心の習慣

私たちは毎日同じことを繰り返します。朝起きたら歯を磨いて、顔を洗って、パンを食べて、というように同じことを日々繰り返すことが多いでしょう。それは習慣ですので、変えることは大変なことでありますし、無理に直す必要はありません。ただ、今お伝えした習慣は「行動の習慣」です。

今回、お伝えしたいのは、行動ではなく、心です。「心の習慣」についてです。みなさんは、テストとか人前でスピーチするときなどは緊張しますか。緊張する人はきっと直前になってこう思うはずです。「失敗したらどうしよう。ちゃんとできるかな」。このようにネガティブな言葉をひたすら頭の中でリピートして、自信を喪失していくのです。そして、恥をかいて他人の目を気にして、悪口を言われたらどうしようと他人のことばかり考えてしまいます。社会生活を営む上では仕方ないことではありますが、これが過度になっている人が多いです。

なんでも~過ぎることはよくないです。勉強しすぎ、食べすぎ、寝すぎ等よくないことになります。足ることを知ることが大切です。そして、勝手な妄想で怯えていることがほとんどです。はたして、スピーチを失敗したときに面前で悪口言われたことある人はどれくらいいるでしょうか。きっとそんなに多くないと思います。もし経験があったら、その相手が良くない人です。悪口は陰で言われる可能性もありますが、言わせておけばよいのです。

悪口を言うのは他人の自由ですし、言われる側が悪口を一切言わない善人とは限らないので、お互い様なのです。悪口を言われるということは関心を持ってくれているので、むしろ感謝すべきなのです。また、多角的な考え方が身に付きます。いまの自分の立ち位置はこのような位置で、こう評価されている。では、今後どう動けばいいだろうか、と冷静に考える材料を提供してくれているのです。悪口言う人ほど、実は自分にとって良い存在になるのです。そうなったら、悪口でいちいちストレスをためることもなくなります。また、悪口を言われたら怒りを持って、ずっと引きずる人もいるかと思います。美味しいごはんを食べているときも、悪口言われた嫌なシーンを頭の中で思い出す度に美味しいごはんが土みたいな味になるかと思います。

実は怒りは毒です。仏教では三毒という考えがありますが、三毒のうちの1つが瞋恚(怒り)です。怒りはずっと心の中に入っているので、それを反復することで、少しずつ不調になってくるのです。それに対し、悪口言った人はおそらくおいしくご飯を食べていると思いますし、怒りはないと思います。なので、理不尽なことに悪口言われた側の方が不幸になるケースが非常に多いです。悪口自体をなくすことは無理です。相手の気持ちを左右することはできないことだからです。

では、どう対処すればよいか。それは悪口を心の中で反復しないことです。悪口を心の中で繰り返すのは、自分自身に対してずっと悪口を言っているようなものです。しかも1回言われた悪口を、本人は気付かないうちに1日に何十回も自身で言い続けているのです。それは体が不調になるのは当然ですし、ストレス抱えたままになるのは必然です。最初はかなり大変かと思いますが、悪口を言われたら、心の中で感謝し、いつまでも溜め込まない。相手にやりかえそうなど悪意を考えないことです。なぜ相手がその悪口を言ったのか、相手の立場を想像してみるといいです。

これは正確な答えを求める必要はありません。「彼はきっと昨夜夫婦喧嘩して、離婚間近なレベルになったんだろうな。大変だな。そりゃあ機嫌悪くなるよね。そんな状態でこのレベル低い書類のミスはイライラするだろうな」というように、勝手に妄想して自分を正当化してください。決して心の中でするものであって、言動に表してはいけません。心の中でのことなら自由ですが、世の中のことではより軋轢を生む可能性があるので注意してください。

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