傍の下で(空腹)

ゲッホッ、ゲッホッ・・・、ゲッホッ・・・グゥエッ・・・ウェッ、グーーーーーェッ

「なんか出てきましたね」

「うん、出てきたね」

「これ、なんでしょうか?」

「ん~~~、初めて見る形だね」

「そうなんですか」

「・・・多分。良く調べてみないと解らないけどね」

「しっかり、して下さい。先生が頼りなんですよ」

「そう言われてもねぇ、こればかりはね・・・。兎に角調べなくてはね」

「そうですね」

目の前に横たわる人物を見詰めて二人は部屋を後にした。

別室に来た二人は、端末を起動させ照合を開始した。数秒後、複数の結果が表示される。

「ふむ、やはり、初めての形だったね」

「先生の記憶力も凄いんですね」

「そうでなければ先生には、なれんよ君」

「済みませんでした」

「いいよ、いいよ、仕方ないよね、記憶の劣化はどうしようもないからね。君が心配するのも理解出来るしね」

「有難う御座います」

「所で、この患者は、どうなるのでしょうか?」

「さて、どうなるのでしょうね・・・私にも、まだ良く理解出来ていないのですよ」

少し寂しげな表情をさせて助手に語り、付け加えた。

「只、この症状は良くも悪くも他人に感染してしまうと言う事なのですよ」

「・・・・・・えッ、それはもしかして我々も感染してしまうって事ですか?」

「・・・そうだよ」

助手を見詰めて言う。

看護師が先生を呼び止める。

「先生、新たな患者さんがお見えになりました」

「そうですか、通して下さい」

「解りました」

患者が診察室に入って来た

「失礼致します」

「どうぞ、其処へ、お掛け下さい」

先生は、目の前に置いてある、椅子へと患者を促した。

「それで、今日はどうされましたか?」

「えっと、最近、お腹が張って来ていまして。どうしたのかと・・・」

「そうですか、それでは、少し診て見ましょう。そちらの、寝台に仰向になって下さい」

「はい」

患者は、先生の言われる様に寝台に仰向けになった。暫く、先生は、患者の下腹部を触診や聴診器で調べ、患者に伝える。

「・・・うむ、これは、お目出度ですねぇ、多分・・・」

患者は、驚く。

「えッ」

「多分、間違いないでしょう。後で、超音波検査をして見ましょう」

「・・・・・・、嘘ですよねぇ。子供が出来るなんて有り得ないです」

「何故ですか?」

「だって、出来る様な身体じゃないからです」

「そうなんですか・・・」

「はい」

「そうですか・・・・・・、では、超音波検査で確認してみましょう」

患者を超音波検査室に連れて行き確認すると

「・・・・・・これは」

患者は、不安げに問い掛ける。

「どうしたんですか?」

「・・・・・・うむ、これは、困りましたねぇ」

「えッ、そんなに悪いんですか?」

「悪いといいますか? こんな症状は初めて見ました」

「どう言う事ですか?」

その質問に先生は患者に画像を見せた。患者は、言葉をなくし気絶する。

「・・・・・・こまりましたねぇ、こんな事は初めてですよ」

「これは、どう言う事なんでしょうか?」

「この現象は、私にも解らないんですよねぇ。こんなモノが身体の中にあるなんて・・・」

「今までは、吐き出す事が一般的でしたからね。こんなモノがお腹の中に出来るなんて、初めてですよ」

「先生、因みに、これも感染するのでしょうか?」

「ん~~~~~、どうでしょうかね、これは少し違う感じがしますね」

2人して、困惑気味に患者を見詰める。

何故、こんなモノが身体の中に出来るのか?

こんな奇妙奇天烈なモノが出来るのか?

何よりも、この奇妙奇天烈なモノが吐き出されるのか、不思議である。

この奇天烈な、症状が出始めたのは、ここ数日の事、しかし、この数日の間に、奇天烈な症状は拡大し続けていると言う事である。






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