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【要約&実践】1年で成果を出す P&G式10の習慣

こんにちは!消費財メーカーのマーケターとして働くmotuです。
マーケティングに関する書籍の"理解"から"実践"への架け橋となる記事を投稿していきたいと考え、活動しています。

書籍の内容を"実務"で活かすことができるよう、要約・体系化していくので、ぜひご覧ください。それではやっていきましょう!

書評

【再現性】   ★★★★
【面白さ】   ★★★
【おすすめ度】 ★★★★

今回紹介するのは、杉浦里多氏著書の「1年で成果を出す P&G式10の習慣」です。この書籍からは、175年間、180カ国でビジネスを成功させ、社員能力No.1に育て上げる会社であるP&Gのノウハウを、誰もがしっかり身に着けられるようにまとめた、最強の成果を出す習慣について詳しく学ぶことができます。それではやっていきましょう!

1.「目的は?」を口ぐせにする

何か行動を起こそうとするならば、常に、その質問に答えられるように、「目的」をはっきりさせておかなければいけない。

行動する前に目的を明確にするメリット
①自分の頭が整理される
②やるべきことの取捨選択ができ、効率が上がる
③目的を達成するためにどうすればいいかを一生懸命考えるため成果が出る

その際、相手に求めるアクションは、徹底的に分かりやすくする。「この場合の徹底的に分かりやすく」は、自分は何をすればいいのか取るべき行動が分かることと、相手の理解と自分の理解がずれないよう言葉選びに配慮すること。

また、目的と一緒に必ず、目標値(数値)を設定することも重要。言葉の持つパワーと数字の持つパワーの両方が一緒になって、腹落ちする。ゴールとしての目標値に加え、さらに背伸びした数字をストレッチゴールとして設定することも重要。

2. ダメ出しより、まずポジティブな言葉

必ず「何か成長した、達成した、といえることはないか」と頭をひねり、様々な角度から検討し、それを証明できる要素やデータを掘り出す。失敗とかダメといった否定的言葉、ネガティブな言葉を使わない。第一声は、「感謝」と「褒める」が鉄則。

誰かを巻き込むとき、あるいはチームのコラボレーションを高めたいときに必要なステップは以下の4つ。

①目的を共有する
これによって得られる会社やチーム全体の意義も説明する
②スケジュールや期限
「いつまでに何をする」を明確にする
③役割と責任を相手が受け取りやすいように説明する
相手の専門・得意分野や、頼られてうれしい能力や知識などの強海が、どれだけプロジェクトの貢献になるか。あなたしかできない!あなただからできる!という表現で伝えたい
④優先順位や、これだけはやってほしいことを明確に伝える

自己アピールが必要な際は、成功事例あるいは課題のある事例として自身が関わったプロジェクトを客観的に分析し、共有する。

3. フィードバックの言葉をあげる・もらう

フィードバックとは、目標達成のために必要な行動を、アドバイスすること。よいフィードバックセッションにするには、フィードバックをあげるにも、もらうにも、良い作法がある。

<フィードバックを相手にあげる作法>
①必ず、相手が聞く耳を持つ状態であること

(○○についてどう思った?など)
②ポジティブで相手にとって意義のあることに集中すること
(もっとよくできるとしたら、など)
③それにより、何がどう良くなるかというつながりと成功像を伝えること
(○○をすると、もっと○○ができると思うよ、など)

<フィードバックをもらう作法>
①具体的でピンポイントなコメントを求めること
(○○の点についてはいかがでしょうか?など)
②よくわからない言葉やことがあれば、具体例を尋ねること
(具体的には何が足りなかったのでしょうか?など)
③どんな小さいフィードバックの中にも価値を見出し、感謝すること

このとき、ヒトではなくモノを主語にして、目標達成に必要なモノを中心に話を進めるとよい。

4. 「消費者がボス!」顧客志向で考える

ターゲットを真に理解してココロの満足を達成する商品・サービスを提供する「顧客志向」を身に着けることは重要。仕事においては、上司や同僚、取引先などすべての利害関係者を"顧客"と考える。顧客志向は以下5つのステップで実現する。

①目的と戦略の設定
②取り巻く環境の分析
③WHO (お客様理解)
④WHAT (お客様に提供する価値)
⑤HOW (お客様との関係づくり)

以上の内容は、同じくP&G出身森岡毅氏の書籍「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」を読むことで理解を深めることができるのでおすすめする。

