佐藤 礫(レキ)

毎週月曜日更新頑張ります。 本と映画と漫画とゲームが好き。

佐藤 礫(レキ)

毎週月曜日更新頑張ります。 本と映画と漫画とゲームが好き。

最近の記事

  • 固定された記事

台湾料理と苦悩とチューリングマシン

 今作品は長編SF「デウスエクスマキナ(仮題)」のテストのために書かれたものです。本編の中盤にあたる部分を抜粋したところです。突然始まりますが、ご容赦ください。 登場人物   先輩 人工知能研究の若手のホープ。唯我独尊。博学。変人。T大学大学院所属。    黒萩 文学とSFが好き。陰キャっていうな。都内のそこそこの大学のちょっと下のレベルの文学部文学科。  2050年。東京。下北沢。 「それは彼自身の苦悩に根ざした問題だ。君が解決できるもんだいじゃない。」  そう彼女は告げ

    • デウスエクスマキナ②

       春の訪れを密かに感じるような爽やかな風の中、わたしはその時下北沢を歩いていた。いつものバイト先に行くためだ。  薄暗い店内の中を慣れた足取りで歩いて行く。古着屋アールヌーボー。わたしがアルバイトで働いている古着屋だ。働き始めたのは高校2年から。もともと古着に興味があった私は、古着屋でアルバイトしてみたかったから入った。まさか大学生になっても働き続けているとは思わなかったが。友達のあまり多くないわたしにとっていつしかここは数少ないわたしの居場所、心の避難所になっていた。この場

      • デウスエクスマキナ①(執筆中)

         コンクリートの階段を登る。この扉の先はラジ館の屋上。先輩が潜伏し、この混乱の指示を出していると予測される場所だ。わたしはここまで登ってきたことで乱れたのか、緊張で乱れたのかよくわからない息を整える。ショルダーバッグから拳銃を取り出す。マガジンを入れ、スライドをひく。装填完了。左手で銃を構えつつ、ゆっくりとドアを開いた。先輩は私に背を向けて立っている。わたしはフロントサイトを先輩に向けた状態で、射程まで気づかれないようにじりじりと距離を詰めた。 「先輩。こっちを向いてください

        • 何者にもなれず、何も世の中に残せず、無価値に死んでしまったとしたらどうなるんだろう

           最近考える。  何者にもなれず、何も世の中に残せず、無価値に死んでいったとしたらどうなるんだろうか、と。  読んでいる人を裏切るようで申し訳ないが、僕はここで「意味がなああああああいいいいいいい!!!!!!!!!!」と叫ぶマイナス思考人間の発言をしたいわけではない。  純粋な仮定である。空を飛べたらどうなるかとか、好きなあの子がもし振り向いてくれたら、とかそんな益体もない下らない問いである。でも、誰もこんな問いを真剣に立てて、世の中に問うているようには思えない。だからしょう

        • 固定された記事

        台湾料理と苦悩とチューリングマシン

          弱さの根を掴む

           それはウナギのようにびちびちとはねていて動き回っている。イメージとは違い、生き生きと生命を感じるようなものだ。だが、どす黒い色をしていて醜悪なぬるぬるとした液体をまき散らしもする。  それが僕の思う弱さである。  彼らは僕に「寂しいんなら誰かに話しなよ」「別にやらなくてもいいんじゃない、こっちのほうが優先すべきところだし」「理解されなくたっていいんだよ、君は。元々そういう人間なんだから」などと最もらしい言い訳を用意する。  その声は僕が年をとるにつれ、つまりは理性的になるに

          情報だけがあって、何もない男

           漫画、ゲーム、アニメ、映画、本。自分で言うのもあれだが僕はそこそこサブカルチャーに明るい。  人と話す時の話題もそれである。何かしらの作品の話題だったりを膨らませて話すことが多い。  だけど最近話していて気が付いたことがある。無意識にその人が知らない作品を上げることでマウンティングをしているのではないかということである。より詳しくいうのであれば作品の情報そのものを圧縮して話すため会話が情報の伝達になっているということだ。  簡潔に言えば話が面白くない。なぜなら、そこには情報

          情報だけがあって、何もない男

          繋がりと孤独

          最近交友関係が増えた。 交友というと友達100人神話がよぎるが、そうではない。単純に会う人の数が増えたということだ。ここ一か月は読書会、プラなろ会、バイト、インディーゲームもくもく会とわりと広々と活動していた。顔見知りの数は増え、大学の孤独を一時ではあるが忘れることができた。  だが、時は待たない。  4月からは大学が始まる。僕は憂鬱で仕方がない。まったく興味のない分野の勉強と話の合わない人々というストレスフルすぎる環境が僕を待っている。  僕は大学を恐れ、そのための備えをし

