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「製造業」×「営業職」の魅力(前半)

お疲れ様です、こたろうです。

皆様いかがお過ごしでしょうか?世界中に猛威を振るうコロナウイルスの影響で、仕事面であったりプライベート面であったり、さまざまな障害が出てきているのではないでしょうか。私もその内の一人でございます。

さて前回ですが、簡単な自己紹介ということで、先日こんな記事を書かせて頂きました。

「製造業」×「営業職」×「転職」という3つのカテゴリーを掛け合わせて、このnoteで発信すると言いましたので、今回は表題にもある通り「製造業」×「営業職」の魅力を記事にして発信したいと思います。

(今回の分も含めて前後半という2部構成で、その魅力を深堀してを発信していけたらと思ってます)

魅力を一言で表すと?

ズバリ今回発信する魅力を端的に申し上げますと「お客様のご要望をカタチにしてご提供を出来る」という点です。

一言でこのことを言っても、製造業以外の他の営業ではできないのかと疑問を抱く方もいると思います。もちろん私ならではの考えではあるものの、ものづくり現場の最前線で営業活動を行っている営業マンの日々感じている想いであったり、お客様のご要望や背景を汲み取ることで、製品カタログやコーポレートページに記載があるような標準品から完全受注生産品まで幅広い製品でソリューション提案できるからだと考えているからです。

②近年の製造業「多品種少量生産」

近年の製造業は激化するグローバル競争の中で、市場環境の変化とその連続による将来予想の難しさ、労働力確保とコスト上昇問題など、過去の経験を活かしにくい複雑化した難しい意思決定が求められている経営環境に直面しています。特に顧客ニーズの多様化に伴い、多彩な商品が市場に流通し、商品のライフサイクルが早まっていることから、多品種少量生産に取り組む企業が多くなっています。つまり各お客様の工場で造られている製品はオリジナルといってもよいのではないでしょうか。

多品種少量生産に取り組む企業が造る製品が多くなると、必然的にその企業が保有している設備や消耗品(工作機械・ロボット・コンベア・センサー・切削工具 等)もまた造り手側のニーズに伴い、オリジナルのものが多くなるのは、なんとなくご想像がつくかと思います。

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日立製作所は多品種少量生産工場の作業進捗見える化と作業改善を支援するシステム「LUMADA」を2017年から提供開始している。多品種少量生産に対応するシステムは各社こぞって開発・提供を行っている。(  画像引用:日本経済新聞 web版 2017年5月31日 付 より)

工作機械を例にかいつまんで話してみても、幅広く汎用的に使える機械もあるものの、顧客ニーズに合わせた完全受注生産が主流であります。そのため、設計→部品調達→組み立て→試験運転の業務フローは完全受注生産である限り、全て一緒のものはないでしょう。

③製造業」×「営業職」で大切なこと


ここで「製造業」×「営業職」として大切なことは、「お客様がどのような希望を叶えたいのか」を「具体的に」情報を上手く引き出せるかにかかっていると思います。この「具体的に」を工作機械の営業マンの立場として細分化しますと・・・

・【納期】いつまでに工場へ納入して、いつから本格稼働させるのか
・【予算】既に今期予算を抑えているのか、来期の予算案に組込まれるのか
・【背景】増産なのか、更新なのか、効率化なのか導入理由の把握
・【競合】当社が第一候補なのか、第二候補で相見積もりを取っているのか
・【決裁】誰からの指示系統で導入を検討してるのか(工場長?社長?)

このような感じではないでしょうか。いわゆる「BANT質問」です。メーカー営業の場合は、開発や設計などの技術メンバーと横並びの関係です。お客様との接点活動が一番多い営業マンがお客様から引き出した情報を展開することで、技術メンバーが持っている専門知識やバックグランドを活かし、「お客様のご要望をカタチにしてご提供を出来る」=「理想的な工作機械」が出来るのです。

工作機械メーカーの営業マンに限らず、製造業に携わる営業マンは単に製品の案内や提案をするだけでなく、技術的なサポートや専門性の高い質問の対応、場合によっては製品のカスタマイズや設計を行うことがあります。

商社営業の場合は、メーカー営業ほどの高い技術的な知識やサポートを有する必要はないかもしれません。しかし、お客様から「新規ラインの立ち上げでこの新しい機械がほしい」「もっと効率良く加工できる刃物はないか」等、具体的な引き合いをいただく場合のほとんどは、メーカー営業でなく商社営業から来ます。もし、機械や刃物に関する知識が全くのゼロベース状態で引き合い内容を理解しようとするのは、専門用語も多く、時にはその場で電卓を取り出し、公式を用いてある数値を叩き出さなければならない場面もあるため、ほぼ不可能です。そうなると、メーカーの営業マンへ引き合い内容を展開することができなくなるので、そうならないためにもそれなりの技術的な知識や経験が必要となってきます。