5. リーダーシップは「影響力」と考える

リーダーシップは行動で示す。P&Gのリーダーシップの行動指針は以下のとおりである。

・Envision (未来を描く)
理想の状態から未来を創造し、自分たちに有利にゲームを変える
・Engage (コラボレーションする)
社内外、縦横の部署間や組織を超えてコラボレーションする
・Energize (やる気を引き出す)
ビジョンを実現するためにリソース(資源、資産)や人を活性化する
・Enable (パフォーマンスを上げる)
強みを活かし、妨害(不安や恐れ、スキルやリソースの欠如、ビジョンや目的の不在など)を取り除くことで成功の確度を上げる
・Execute (最大効果の実践をする)
最大の効果を生む実践のための、プランやシステムをつくる。成功の法則としてエッセンスを抜き出し、それを標準化する

6. 「万が一」を想定する

「万が一」が起こりえる可能性を常に頭に入れ、事前に対策を打っておく。判断、決断の材料としても、自分たちを守るためにも、客観的な証拠や理由をそろえることを常に頭に置きながら、仕事をする。

「万が一」の解決にはスピードが重要。事実を正しく伝え、顧客を安心させ、信頼を得ることは、もっと重要。

7. 「1ページメモ」で頭を整理する

すべての書類は1枚にまとめる。以下のポイントを押さえる。

①目的と結論のハイライト
②背景情報
③主文(提案/報告/重要メッセージ)

できるだけ箇条書きにして、主張を明快にする(3~5個以内)
④根拠
⑤検討事項や課題

読み手の疑問や言及できていない事柄の予想や、リスクや代替案の検討、今後のアクションに続く課題を明確にする
⑥今後取るべきアクション
会議のまとめは、だれがいつまでに何をするかを全員で合意する

以上のようなポイントを押さえ、「この文章で一番伝えるべき大切なこと」「それを納得させるために必要な情報」に的を絞り、論理的に組み立てていく。再確認する際は、以下のポイントを押さえる。

・目的は明確か
自分はこのメモを使って何を得たいのか
・読み手を理解しているか
読み手が誰かを特定し、意思決定のカギとなる要素を考える
・文章は、明確、簡潔、完璧か
短く簡潔に、読み手の誤解の余地のない明快な文章を心掛ける
・正確な文章、情報か
誤字脱字、データ、文のつながり、文法、句読点など、何度もチェック(上司や同僚のダブルチェック)し、校正する

これらをさらにスマートにするために
・最も重要なことは1文で言い切る
・大切なポイントは3つに絞る

メモをうまく書けるようになる一番の秘訣は、トップや上司が出す優れたメモやメールを保存し、マネすること。

最後に、より説得力を上げるメモを書くために抑えるべきポイントを示す。

①インパクトのある出だしを書く
②前向きで積極的な言葉を使う
③読み手の気持ちいいを考える

8. 他人の成功体験を徹底的にマネする

プロジェクトが終わるたびに、定期的に結果を総括する習慣をつける。できるだけ一般化できる成功要因を見つけ出し、それを共有する。成功事例の共有として以下のような内容を入れる。

①目的と結果のハイライト
②背景
③結果の内容と証明する数字、データ
④学び&うまくいった要因とうまくいかなかった要因

・事例が成功した最も重要な理由を突き詰めて考える
・他の事例に応用するとしたら、何が有効か
⑤次回に向けての課題と取るべきアクション

特に、④の学びと要員を一般化できるように分析することが重要。

9. 「量」より「質」の時間管理

目標達成のために最も必要なことに集中すると同時に、自分がやらないことを見極めることも重要。ワークとライフ、それぞれの目的を設定し、その目的を何より優先し時間を作ることが重要。

<P&G流会議の進め方>
①会議のオープニングに、目的と所要時間(+背景情報)を共有する
②会議内での心得、ファシリテーションとして
・目的に集中する
・誰かの意見を否定や攻撃することなく、建設的で前向きな議論にする
・全出席者が適切に発言し、参加できるように調整する
・まとめる、結論の確認をする
③最後に、次のアクションステップを確認する

10. ボスマネジメントをする

ホウレンソウ(報連相)ではなく、ソウレンホウ(相連報)にする。相談する際は、上司の答えを、イエスかノーにする。上司は、資産であると認識する。上司の上司とも、コミュニケーションをとる。

上司が持つ以下7つのパワーを活用する。

①夢実現パワー
キャリアの実現を一緒に考え、目的達成の支援をしてくれる
②能力開発パワー
日常および査定時に成果や能力を評価し、伸ばしてくれる
③トラブル処理パワー
クレーム処理や問題発生時の謝罪など矢面に立ってくれる
④監督責任パワー
物事を前進させるために承認し、責任を負ってくれる
⑤無料アドバイスパワー
身近で学ばせてくれる。アドバイスやフィードバックをくれる
⑥お偉い方人脈パワー
社内外の偉い人の紹介や交渉をしてくれる
⑦チャンス拡大パワー
上司の仕事に関わることで、より大きな仕事に関わるチャンスが拡がる

以上です。長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
本日紹介した書籍は以下のリンクにまとめてあるのでぜひチェックしてみてください。また次回!

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