情報弱者が損をする、制度利用は知識が必要です
私は看護師で、病院に勤務しています。看護の仕事というよりは、入退院に関わる仕事をしていますので、患者さんの経済事情などを確認することも多く、それに伴って、いろいろな制度の説明をすることがあります。
制度の利用って、利用する人に決して優しくはなくて、申請しないと受けられないものが多く、親切に教えてくれる人は多くないと思います。
制度も複雑なので、知識がないと利用が出来ないことが多いのが現状なんじゃないかなぁ・・・って思うんです。
指定難病患者の医療費助成制度
先日、対応した患者さんのご家族、患者さんはパーキンソン病の診断がありました。パーキンソン病って指定難病なんです。
ですが、難病申請はしていない状態でした。
詳しくはこちらで確認してみてください。
指定難病は300以上もあって、覚えることは出来ないんですけれど、病気を診断する医師は知っていると思うんですよね。だから、親切な医師であれば、ちゃんと案内してくれると思うんですけれど、医師も助言がなく、患者家族も知識がないと、未申請だったりすることがあるんです。
よく似たものにパーキンソン症候群ってあるんですけれど、パーキンソン病とは違うので、指定難病にはならないので注意が必要です。
そして、パーキンソン病と診断されていても、該当する状態(重症度)でなければ医療費助成は受けられないんです。
申請が可能かどうか、その判断(診断)をするのは診断書の作成が出来る難病指定医です。
申請して医療受給者証を受け取ってから制度を受けられるようになります。
詳しい流れは、ここをチェックしてみてください。
ざっと、簡単に申請の流れや注意点を書いてみましたが、詳しくは専門の方に確認することが大事です。
情報格差
先日対応したパーキンソン病の患者さんですが、パーキンソン病と診断されてからすでに6~7年経っています。その間、6年ほど療養型病院で入院生活を続けていました。
入院費用は、オムツ代など込みで月に14~15万円払っていたそうです。
指定難病の医療費助成を受けられていたら、負担する金額はかなり違ったんだろうと思います。
入院していた医療機関に、なぜ申請していなかったのか聞いてみたんですけれど、「ご家族から申請の希望がなかったから申請しなかった」と言っていましたが・・・
そもそも家族にはそのような知識はなかったわけで、誰かが「難病申請できますが、希望しますか?」と聞いてあげられたら良かったんじゃないかなって思うんですよね。
情報、知識の格差が、そのご家庭の収支に大きく影響する事例だなぁと思いました。これはほんの一例ですが、受けられる制度はいろいろあるけれど、医療機関や行政って、積極的に伝えてくれないんですよね。
そして申請しないともらえないお金や受けられない制度もあって、なんとなく不公平だなぁと思うんです。
だから知識をつける
〝情報格差は貧富の差につながる〟と聞いたことがありますが、まさにそういう例だったかなって思います。
先ほどのパーキンソン病の患者さん、年金が2ヶ月で29万円くらいだと言っていたので、年金がすべて入院費でなくなってしまっていた感じでした。
奥様が自宅で生活しているのですが、奥様は国民年金なので2ヶ月で12~3万円、生活は大変だったんじゃないかって思います。
医療費助成が受けられていたら、生活は少し余裕がでたかもしれません。
まぁ、〝たられば〟なんでしょうけれど・・・
だから、患者さん側も知識をつけることが大事だし、なにか使える制度はないかなって調べてみることは大事。
私たち、医療福祉に携わる人間は知識を深めて、必要な人に情報提供することはとても大切。そうやって情報の格差が起きないようにしていきたい、って思うんです。
私自身、以前の職場で、難病の申請ができる患者さんに案内をしていなくて、他の人にフォローしてもらって申請できたケースがあったんですよね。その時に、自分の知識不足を反省したことがあって・・・。
自分も勉強を怠らず、微力ですが、頑張っていきたいなって思います。
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