディアパーク・コンペ案(1988年)、影のロボット(1986年)
安藤忠雄:水の教会(1988年)

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