【ブログ】「組織を変えてください」と言う人に、組織は変えられない。
私は金融機関という組織に属している。
そこで、最近よく言われるのがこの言葉だ。
「この組織を変えてください。」
後輩はもちろん、同期入社した仲間、延いては私よりも役職の高い立場の支店長達からもよく言われる言葉だ。
一部の後輩達から言われた場合、気を遣って言ってくれてるんだろうなと思う反面、自分よりも役職の高い人達から言われるとモチベーションが下がってしょうがない。
私が、いま、最も尊敬する人物である広島県安芸高田市の石丸市長は、市役所という組織、議会という組織、行政という組織に変革を起こしている。
理路整然とした論破力に注目が集まるが、石丸市長の凄いところは、どんな人でも対等かつ真摯に対応できるところだ。
これは議員とのやりとり以外にも、市民に対しても同じ姿勢であり、要望ばかりを言う人に対しては、ハッキリとその対極にあるリスクを説明した上で、それを受入れる覚悟を問うている。
最近みた動画では、中学生に対しても対等な立場で対応していた。
財政再建を理由に町にある美術館を閉鎖した市に対して、町内にある中学生の生徒会長が市長に対してこう問います。
「使っていた美術館がなくなるのはとても残念です。今後再開する予定はありますか?」
これに対して石丸市長は…
「毎年運営するのに2,000万円かかります。来年度から市内の小中学校の給食費を無料にしますが、この費用が1億円です。しかし、この美術館のある町内の小中学校の給食費だけ無料にしないというのならば2,000万円浮くため、それでも美術館を残したいの言うのならば残すこともできます。」
石丸市長はこう続けます。
「ただそれは、今の中学生や小学生だけじゃなくて、これから先の中学生・小学生がずっと給食費を払う代わりに町内の美術館がいるんだという責任を取ることになるため、しっかりいろんな人と話をしてみてください。美術館を取るのであれば教えてください。」
相手が中学生であっても容赦しない。それは、つまり相手と真摯に向き合っているからできることだ。この人達であれば町の未来をしっかりと考えてくれる。そう信じているからこそ対等に接しているのだと推測する。
冒頭の話に戻そう。
「この組織を変えてください。」という人達
それは相手に真摯に向き合う前に、自分と真摯に向き合えていない。
自分と真摯に向き合えているのならば、「この組織を変えてください」ではなく、最低限「この組織を変えましょう」となるはずだ。
こうした人達は組織が変わったところで、変わらず文句ばかりを言うだろう。
それは、自分が組織を変えていない、または変える一因(一員)になっていないからだ。
他人にばかり望む前に、自分と真摯に向き合い、将来、組織を変えるために現在(イマ)できることを考え、実行し、相手と真摯に向き合う。
組織を変えるのは、強烈なリーダーシップではなく、組織に属するひとりひとりの行動だ。
それこそが組織を変えるということだと私は思う。
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