          ハルマゲドン

           真っ赤な絵の具を私は取り出す。  それをパレットに載せ、水を含ませた絵筆になじませる。そしてそれをおもむろに白紙に載せる。  一本の線を引く。  私はこの先の道筋を知っている。この絵の完成形が一本の赤い線からわかってしまったのだ。 「ねーねー、今日って確かノストラダムスの大予言の日だよね、ゆうこ」 「ん-、そうだっけ、あんま興味ないなあ」 「えー、世界が滅びるんだよお」 「テレビでそういってるだけでしょ」 「えー、信じてないの」 「信じないよ、そんな予言」  そんな予言

          深夜だからこそ書けるであろう病み記事を書いてみて、朝に読む

           疲れた。兎に角疲れた。だが、眠るのも面倒くさい。布団を敷いて、歯を磨くのが面倒くさい。てか、椅子から立ち上がるのが面倒くさい。てか生きるのが面倒くさい。てか何もかも面倒くさい。一々虚勢を張ったり、なめられないために努力し続けたり、クソどうでもいい赤の他人のために配慮したり。  めんどい。  生きるのがめんどい。  こんなに頑張ったって誰も褒めてくれないし、頭撫でてくれないし、可愛い彼女はできないし、自分から一々計画して行動しなくちゃいけないし。  あー生きるのがめんどい。

          深夜だからこそ書けるであろう病み記事を書いてみて、朝に読む

          猫を探す①

           あと一週間で夏休みが終わる。  私は学校に行きたくない。  行くくらいなら死んでしまいたい。  お母さんに言ってみたけど、「サボるんじゃないよ、あんた。」の一言で終わり。私が何を考えているのかとか全く理解できないし、興味もないという感じだった。  とにかく学校に行きたくない。  そんなわけで、多分他の人が見たら死んでいるような顔つきでぼーとテレビを見ていた。今日は8月15日。終戦記念日らしくて戦争の映像が流れていた。考えるともなく、ただただ見てる。時折焦げたトーストみたいな

          どうでもいいよ

          学校とかどうでもいいよ。 勉強とかどうでもいいよ。 仕事とかどうでもいいよ。 宮崎駿とかどうでもいいよ。 高畑勲とかどうでもいいよ。 未熟とかどうでもいいよ。 成熟とかどうでもいいよ。 退行とかどうでもいいよ。 成長とかどうでもいいよ。 頑張るな、とかそういう優しいこと言う人もどうでもいいよ。 教養とかどうでもいいよ。 頭がいいとかどうでもいいよ。 頭が悪いとかどうでもいいよ。 顰めっ面の顔とかどうでもいいよ。 友達なんかいねえよ。 できねえよ。 狼は生きて、豚も生きるよ。

          極め本覚え書き(現在chapter41)

          ・ビヘイビアツリーとは優先順位の割り振りをツリー条にしたものである。上から下へと左から順に実行されていく。上に戻ることもあるので注意。 ・デコレーター(青いやつ)をつけると条件付きの行動になる。雨が降ったら、傘をさす。みたいな ・ブラックボードは、人間の短期記憶にあたる概念。タスク間の記憶の保持のために変数を格納する。 ・本質的に詰まっている部分を解決するのには自分の持ち前の知識じゃなくて、理解自体を拡張する必要がある。そのためには、知識のブラインドスポットに対して自覚的であ

          極め本覚え書き(現在chapter41)

          極め本覚え書き (現在二周目のchapter41)

          ・バグはお手本のノードを左画面に展開して比べる。 ・気合入れる ・チョコを食べる ・変数の性質がpatrol pointになっていなかったのが、バグの原因。 ・コリジョンcomplex→simpleの設定のままだとコンストレイントが働かない。恐らく二重にコリジョンが働いているからだと思われる。解決した。 どうやらcollision complexityがuse complex collision as simpleに設定されていると物理コリジョンの形状が複雑すぎて、物理シミ

          極め本覚え書き (現在二周目のchapter41)

          自我について第一回

          自我について第一回

          自我について第一回

          セカイに遅れている

          セカイに遅れている グローバルに、イノベイティブに、スマートに。 有効的に、生産的に、効率的に。 そんな世界に遅れている 電車の無機質な液晶に移る本田圭佑の横顔 選手からビジネスパーソンへと鞍替えしたらしい そんな世界に遅れている 常に遅れている 「主体的で行動的なアクティブラーニングをしましょう」 「イノベーションとアイディアが世界を動かします」 「サラリーマンとビジネスパーソンの違いがわかりますか?」 わからないよ、そんなこと 日本語話せよ 自分の言葉で語れよ そんなこと

          セカイに遅れている

          ペルソナ3リロードやっていて考えたこと①

           サムネの画像はファミ通さん(https://www.famitsu.com/news/202306/12305877.html)から引用しました。  最近発売されたゲーム、ペルソナ3リロード(以降P3R)をやっている。楽しい。序盤のモノレールに出てくる敵を倒した辺りなのだが(原作はPSP版をプレイしてクリア済み)。楽しい(二回目)。  このおもしろさはどこからくるのか。つらつらと書いていこうと思う。 UIP5で味をしめたアトラスくんは今回のP3Rでもやってくれましたよ。ぐ

          ペルソナ3リロードやっていて考えたこと①