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『うたた寝』

眠いのに、眠れない。
疲れているはずなのに、目がバッキバキ。
最近はそんなことが増えてきました。
昔から心配事があると眠れないタチではありましたが、
今は年齢的なことなのかもしれません。

眠るというのは、案外体力を使うのだそうですから。
なんだかさみしいですね。
年を重ねると、眠ることも許してもらえないのかと。。。

成長期の時には、休日に平気で12時間以上眠ることがありました。
朝ごはんもお昼ごはんもすっ飛ばして、
今何時なのか、何曜日なのかも定かではないけれども
無心で眠る。
寝相が悪かったので、ベッドの上を宇宙空間のようにグルグルと回ったのでしょう。
全身もろとも落ちて床で目が覚める。
なので、身に覚えのない青タンが腕や足にできていることが
多かったのもこの時期です。
翌日の心配も何もなく、何の準備もしなくてよくて、
夜にはオバケが出るか出ないかだけを考えながら
眠るような、そんな幼き純粋な眠りはもう出来ないのでしょう。

ついこの間、電車に乗ってお遣い物を購入しに
デパートへ久しぶりに行った時でした。
平日午前10時半過ぎの、ちょうど通勤通学の乗客が少ない時間。
ほとんど貸し切り状態の地下鉄に乗り、
格好つけて単行本なんかを取り出して読み始めました。

不思議なことにすぐに眠くなりました。
これは、「うたた寝」というのでしょう。
いい言葉です。漢字で書くと転寝。
なんとなく、寝転んでしまう。
思わず眠ってしまうなんて、なんて幸せなことなのでしょう。
その幸せが久しぶりにワタシにも起こりました。
ここ何日か悩んでいた不眠をびっくりするくらいに
あっけなく鎮圧。
恐るべき電車の魔力。
ヨダレこそ垂らしませんでしたが、ビクっと体を後ろに
反らして自分で自分にびっくりして起きました。
ほんの10分弱でしたが、なんとも爽快な眠り。
降りる駅のひとつ前の駅。
前に落とした本は1ページも読んでいませんでした。
お恥ずかしい。

ベッドでは眠れないのに、電車では眠れてしまう。
これはどういうことなのでしょう。
自宅よりも、外の方がリラックスしているということなのでしょうか。
一説によりますと、胎児の時に聞いたオカアサンの胎内の音に
電車内の音が似ているからとかなんとか。

じゃあもしかしたら、スマホで電車の音を聴きながら
手に本を握りながら眠れば
良く眠れるのかも、なんて思っております。

またいつの日か、
途中で起きずに12時間以上続けて眠れることを夢見ながら、
明日の諸々と眠ることに心配を抱きつつ
今夜も不眠勇者はベッドへと向かいます。

皆さまも良い眠りを。






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