まるちゃん

どこにでもいる大学生です 日々の暮らしで感じたことを共有したいと思います

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【詩】憧憬

始めは 小さな泡だったのに  いつの間にか辺り一面の海になってしまいましたね こうして眺めて もう何年になるだろう 眠っているのですか? 水面は恐ろしいくらい凪いでいて 深さは底知れず その神秘に吸い込まれる 私は疲れました  腐るよりも あなたという海に沈むことにしました どこまでも沈む感覚は 時間も思考も停止させるようだ いつしか水面越しの暗黒には 記憶という星が瞬き 私を追って降り注ぐ ああ どこまでも堕ちて 記憶を抱いて 化石になりたい 

    • 【小説】繁華街 ☆寝る前の30分☆

      第一章 堕落 都市ルピアでは荘園主義の撤廃を求める人間によるデモ抗議が成功した。そうして、支配層である上級種は荘園主義の終了とルピアに在住する全ての人間に対する労働の自由を保障した。 その直後、民間の研究事業が活発化したことで「応用魔力学」の著しい発展により魔力革命が起こった。従来、魔力は上級種のみが扱う未知の概念だったが、人間の熱心な研究により魔力を観測し、そこから抽出したエネルギーを応用するまでに至った。実は、ほぼ同時期に蒸気機関の発明も起こったのだが、魔力のエネルギー効

      • 【詩】終わりなき努力

        他人より秀でたものが無いから 私の価値は努力だけだった 今だって追いかけるので精一杯で 通り過ぎる景色にも気付けない 自分を律し続けた始末 私の心はしおれてしまった それでも前を向いていられるように支えてくれる いつも私の前を歩いていく 頼もしいペンがいる

        • 【詩】白舞

          ゆっくりと足を滑らせて 心を悲しみに染めて涙を止めるように仰ぐ 暗闇で輝く残像は粉雪のような脆弱さで その指の曲線美は 世界の隅をなぞるように

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          【詩】立体

          二人は星になった 夜空に並べられ、光に便りを乗せた しかし、それが旅した悠久の時 愛を忘れた 空は広がり朝から晩へ 絵本や文字ではない どこまでも世界だ

          【小物語】ガルガンチュアの夫人

          1935年10月末の馬車の中、ガレリア・ドレインとガレリア・ナトルプは虚ろな目をしている。 関所の門番の甲冑に促されて、その影を踏み越えていく。 新聞配達の駆け足かと思った音は、娘のケイのものだった。 こんな時間に何の用かと不審に思った刹那、金庫の資産の不在に気付いた。 秋の寒空、朝食には重すぎる味わいであった。 元は世話係として買った娘に与える愛情など無く、適当な機会を見計らって縁を切るつもりだった。 しかしながら、その目論見も白紙になり、挙句の果て地位不相応の貧困生活

          【小物語】ガルガンチュアの夫人

          【詩】Te amo

          遥か遠くの暗闇で ミオソティスの言葉を思い出した その瞬間 世界の鐘の響きが 涅槃しかけた杯から涙を零した ごみ箱で輝いた そよ風をもう一度 

          【詩】白黒

          君と一緒に失った色を探し求めた このトンネルを抜けると戻れるのかもしれない 繋いだ手は離さないように 踏み出すごとにポケットが軽くなっていく いつしか体も脱ぎ捨て光の粒になっていく 最後に見た 君の涙が色付いた 名もない花が二輪 世界が再び回り始めた

          【詩】抱擁

          どんな私でもそばにいてね 体が触れ合い 時間が止まる瞬間が好きなの ほら鼓動が一つになろうとしている でもすぐに離れないといけないくらい この世界は窮屈なのよ そうして二人は飛んだ 色焼けの辞書が並ぶ棚の奥

          【詩】告達

          涙は朝日に輝いた はて 誰を想ったのだろう 夢の中の私が囁いた 愛せよ 感謝せよ 嗚呼 そなた 永遠に

          出会い

          旅路は月の跡 忘れられずや かの心 忘れられしや その心 あ々 かの静寂に 世界は逆行す いざ隠さん  忌みし その神秘 天の目閉ざされ 重なる

          知っているようで、知らなかった

           昨日はとてつもなく暑かった。どの番組を見ても、史上初の猛暑日とか、熱中症対策とかを警告していた。  だから夜は窓を開けて、布団をかけずに寝たのだ。  しかし私は、長野県の夏を、ある意味舐めていたようだ。長野県は昼夜の気温差が激しい。それを実感したのは、今日の朝、凍えながら起きたからだ。  火曜日の午前4時。私は大学の近くで一人暮らししているので、いつもは午前6時に起きている。2時間も早く起きてしまった。  こんな時間でもチュンチュンと雀が鳴くのが聞こえる。いつもはカーテン

          知っているようで、知らなかった

          これからのインターネット社会において、誹謗中傷問題は無視できない。

           あなたは、自らの表現の自由をもって、他人に悪口を言うことを正当化できますか?  我々日本人の表現の自由は日本国憲法において保障され、個人の自由に含まれるものです。  しかし、すべての人間が全ての自由を保障されることはありません。法的に認められる自由は全て、他人に危害を及ぼさない範囲で保障されているものです。  では、近日問題になっている著名人等への誹謗中傷を考えてみましょう。  今まで見てきた通り、他人に危害を加える書き込みは全て、自由のうちに含まれず、場合によっては

          これからのインターネット社会において、誹謗中傷問題は無視できない。

          ある日のきく子ちゃん

          きく子ちゃんは小学四年生です。 きく子ちゃんは虫が大好きで、特にダンゴムシが好きでした。 お父さんに買ってもらった大きな水槽に、土や石、葉を入れて、たくさんのダンゴムシを飼っていました。 ずっとダンゴムシと一緒にいたので、誰よりもダンゴムシのことを知っていると思っていました。 ある日、きく子ちゃんはクラスのたく郎くんと話していました。 すると、たく郎くんが、 「ダンゴムシのこと教えてよ」 と言いました。 きく子ちゃんは 「もちろん。なんでもきいて。」 と答えました。 きく子

          ある日のきく子ちゃん

          あなたと私は分かり合えるだろうか

          「無知は罪」 君は自分のことを教えてくれないね そりゃそっか 全部知ってるんだもんね 私も知りたいから 分からないことは 全部聞くね 私たちが 完全に理解し合うことは できないのに 無駄だとは思わないの? うーん 知る努力もせずに 知った気になるのが 一番の罪だと思うからかな

          あなたと私は分かり合えるだろうか

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          トラ君    神さまありがとう。  無宗教の私も思わず十字架に頭を下げたくなる幸運だ。  私は一年前からトラ君に思いを寄せている。学年で三番目くらいに背が高くて、でも一番大きいあの男子よりも細身で色白だ。一番元気のある男子グループにいることが多いが、そこに属している男子たちの中で一番冷静で知性的な、「おとな」って感じの男の子。  そんな彼が五年生になってから二回目の席替えで、左斜め前に来てくれた。(くじ引きなので、その結果に彼の意思はないのだが。)  好きになってから今ま

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