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「自分の考えた衣装デザインを最強のイラストレーターさんが描いてくださるのが 最高に嬉しいですね!」 | カカリアスタジオ スタッフアドベントカレンダー2021 - Day.15

この記事は「Happy Elements カカリアスタジオ スタッフアドベントカレンダー2021」の15日目の記事です。

今回のアドベントカレンダーでは、Happy Elements カカリアスタジオのスタッフに『カカリアスタジオの仕事』をテーマにインタビューを行っています。様々な職種のスタッフが、どんな仕事を担当したのか、普段どのような考え方でモノづくりをしているのかをご紹介します。

2021年のアドベントカレンダーの15日目は『あんさんぶるスターズ!!』チームのイラストレーターで衣装デザイン統括の Y.Mさんにお話をうかがいました!


【略歴紹介】Y.M/イラストレーター、衣装デザイン統括。『あんさんぶるスターズ!!』の衣装デザイン・監修を担当。最近ではアパレル系グッズのデザイン・監修も担当している。


「気づいたら肩書きが『衣装デザイン統括』になっていました(笑)」

ー 今回は『あんさんぶるスターズ!!(以下 あんスタ!!)』の衣装デザイン統括でもあるY.Mさんにお話を聞きたいと思います。まずは『あんスタ!!』の衣装デザインがどういう流れでできあがるのか、その中でY.Mさんが担当されている仕事をご紹介いただけますか?

よろしくおねがいします!

衣装デザインの順番としては、まずコンテンツディレクターの方が衣装の設定資料を制作されるところから始まります。

「こういう方向性で、この要素を入れてほしい」などがテキストとイメージ画像でまとまったものですね。

資料を衣装デザイン担当が確認し、「この色を使ってほしいのかな」とか「こういうインナーを着て欲しいのかな」というイメージを汲んで、ラフデザインを制作します。

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そのラフをコンテンツディレクターとアートディレクターの方が確認します。主にコンテンツ的な齟齬がないか、印象や方向性のズレがないかなどですね。この時にデザインがほぼ確定します。

その次に、正式に正面画・背面画を描いて、衣装の詳細な部分を詰めていきます。生地の裏面はどうなってるのか、袖口はこうじゃないかとか、あとはプロップ(小道具)のデザインなんかもですね。
ちなみにSCR衣装もその時に一緒に確認します。

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衣装デザインの流れを簡単に言うとこんな感じですね。
その中でも私はデザインをメインで担当しているのと、他の方がデザインされた衣装のチェックをしている感じです。


ー この資料を見て改めて思いますが、『あんスタ!!』の衣装デザインってすごく細かいところまで設定が描いてありますよね。それこそ、縫い目の位置や小物の付け方まで細かく…。他のゲームでもあそこまで細かく指定するものなんでしょうか?

他のゲームだと「衣装デザイン担当」という業務自体が珍しいかもしれません。

以前から『あんスタ!!』はイラストレーターが分担して衣装を考えていて、私も元々はイラストレーターで入社して数年は☆3のカードイラストを描いていました。

イラストレーターとしてカードを描きつついくつか衣装を担当する中で、アートディレクターの方が私の衣装デザインを評価してくださっていて……気づいたら衣装デザインが仕事のメインになって、肩書きが『衣装デザイン統括』になっていました(笑)

任せていただけることは大変有り難いなと思ったのと、統括になったことでよりクオリティへの責任を感じたことを覚えています。


ー 適正を見出されたわけですね。最初はイラストレーターで入社されたということですが、元々ファッション関係のお仕事を経験されたことなどはあったんですか?

いえ、全然そういうわけではないです。そういった学校を出たわけでもないですし。前職ではデジタル配信のコミックスを描いてました。

ただ服はずっと好きだったのと、『あんスタ!!』チームに入って自分で衣装を考える中で勉強もしましたし、あとは自分が考えたデザインが実際のイラストになっていく中で学んだことも多いです。

「気づいた方が「これは熱い!」となってくれるかな」

ー これまでY.Mさんがデザインされた中で、特に印象に残っている衣装などはありますか?

