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【第1回】大塚家具のお家騒動をマーケティングの観点から考える

~大塚家具創業の地から徒歩3分に住むMBAデザイナーnakayanさんが読み解く~

※かつて大塚家具の創業店舗にて、nakayanさんは小学校入学前に、おじいちゃんから入学祝いの高価なライティングデスクを買って貰いました…。

2015年2月26日公開:MBAデザイナーnakayanさんのアメブロ
https://ameblo.jp/naka-yan/entry-11994936465.html


▼2015年2月26日付東洋経済オンライン掲載記事 

(以下記事内一部転載)
「今日は社員も大勢来ています。大塚家具の危機的な状況を憂慮し、自らの意志で、久美子社長の速やかな退任と、勝久会長の復帰を強く望んでいます」。

司会役の異例なあいさつで、記者会見はスタートした。
2月25日、19時。大手町ファーストスクエア(東京・千代田区)で、「大塚家具の新経営体制構築を目指した株主提案に関する記者会見」という、風変わりなタイトルの会見が催された。異例なのは冒頭の司会者のあいさつだけではない。登壇した大塚家具の役員ら6名に続き、そのすぐ後ろには幹部社員がズラリ。「自分たちこそが大塚家具の総意」と言わんばかりだ。

中央に座った大塚勝久会長が用意した文面を読みあげた。…

私の地元で創業した後、全国区になった企業として、大塚家具を筆頭に島忠やマウスコンピューター、すしざんまいの喜代村などが挙げられます。伝統工芸品として「桐たんす」や「麦わら帽子」、「押絵羽子板」などの生産が盛んだった土地柄であり、その中の高級品である桐たんすの生産から時代のニーズに合わせた家具の販売へと商売を転換し成功した事例が多い地域であると言えます。

今世間から注目を集めている大塚家具のお家騒動の動向は、地元創業の企業ということで私も注視しています。大塚勝久会長と大塚久美子社長の結果の伴わない経営戦略の違いが事の発端とされる訳ですが、仮に、どちらか一方でも業績向上という結果を伴っていたならば問題は起きなかったのではないでしょうか。では、事の発端である経営戦略の違いとは具体的にはどのような違いがあるのでしょうか。これについては、マーケティングの観点から考察しますと、その違いというものが把握可能であると言えます。

フィリップ・コトラーの提唱する競争地位別の戦略では、大別して以下の4つに分かれるとされます。「リーダー」「チャレンジャー」「ニッチャー」「フォロワー」です。コトラーによると、それぞれの競争地位において「目標」と「戦略定石」が異なってくるとしています。

具体的には、リーダーの目標は、「最大の市場シェア、最大の利潤、名声やイメージの確保」、戦略定石は、「周辺需要拡大政策、同質化政策、非価格競争政策、最適市場政策」などになります。

次に、チャレンジャーの目標は、「市場シェアの拡大によるリーダーの地位奪取」、戦略定石は「リーダーが模倣できない、革新的な差別化」などになります。

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