42.転校生・転入生

 Yっぺが転校した頃、とってもおとなしい性格のIくんも転校した。
ちょっとぽっちゃり系で、優しい物静かなIくん。
いつもニコニコしていて、大人しい彼の声を、ほぼ聞いたことがない。

体育の授業でソフトボールをやった時。
私はソフトボールは初めての経験だったのでルールが全く分からず、ボールを打った後にどうしていいのか困っている私に、キャッチャーをしていた彼が
「あそこに向かって走るんだよ。」
と、にっこり微笑んで、一塁を指差して教えてくれた。

そんな彼が、いつの間にかいなくなっていた。
転校するとか全く聞かされず、挨拶とかもなく、急に転校してしまったから、気づいたらいなかった…という感覚でいる。

もう一人、お父さんのお仕事の都合で転校して行ったHコちゃん。
お互い結婚してからHコちゃんの家の近くまで行く会う機会があったので、連絡をしてみた。
私の長男がまだ一歳になったばかりで、彼女の家のそばにある、梅で有名な広い庭園に行った。
まだ梅の咲く季節ではなかったが、梅の木が至る所にある。

Hコちゃんは、M学園を転校した後のことを話してくれた。
「他の学校へ行くまで、いじめって知らなかったの。
学園のみんなは優しいし、いじめなんてなかったから、転校して初めていじめられて、どうしていいかわからなかったの。」
涙を浮かべて話してくれた。

M学園は、人数も少ないせいか、みんなが仲良くていじめとは縁遠い。
私は、Hコちゃんとは逆。
いじめにあってからの学園だから幸せだったけど、彼女は違う。
いじめに対して免疫がない。
相当辛かったと思う。

それ以来、彼女は同窓会にもきてくれるようになった。
少しでも彼女の癒しの場になってくれてたら嬉しい。
県外から来てくれるのは、YっべとHコちゃん。
有り難いです。


5年生になってからは、Tくんと、ちょっとニヒルなYくんが転校した。
Tくんは勉強がとてもできる子で、よく算数を教えてもらった。
わかりやすく、私でもわかるように、とても丁寧に…

彼は今でも色々教えてくれる、私のパソコンの師匠でもある。
始めてパソコンを買った時もついてきてくれた。
パソコンのセッティングもやってくれて、私と主人、まだ小学生だった長男も、3人で正座をしながら彼の鮮やかな手の動きを感心して見ていた。

パソコン関係は、調べても⁇⁇わからない言葉も多く理解できないので、今は息子たちに聞くこともあるが、ちゃんと教えてくれないので、結局、Tくんにメッセージを送る。

彼は
「今、出先で忙しい。」
と返事が来つつも、すぐ対応してくれる。
私にわかるように…わかるまで説明してくれるのは、本当にありがたい。
長生きしてほしい。

ちょっとニヒルなYくんは、その後の運動会にも来ていて、なぜか集合写真にも一緒に写っているし、二人とも、同窓会に出席してくれているメンバーなので、転校生という気が、あまりしない。

そしてそして、5年生で転入してきたのが、スポーツ万能Sくん。
体育の授業でやっていたソフトボールは、赤白に分かれていたのだが、私は赤組、いつも負けチームだった。
勝ったことがない。
白はいつも強くて、毎回勝つ。

たまに入れ替えはするが、なんだか私はいつも勝てないチームにいる。

転入生Sくんは赤組に加わった。
彼が入ったその日から、赤組は変わった。
毎回、勝つようになった。
ホームラン打つし、走るのは早いし…
紅組女子にとって、彼は神だった。

白組の男子は、今まで威張っていたのに、その日から面白くなさそうな顔になった。

今まで勝ってたんだから、いいじゃない!!
そうは問屋が卸さない。
人生なんてそんなもの。

その後くらいだったか…
Hちゃんがアメリカから帰って来た。
4年生の2学期には会っていたので、彼女のことは覚えていた。
お母様がアメリカ人、お父様が日本人で神父様。

丁度アルファベットを授業で習っていて、彼女にアルファベットで書いた単語を、英語読みするとどうなるか…と先生は聞いた。 

カッコ良すぎ!!
わたしもいつか、英語ペラペラになりたい!!

それは夢の話で、英語に関してはなにも実現に至っているものがない。

転校生、転入生は、ここでフィニッシュ。
男子6名、女子17名。
この23名であと一年ちょっと、過ごすこととなる。


…続く……🎒




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