基本的にはどの衣装も拘って制作しているので気に入っているんですが、特にとなると 以前別のインタビューで答えたこともあるんですが、鳴上くんの専用衣装(フィーチャー衣装)ですね。

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「やっぱりオシャレな人は背面もオシャレやろ!」と思っているので、デザインでもそこがこだわったポイントです。

また、初めて衣装デザインを担当した『太神楽!祝いのニューイヤーライブ』の真緒くんの衣装も思い入れがあります。

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ー それは印象に残りますね! 他にも何か思い入れのある衣装や、逆に考えるのが大変だった衣装などはありますか?

……衣装を考えるのはどれも大変ですよ!(笑)

その中でも 他に思い出に残っているのは、ゲームの中のものではないんですが『マイナビ presents 第30回 東京ガールズコレクション 2020 SPRING/SUMMER』(以下 『TGC』)」の時に着ていただいた衣装をデザインしたことですね。

自分のデザインした衣装が実際の『TGC』のランウェイを歩くというのはそうそうないと思うんです。

普段ゲームの衣装デザインをしている自分の考えた衣装が、まさか『TGC』という場で歩いているとは……!そんなこと滅多にない体験だと思うので、それはめちゃくちゃ感動しました!有り難い事ですよね。

ちなみに元々『あんスタ!』時代には「スカウト!ランウェイ」というスカウトの衣装があって、『TGC』の衣装は、それになぞらえてデザインをしました。気づいた方が「これは熱い!」となってくれるかなと思いまして……!そういった部分も含めて思い出深い衣装ですね。


ー 聞いていてとても夢がある話ですね…。衣装デザイン担当はそういったゲーム外のデザインに携わることも多いのでしょうか?

そうですね、グッズのデザインなどにもかかわることがあります。

例えば私の場合は『あんさんぶるスターズ! DREAM LIVE』の4thからグッズの監修や、4thのみパーカーの大まかなデザインもさせていただきましたし、他にはESMGのアパレル系のデザインもさせてもらいました。

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また、最近ですと『fav.CAKE』というオリジナルグッズブランドの立ち上げにも参加しています。

『あんスタグッズおはなし団』などを見ていただいているファンの方には、グッズと言えば『アサクラさん』のイメージかもしれませんが、私もかなり関わらせてもらってます!(笑)


ー つまりあのアパレルなどは「推しの衣装をデザインしてる人と同じ人がデザインしている」ことになるんですね。
それはアイドルのファンの方的にはかなり嬉しいお話ではないでしょうか。

そうだったら嬉しいです!

「見つけちゃった!」

ー ゲームの中の、しかもアイドルの衣装デザインはかなり特殊な仕事だと思います。普段デザインをされる上で意識されていることなどはありますか?

イラストになった時に画面が映えないデザインは避けたいと思っています。
「顔がいい!ポーズがいい!でもこの衣装だと躍動感とか臨場感が足りないな……」とならないように気をつけていますね。
動きをつけた時に目立つところには揺れモノがあったほうがいいとか、なにかモチーフが合ったほうが良いとか……。

そういったイラストの見栄えの部分は気にしてデザイン・監修しています。


ー 「!!」になって、衣装が3Dでも制作されますよね。その部分でも何か意識することはあるんでしょうか?

3Dになってアイドルの全身が見えることが多くなったのが大きいですよね。

特にこれまではあまり衣装の背面が見えることが少なかったので、比較的シンプルにしている衣装もあったんです。
でも3Dになると後ろもよく見えるので……、そこでガッカリされないように、背面でも良く見えるようにこだわっています。
あとは動いた時に衣装自体にも動きが出るように、という部分も意識はしていますね。


ー 個人的には『Walk with your smile』など足元までしっかり映るMVも多いので、大変そうだなと思って見ています。

足元について言うと、私、靴のデザインが好きなんです。
特にフィーチャー衣装などでは靴底にこだわっていますね。

足の裏にアイドルになぞらえたモチーフなどがポイントが有るのとか「熱っ!」ってなるかなと思って。なので、私がデザインを担当したフィーチャー衣装は足裏にワンポイントが入ってることが多いと思います。

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私もですが、ファンの方ってめっちゃ細かいところまで見てるじゃないですか?その中で、そういうちょっとしたポイントを見つけると「やった!」となる部分があると思っていて。「見つけちゃった!」みたいな(笑)
そういうのが私も好きなので、入れるようにしています。

3Dの方にはちょっと無理してもらっているかもしれませんが……(苦笑)
でも逆に3Dチームが凄いアングルを付けてくださるからこそ、こちらも気を抜けないところもありますしね。

