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小話



交通事故を起こしてしまった。完全にこちらの不注意で、双方大事には至らなかったが、運悪く相手方が軽めのヤンキーなようで保険屋に通そうとしても話が通じず数時間経っても路肩に止めたまま揉めている。
赤(あか)さんという珍しい苗字で、お子さんが3人がいて、それぞれ暇そうにしている。

親も埒があかなそうなので子供同士ということで、なんとなく話しかけてみた。
「お名前なんていうの?」
「僕は茶寅次郎だよ」
一番背の高の子が答えてくれた。珍しい名前だ。茶トラ…猫みたいな名前だ。

そんなことを考えていたら、真ん中にいた子が「僕は寅次郎」と続いた。
寅次郎!?そこを被せることあるか!?と思った。
マイナーチェンジにしても、付け足すわけではなく、引き算をしている。
「太朗」の次が「小太郎」だった友達を思い出した。2人目の子はマイナーチェンジの引き算形式で名付けるのか…珍しい…

3人目の子はまだ返事に覚束ず、その間に気付いてしまった。
(この人たち、苗字だけだと、赤ちゃんとも呼べて、赤茶トラと茶トラとトラの猫要素が3匹分ある…!)
人の名前でニヤつくのは悪いと思いながらも、3人目の子が自己紹介をし始めたので耳を澄ます。

「ぼ、ぼく次郎…」

同じマイナーチェンジの引き算形式のまま行ったから3人目なのに次郎!??

拘ってた猫とも関係ないし!!!
とツッコミながら起きた。



昼寝から目覚めた瞬間に浮かんだ小話を慌ててメモしたやつ。夢なのか脳みそが勝手に構築したのか、謎

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