演劇がどう民主主義につながるか

結論から書きます。

演劇コミュニティは活発に意見を交わす場でありました。
ですが、同時にガッツリ権威主義、全体主義でもありました。配役というものがあるからでしょうか?
そこは世界中のどこでもそうなのでしょうが、やはりそれらの色濃い日本でございました。

先月まで、市民ミュージカルの出演者としてあるカンパニーに8ヶ月間所属していました。

率直に言って、その作品がおもしろくなるのか不安で仕方がなかったのですが、全員で一所懸命に作り上げてきたので、公演は無事に成功しました。

それでホッとしたのかその一週間後ぐらいに風邪をひきました。
公演日から今日でちょうど1ヶ月経ちましたが、まだ鼻と喉に若干風邪が残っております。
それだけ、作品に携わった8ヶ月間はかなりの神経と体力を使っていたんですね。

話が飛びましたので、元に戻しますね。

そこのトップのある著名なプロデューサー兼演出家は「演劇は民主主義を生み出す」と常日頃からおっしゃっています。

その演出家の方自身はカンパニーの人々のいろんな意見を聴かれ、ある程度は受け入れてくださいました。そのことには感謝しかありません。
(組織をまとめないといけないので、しょっちゅう、無理矢理なところはありましたが笑笑)

なので、その演出家の方の
「演劇は民主主義を生み出す」
とのご意見に異論はありません。

ですが、カンパニーでの彼の知らないところでの権威主義、全体主義に正直疲れ果てておりました。

再び、話が飛びます。

思い起こせば、8ヶ月前のカンパニーに入りたての頃、PTAやコロナ禍で権威主義、全体主義にウンザリしていました。

コロナ禍では効果があるのかないのかわからないような感染対策を全員に強いる、というのが我慢なりませんでした。

また、数年前にはPTAで広報をよくしようと会議で言ったこと、そして本当にそれをやろうとして校長先生と本部役員のみなさんから吊し上げにあいました。

その悔しさをバネにして、めげずに例年どおりをやめて良質な広報誌を作ったので、本部役員さんたちのみでなく、周りの保護者の方たちや先生たちの私に対する態度と学校の雰囲気はよくなりました。
ついには校長先生も
「えらい、すんませんでしたな。」
と言ってこられました。

それを言われたとき、すぐには何についてなのかがわかりませんでしたが、たしかにあの吊し上げ会は校長先生はその場では不在でも黒幕(笑)でした。
きっとそのことをはじめとするその他諸々のことについてなのでしょう。

そのときのPTAにおいては、いきなり会議で言って、そしてやろうとするのではなく、校長先生やPTA会長への根回しが大切だと痛感しました。

そんななか、どうやってやりたいことを成し遂げたのかというと、教頭先生とPTA副会長に味方になっていただきました。

さて、話を戻しますね。

ですが、この市民ミュージカルカンパニーでは
「そんなの関係ねー、
演出家が民主主義って言ってるんだから、
やってやれ。」

とばかりに自分の言いたいことを率直に(言葉はもちろん選びました)述べると、

「新入りのお前の立場でそれ言うなや」

とばかりに周りからの反発がすごかったです。


とくに日本では仕方ないか...


とはいえ、ホリエモンスタイルのほうが個人的には好きです。
三木谷さんのやり方でいけば、いいのはわかってるんだけども笑笑

このような性格なので、権威と全体主義の人たちとは合いません。
取っ組み合いの喧嘩をするわけではないけど、水面下ではドロドロしておりました。
もう誰とも合うことはない、と諦めていますが、お客様にいいものを観ていただく、という点ではこちらの主張を引っ込めるわけにはいかなかったのです。(とはいえ、いいたいことの8割は言わずにいました。言ったことは本当に譲れないことばかりでした。)

それにそのカンパニー内には子どももいたので、大人が作り出したヒエラルキーの独特な重い空気を吸わせたくはありませんでした。
一人の大人がその空気を破るために、あえて空気を読まずにバカをやっても大丈夫なところを見てほしかったのです。

あんまり詳細を書いてしまうと愚痴っぽくなるのですが、本当にいろいろありました笑笑
わりと無理くりなことを言ったり、あるいはしてくるリーダーである演出家にはみなさん甘々で、このような性格の私にはあたりがきついカンパニーではありました。

作品はミュージカルです。
なので、作曲家の大先生が私たちを信頼してくださったプレスでの発言、そして想いの込もったまさにプロフェッショナルなお仕事を目の当たりにし、それを励みに辛いことはありましたが最後まで踏ん張ることができました。

そして、観にきてくださるお客さんのことを第一に考えて真摯に取り組めたことも一生の宝物になっております。

思えば、楽しいこともたくさんありました。
キツい人は数人いましたが、集団で一人をいじめる、などという人は一人もいませんでした。
庇ってくれたり、優しくしてくれる人も何人もいました。子どもたちも素直で明るくてとても優しく、個人的には大人よりもしっかりしているな、と思っています。

また演出家もわたしの言ったことの9割以上を取り入れてくださいました。
こちらはその方には一切媚びずでした。(むしろ反抗的とも捉えられていたのかもしれませんが。)そこは配役には関係がなかったようで、とてもいい役をくださいました。

なので、私を含む自分の意見を述べていた数人と演出家との間では民主主義はたしかに存在しておりました。

そんな感じなので、結局誰も嫌いになることなく、むしろ仲間のみなさんのことが今でも大好きなんだな、と1ヶ月経った今では思っています。

それにしても民主主義...  
むずかしいですね。


傍観していている人たちや意見を言いたくない人たちに、関われ、そして意見を言え、と無理強いするわけにもいかないし、またそういう人たちも必要なのかもしれないし。


うーん。

どこの国において本当の意味での民主主義が作用しているんだろう、また日本で民主主義が根付くにはどうすればいいんだろう、と考える毎日です。

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