はらへりぱんだ

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我が子の体験格差を親の努力で埋めた物語の、第四部

第一部はこちら 12.教育のための設定ではない本物の危機の体験  ここまで書いてきたものは、貧乏でもなく商売もしていない家に生まれた子の体験不足を補った、人工的な教育を語った話だ。けれども、いくら本物に似てようがガゼはガゼだし、策略は策略でしかない。大人になった彼らを見ると、十分に役に立ったと思えはするけど、疑似体験でしかなかった話だ。  けれども、ここから先の話は、策略ではなく本物だ。  上の子が小学校に入った頃から、もともと生きるのがやっとみたいな私の体調が、さら

    • 我が子の体験格差を親の努力で埋めた物語の、第三部

      第1部はこちら 9.苦難や波乱万丈を体験できた顛末  息子たちの教育に心血を注いでいた私の育成計画は、おおむね順調に成功していた。けれども、それは、「会社員の家庭としては」という限定つきのものでもあった。  商売をやっている家の子は、商売をしている親の姿を日常的に見て、この世がどういうところかを自然に学んでいるはずだ。商売には上昇と下降がつきものだし、トラブルだって、次々に起こる。変わらない生活が当たり前の会社員の子は、経済が動く実感もなければ危機を見ることもない。いつ

      • 我が子の体験格差を親の努力で埋めた物語の、第二部

        第一部はこちら 5.学習塾は何の役に立つのか。大学院という名の奴隷農場が成り立つ理由。  息子の1人は塾に行きたいとねだったけれども、もう1人の子は、心の底から自由が好きで、塾など絶対に行きたくない子だった。  塾に行きたくない方の子は、成績がいいだけではなく、何につけても優等生で、親に逆らいたくない子だった。強制されて逆らえないのが怖いのか、「塾に行かせる」と匂わせるたびに、恐怖のあまりに引きつって激怒していた。「本当には行かされないだろ」とナメてかかるとか「上手くバ

        • 我が子の体験格差を親の努力で埋めた物語の、第一部

          1.まずは自己紹介  周囲とは断絶した部屋の中で、食べ物と運動とオンライン授業を与えられて育つ人間を、ちょっと想像してみてほしい。大人になって部屋を出されて、社会に適応できるだろうか。社会の中で色々な体験をしてきた者たちについていくには、半端ではない努力が必要なのではないか。  この世に出現した日から絶え間なく与えられてきた「人間生活」という課題をこなし続けて育った者に、20年遅れで密室を出て学び始めた者が、そう簡単に追いつけるだろうか。経済界のトップスターのイーロンマ

        我が子の体験格差を親の努力で埋めた物語の、第四部