3Dチームとの細かいやり取りの積み重ね

ー 3Dの話でいうと、チームからは「装飾の揺れ方も衣装の方がチェックしている」と聞きました。

はい、そこは衣装側からお願いしています。
例えば小物1つにしても「このイヤリングはちょっと重ために揺れて欲しい」とか、「この布が”てろんてろん”に揺れてるけど、もう少し固めに揺れて欲しい」とか。

やっぱりデザインをする時点で、布の生地感も考えてるんです。柔らかい生地で・硬い生地でとか。そういったこだわりがある場合はデザイナー側で細かく指定を書いていますね。

逆に3Dチームから表面の質感を提案していただけることもあって、こちらは特に指定してなかったのに「すごい!動くとキラキラしてる!めっちゃいいですね!」とかもあります(笑)


他にもこだわりをお話すると、どの衣装もアイドルのスタイルが綺麗に見えるように意識しています。

例えばベルトの位置が少し違うだけでも胴長に見えてしまったりしますし、ポケットの位置も”くびれ”より少し下かくらいにしたほうがシルエットが綺麗とか……そういう体の形に沿って配置を考えたりですね。
3Dで作っていただくときも「もう少しだけ位置を上に」とか細かく調整していただいています。

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「このアイドルにはこういう衣装を着せたい!」

ー 『あんスタ!!』に限らず、ゲームの衣装デザインを仕事にしたいと考えている方に向けて、アドバイスなどはありますか?

いろんな服を見てほしいと思います。

私も仕事の中で世の中のいろんな衣装を見て「こんなところにこういう装飾をつけるんだ」と学ぶことが多いです。そうすると自分の感覚が洗練されていくと思うんです。例えば先程の『ポケットの位置』についても、たくさん服を見るなかで分かってきました。

そういうのが分かっていくのも楽しいですし、色んな服を見るのがいいかなと思います。私の場合は普通の服の他にも、SNSなどでバズっている服とか、あとはアニメやゲームなどで話題の服を調査したりもしています。


ー 『あんスタ!!』の衣装デザイナーに向いているかたはどういう方でしょうか?

すごく当たり前のことですが、服が好きでデザインに興味があるかたですね。

あとは「私ならもっとこういう服を着せたい、このアイドルにはこういう衣装を着せたい!」というイメージがある方がいいと思います。
そういう方なら仕事をしていて楽しいと思いますし、仕事をするうちにどんどん上手くなっていくと思いますね。

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ー カカリアスタジオで働くことに興味を持っていただいてる方にメッセージをお願いします。

カカリアスタジオは「働きやすいな」という印象があります。
フレックスなので働く時間も、短くも長くも自分で調節できますし。

他の方とのやりとりもしやすいので、私はめっちゃ働きやすいです……嘘じゃなく「この会社以外もう無理じゃない?」と思ってるくらいなんですけど……(笑)

(同席したゲームデザイナーの方から「それほんと思います!みんな優しいですし!」とコメントがありました)

ですよね。仕事をしてて変に怒る人もいないですし……(笑)


ー 「みんな優しい」はこのインタビューをしていても、皆さん口を揃えて言われます。

私も他の方が考えた衣装のチェックをしますが、やっぱりやる気を無くして欲しくないじゃないですか?

みんなに「考えていただいている」というのもありますし、お互いに向上心を持って良い衣装をアイドルに着せたい。
それなのに上司に「何このデザイン?」とか言われたら、「えっ、あっ、、すいません」と、手が震えて一生デザインしたくなくなりますよね!?
私だったら怖くなっちゃって無理です!

もちろん厳しくないからと言って気が緩んで仕事してるわけではないです。
みんな自制して働いてるというか、自分で自分が緩まないようにコントロールして働いてます。

それが働きやすい理由だと思います。

あとは自分の考えた衣装デザインを最強のイラストレーターさんが描いてくださるのが最高に嬉しいですね!

はい、そんな職場です(笑)


(ー Y.Mさんありがとうございました!)

最後に、Y.Mさんがデザインされた衣装をいくつかご紹介します

Y.Mさんのコメント
「お気に入りの衣装が多くて絞れなかったです……もっとあったんですが……」

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衣装デザイナー急募中です!
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