そして、お客様の要望をあれもこれもすべて叶える魔法のような機械だったりセンサーを必ず造れるというメーカーは、世界中探してもまずないでしょう。各メーカーはそれぞれの分野で住み分けされており、その中で「ある技術的な機能に特化した」のを売りにしています。お客様が「なにを叶えたいか」を捉えつつ、「各メーカーの強みである技術力を使って、お客様の叶えたいことに対して、なにがどこまでの範囲で出来るのか」を把握することもとても大切です

オークマキャプチャ


オークマ㈱ 門型マシニングセンタは高剛性・広域複合加工の両方を持ち合わせており、高い世界シェアを有している。業界内では「門型マシニングセンタのリーディングカンパニーと言えば、オークマだ」で精通している(画像はコーポレートサイトから引用)

④マーケティング部門と営業部門

製造業から少しだけ話が飛びます。日用品・食料品・洋服・文房具といった、普段の生活でよく目にするようなモノ(いわゆるBtoC商品)に関しては、営業という側面よりマーケティングの方をとても重要視するのではないでしょうか。

マーケティング(英: marketing)とは、企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念である。(出典:マーケティング-Wikipedia より)

つまり営業マンが実際に購入するお客様へ「この商品を買ってください!」と直接プッシュをしなくても、お客様のニーズに合わせ、且つ適切なターゲット層に対して情報を上手く発信することで、自然とこの商品を買いたくなるような仕組みつくるのが、マーケティングの仕事となります。そのためには商品開発から販売戦略の策定、広告宣伝に効果検証までの一連のプロセス一貫して計画して実行管理することが大切となります。

例えば、食品でも文房具でも新しい商品をつくろうという時、圧倒的多数の企業はまず、「市場調査」を始めます。通常の市場調査では、対象者を集めて、6人ほどのグループに聞いてみます。

「あなたのいいと思う商品のサイズはどれですか。A・B・Cから1つ選んでください」

並んだ試作商品を手に取り、触ってみたり、色んな角度から眺めたり、試作商品が食品だった場合は実際に食べてみます。そして選択します。こういった一連の流れを繰り返し、調査結果で出てきた「マジョリティな意見」に沿って商品がつくられます。膨大なデータに基づいて開発・製造されますので、大多数のお客様は「おおむね満足」すると思います。ただ一方で「このチョコレートはもう少しだけ甘さ控えめの方がいいな」「このボールペンの握り心地、もっとソフトな感じが欲しいな」等、「マイノリティな意見」も少なからずお客様から出てくるのではないでしょうか。市場調査で出てきた膨大はデータはあくまで「傾向」であり、全てのお客様が「これ凄くいいね!」と思う商品はなかなか出てこないです。

BtoB ⇒ Business to Business 法人・企業向けのビジネス
BtoC ⇒ Business to Consumer 消費者向けのビジネス

BtoBの製造業は先ほどから述べた通り、徹底的に営業マンが情報収集を行い、それをもとに開発や設計などの技術メンバーと綿密な打ち合わせを実施、製造に取り掛かるので、完成品に関して、造り手(メーカー)とお客様の間で齟齬が生じず「ご要望をカタチにしてご提供を出来る」のです。

確かにこのプロセスは納期や工数もかかり、一筋縄ではいかないのが現状です。サイズ・スペック等にもよりますが、完全受注生産の工作機械は場合によって、億単位の金額・納入まで約1年かかる場合もあります。しかし、苦労して出来上がった製品をお客様が実際に使い、思い通りの動作・加工が出来た時に見せる喜びの表情だったり、感謝のお言葉は、何ものにも代えがたいです。実際に、悪戦苦闘しながらもお客様から注文書を頂いた時の快感を何度も私は経験してきましたし、けっこう病みつきになります(笑)

⑤終わりに

最後の目次で述べましたマーケティング部門と営業部門の違いは「BtoC・BtoB」のビジネス形態であったり、業界や会社によってその役割は広範囲にわたります。ただ、製造業に限って言いますと、お客様との接点活動が一番多い営業マンが現地で収集したお客様の生の声であったり、「あの製品はもっとこうであったら今よりも選ばれるのでは」という意見が、製品のラインアップを増やすきっかけであったり、新商品の開発に関するネタになったりします。そういった意味では、営業職という位置づけではあるものの、マーケティングの仕事も一部兼ねており、非常に重要な役割を担っております。これが「製造業」×「営業職」の魅力ではないでしょうか。

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