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[調査] 秋月電子の654品目の価格を比較!2019年と2023年の違いに迫る

半導体市場の逼迫状態が続く中、様々な製品の価格が上昇しました。こうした状況下で、国内でも有数の電子部品通販サイトとして知られている秋月電子、体感では値上がりを感じていましたが、具体的にどの程度価格が変動しているのかを確認する手段は、これまでありませんでした。

そこで、本記事では、秋月電子の商品価格について、2019年と2023年の2つの時期を比較し、価格の遷移について調査してみました。

価格が最も上昇した上位100のマイコン製品

このグラフは、2019年から2023年までの期間で価格が最も変動した上位100のマイコン製品を示しています。具体的には、各製品の2019年12月と2023年7月の平均価格の変化を比較しています。

最も価格が上昇した製品は`R5F71253N50FPV`で、その価格上昇は1900円(2800円)となっています。また、`PIC18F8723T-I/PT`の価格も1350円(2500円)上昇しています。`ATMEGA328P-AU`では170円(400円)これらの価格上昇は、製品の需要や供給、生産コスト、通貨の価値など、さまざまな要因によるものと考えられます。

特に2020年に入り、COVID-19の影響で世界的に半導体の供給が不足し、多くの電子製品の生産が停滞しました。その結果、需要が供給を大幅に上回り、半導体製品の価格が急騰するという現象が見られました。このグラフに示されている価格上昇も、この半導体不足の影響を反映している可能性があります。

また、各国の通貨の価値の変動も価格の変動に影響を与えます。例えば、通貨のインフレーションが進むと、同じ製品でも価格が上昇することがあります。これは、通貨の価値が下がると、同じ価値の製品を買うためにはより多くの通貨が必要になるからです。

価格が最も上昇した下位100のマイコン製品

このグラフは、2019年から2023年までの期間で価格が最も下降した下位100のマイコン製品を示しています。具体的には、各製品の2019年12月と2023年7月の平均価格の変化を比較しています。

価格が下降する主な要因としては、製品の供給が需要を上回る、製造コストの低下、競争の激化といった要素が考えられます。たとえば、製造技術の進歩や生産効率の向上により、製造コストが下がると、その分製品の価格も下がることがあります。また、同じ市場で競争する他の製品が増えた場合、競争力を維持するために価格を下げることがあります。

価格上昇率 上位100のマイコン製品

上位100のマイコン製品の中には、価格上昇率が100%を超えるものも含まれています。これは、これらの製品の価格が4年間で2倍以上になったことを示しています。

半導体市場の動向予測

総じて、我々の調査では秋月電子の一部商品に見られる価格上昇は、半導体市場の逼迫状態と相まって、COVID-19の影響や通貨の価値変動など、さまざまな要因によるものと明らかになりました。一方で、価格が下落した製品も存在し、それらは主に製品の供給量、製造コストの低下、市場競争の激化などによるものと考えられます。

今後も市場状況は変動し続けるでしょう。特に半導体製品や電子部品の価格については、供給と需要のバランス、生産コスト、通貨の価値、技術進歩など、多くの要素が絡み合って決まるため、予測は難しい状況です。消費者としては、製品の価格変動を理解し、適切な購入タイミングを見極めることが求められます。

以上の調査結果を踏まえ、秋月電子の商品価格の変動の全体像を把握することができました。我々の体感とも一致し、価格上昇の実態を定量的に捉えることができたのではないでしょうか。

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