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何も言わない優しさ

「実は、月末に引っ越すことになりました。」

我が家の階下に住んでいる
奥様と会ったときに教えてくれた。

お子さんたちの結婚や転勤、
ご自身も介護など事情がおありで。

なんとも寂しい。
その一言。

息子が2歳ごろに引っ越してきたご家族で、
苦情は一度もなかったものの、
うるさくならないようにマットを敷いては
「響きます?」と聞きに行ったりしていた。

そのときに言われた言葉が忘れられない。

『何も気にしなくていいから。
うちも息子がいるけど、
むかし下の人に苦情受けてね。
2〜3歳なんて言っても無理あるし。
○○くんより、うちの息子の方が
断然うるさかったから(笑)』

ご自身も苦情を受けたことがあるから
私に寄り添ってくれたんだと思うと、
その優しさに当時は涙が出そうだった。

"何も言わない"ということをしてくれた
ご家族みなさんには感謝してもしきれない。

近所の人たちとは仲がいい。
会えばみんな挨拶するし、
非常識な人がいなくて助かっている。

連絡先を知っているわけじゃないし、
プライベートで会うわけではないけど
自分はご近所さんたちが好きなんだと
気づかされた。

こういう適度な距離感の顔見知りの関係って
私は心地よさを感じる。

小さな子どもがいる我が家としては
とても恵まれた環境だ。

次はどんな人がくるかな。

また素敵な人がくると思っていれば
その現実に引き寄せるだろうから、
いい波動のまま過ごそうと思う。

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