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消費者金融でバイトした時の話

noteを書き始めて、何かネタがあったかなと思い出していたら
20代の時に消費者金融でバイトをした事があったので、
守秘義務に触れない程度でお話させていただきます。

なんせ30年以上前の経験で、記憶違い等はあるかも。
そーなんだ位に読んで欲しい。

なぜ消費者金融でバイトしたのか

失業保険の期限もそろそろ終わるので、
バイトでもするかーと当時フロムエーとか
アルバイト情報誌を買った。

時給が良くて楽そうなところを探していると、
都心とは逆方向の家から数駅先の消費者金融の
店舗でアルバイトを募集されていた。

家から近くて通勤も楽だし、時給が良かったので応募。

すんなり採用していただいたが、社員さんと違い
アルバイトなので書類を探すとか楽な仕事が多かった。

社員さんは高卒の仕事ができる人と、
良い人だけどふんわりした高学歴大学卒で
2極化されており、どうやら数年前から
新卒は高学歴大学から採用しているようだった。

すぐに枯れる植物

なんとかグリーンサービスとかいう会社が
店内の植木を定期的に交換してくれるのだが、
こんな短期間でなぜすぐに枯れる?という位
どの植物もすごいスピードで弱っていた。

交換に来てくれたお兄さんに
『何でウチの植木こんなすぐ枯れてしまうん』と
火垂るの墓のせっちゃんのように質問すると
苦笑いしながら日当たりが悪いからかなーと
そそくさと逃げられてしまった。

植物は悪い気を沢山吸ってくれると枯れてしまう事が多いが、
店舗にやってくるどんよりしたお客様の気を吸って
くれていたのだろう。

どんな人が借りにくるか

当時の新規で借りにくるお客様は、あえて書かないが、
まあ皆さんが想像するような人がほとんどだった。

だが、何でこの方がわざわざ消費者金融に?
という方もいた。

セレブさん(仮)はとても良いところにお勤めで
都内に実家(持ち家)で年収も30代女性で
500〜600万円とかかなり高かった記憶。

消費者金融1件で借りられる金額は上限がある。
(一部不動産ローンとかはあるが)
上限まで借りて足りない方は2軒目、3軒目と
増えていくのだが、セレブさんは
こんなに借りられるんだ、という位借りていた。

本人のスペック(年収や持ち家や住む場所)と
借りられる金額は当たり前ですが比例します。

ある日店長にセレブさんが店頭に来たら
すぐに店長に接客を変わるように言われた。

優良なお客様は特別待遇で他社との借り入れをまとめて、
金利も優遇するとかそういう事だったはず。

ですが、セレブさんはATMや銀行振り込みで毎月の返済を
されていたので私が在籍している間に
店頭で会える事は無かった。

セレブさんが何に使っていたのかとても気になる。

とにかく明るい素敵な御夫婦

大抵のお客様は全額返済の解約、
機械の新規受付が不安だとか以外は
店頭のATMから返済・出金し、
窓口には来ない人が多いのだが、
毎回必ず御夫婦で窓口に返済に来られる方がいた。

お二人が来店されると、
ここが消費者金融と忘れる位一気に明るくなった。

『どこの銀行も貸してくれなかったのに、
 助けてくれて本当にありがとうね』と
毎回同じ話をして、金利のみ数千円を払っていった。

どんよりしたお客様ばかりの中で、
とにかく明るいこの御夫婦が来るのが
とても楽しみだった。

現金一千万円を保有した

防犯上、皆さんが想像しているより店舗には全然お金は無い
全額返済とかで現金が増えるとすぐに銀行に入金してしまうのだ。

ある日店長が男性社員を呼んだ。
『おーい、すぐに入金しないとだめだー』

金庫のあるバックヤードに行くと、
100万円の札束がバッサバッサと沢山あった。

店頭で私が取り扱うのはせいぜい100万円だったので、
私はその札束が気になって目をキラキラさせて見ていた。

『店長、私こんな沢山の現金を見たの人生で初めてです!』
『おーそうか、まあ、なかなか無いよな』
『あのぉ…出来たらでいいんですけど、そのお金、持たして貰えないですか?』

店長は一瞬考えて『悪いことしたら駄目だぞ』と
もうひとりの男性社員に『お前も見てろ、数えるから』と
うっかり間違いが無いか見張ってもらいながら100万円の札束を
1つずつ渡してくれた。

100万円札の札束は本来の重量より重く思え、
300万円位まではいいのだか、1000万円以上は持てなかった。

『い、一千万円で、もういいですぅ』

お金を全て返却して店長にお礼を何度も言った。

とても貴重な経験をさせてくれた店長には
今でも感謝しています。ありがとうございました。

そういや現金一千万円を自分の手でもったのは
あの時一度きりだ。

サヨナラ消費者金融

友達の知り合いの会社に正社員で紹介してくれる事になり、
その消費者金融を辞める事になった。

20%以上の当時の金利で100万円以上借りると
普通の給料ではなかなか返済できないのが分かった。

毎月3万円貯金するのも大変で100万円貯めるには3年もかかる。
20%以上の金利で100万円を返済するのがいかに大変かは
恐ろしくて計算もしたくない。

店長に『これからの人生で、保証人のハンコを押さないように』
と神妙な顔で言われたので

これから200万円貯金します。200万円があれば消費者金融で
借りなくてもなんとかなりますよね、と言うと

店長はとても素敵な笑顔でうなずいてくれた。

私が節約・倹約体質になったのは消費者金融での
アルバイトの経験もあると思う。

辛そうなお客様を毎日見るのはちょっと辛かったが、
貴重な経験を沢山させてもらえて楽しいバイトだった。

今、借金のある方へ一言物申す。
借金なんてするんじゃねえ







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