エジプトに行ったとき、大きい遺跡を見て、どうやって作ったんだろうと思っていたら
「反重力の技術で作っているから簡単だ。」
とのこと、反重力とは、「物質・物体に加わる重力を無効にしたり、調節したりすると、される架空の技術」と定義されている。今は、まだ、架空の技術なのだ。
「その技術が解放されたときに、使う道具が、もう売られている。探せ。」
と指示を受けていた。これまた、全く何のことか分からない。すると、両手にボールのような物を持たされて、感覚的に動かすと目の前の石が動いた。慌てて、すぐ、もとに戻す。
「この手の感覚を忘れないように、それをヒントに探せ。」
と言われた。

 ビックカメラや、ニトリ、東急ハンズなど、回って、手の感覚の記憶だけをヒントに探した。傍から見たら、やたら怪しい人だったに違いない。だいたい店の人がくっついてきた。万引きする気もないし、ただ、感覚で探しているので、探すのを手伝いましょうかと言われても説明できず、ひたすら怪しい客だったと思う。

 手芸店とかも散々回っても、そういう商品には出会えなかった。セレクトショップにも無かった。波動を良くするエネルギーグッズを売る店を回り始めた。そこに用途のよく分からないボールを見つけた。
「これだ!この感覚だ!」
と喜んでいると、お店の人が、どんどん、似たような商品を持ってきた。いろんな丸くて、エネルギーの高い物があるもんだなと未知の世界に足を踏み入れたような気がした。結局、最初に握ったボールのようなものが正解だなと思った。商品として謳っている効能にはこれでいいのだろうけど、反重力をコントロールするものとしては未完成だった。でも、これだ!見つけた!という気持ちでいっぱいだった。私がよほど嬉しそうだったからか、お店の人がいろいろ話しかけてきて
「これを作った人が、東京で講演しますから、聞きませんか?これをご購入いただいたので無料で参加できます。」
とのこと。
 これを作った人が居るのか!と当たり前のことに驚いていた。しかも、その人に会える。会わなくては!と思った。お店の人がチラシをくれた。そこには、その製作者のブログも紹介されていた。歴史についても調べている人らしい。

 講演会は、そのグッズを売る店のセミナールームだった。不思議な風貌の人が多く、こだわりの多い人の集まりだなと思った。製作者は、どこからどうみても好い人だろうというおじさんだった。残念ながら、言っていることが、ひどく分かりにくい。ブログもあらかじめ全部読んで来たのだが、分かりにくい。不明点を質問しようと思ってきたのに残念だ。
 休憩時間に、隣のお姉さんと、分かりにくい話だったねと言うと、逆の隣に座ってた全身白い服を着た強面のおじさんが、
「わざと分かりにくく喋ってるんだよ。俺が詳しく説明してあげるから、あとでお茶のもう。」
と言われた。あらてのナンパかと思ったが、隣のお姉さんも一緒に行くというので、三人で、そのビルの一階にあるドトールに入った。それぞれが飲み物を買ったので、ナンパの可能性は無いとわかり、ほっとした。
 ボールの製作者は独自の歴史観を持っているらしい。しかも、それを証明するために実際に掘ったりしているらしかった。
「まるでリアル・インディージョーンズですね。」
と私が言うと二人は賛同してくれた。

 お姉さんが興味を持っているのは、イエスの墓についてだった。イエスの墓が東北にあるという説は聞いたことがあるが、ボールの製作者がいうのは兵庫にあるということだった。
 私は、空海の墓に興味があるので、というと、怖い顔のおじさんが、ボールの製作者が空海の墓にいくツアーを企画して募集してると教えてくれた。
「空海の墓に行くツアーですか?」
すっとんきょうな声を出してしまった。これから資料を集めて、エビデンスを整えて、山口を調べて回るつもりが、もう、見つけてる人がいる!それが本当かどうか分からないが、行ってみよう!と思った。怖い顔のおじさんも結局言ってることが分かりにくくて、私が知りたいことは分からなかった。ボールの製作者は本もいろいろ出しているようだったので、アマゾンで取り敢えず全部注文した。

 その特定されている空海の墓は、佐波川沿いにあった。祖母が何度も歌ってくれた
「さばがわわたってずぼんぼえーー」
とは
「佐波川渡って、ずぼんぼえーー」
なのだ!で、ずぼんぼえーってなに???

 また、祖母は徳山という街の出身なのだが、防府市にある空海の墓の近くには徳山市の飛び地がある。
他の市区町村なので、山の途中に急に、徳山市が所有権を持っていることになる。その客観的事実から何が言えるのか、ということまでは導けない。
 ツアーでは防府市の太平山から少し登ったところにバスを置き、登山道を登って行った。地元の方が手を入れて下さっていて登りやすかった。ところどころ家などが造成されてたと思われる場所があったり、かつて栄えていた場所と思った。頂上ではないが、変わった木の生えているところに空海の墓はあるということだった。
「ここに遺骨がある。」
と姫神様たちも言う。
「でも、ここを墓と証明するものが何もない。」
と言うと
「掘ればいい。」
と簡単に言う。掘るのがどれだけ大変なのか、姫神様たちは分かってない!!と怒っていたら、
「とにかく、開けて、閉めろ。」
とのこと。ここを空海の墓と知られては困る人が結界を張っているので、それを外し、そのあと、目的外に使われないように、結界を張っておけということだった。それはそうだと思ったので、指示に従った。

 その近くをぐるりと回ると、遠くまで見張らせる場所があった。そこからは徳山の町が一望出来た。もう胸がいっぱいになって泣きそうだった。徳山市に行って、資料を探さねばならない。徳山の町が見渡せる場所になぜ空海は自分の埋め墓を用意したのか。それを探さねばならない。

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