私と夫の役割、家庭を回すのは大変だと
我が家の家事分担は少し不思議だ
お互いに出来ることと苦手なことを補い合う
今日できることを明日しないせっかちな私と
明日できることを今日しないのんびりやの夫
以前はフルタイム夫婦2人で不規則勤務の私
それでも家事は10割私が担っていた
当初夫は本当に何も出来なかった
40年近く実家で暮らして仕事一筋の男で姑も家事をさせることがなかったからだ
その関係性に変化があったのは長男を妊娠した時だ
つわりも重く仕事も辞めることになった
1日中ベッドに転がって3日ごとに産院に点滴を打ちに行った
「つわりで点滴なんてねぇ〜…昔はそんなになかったのにねぇ」と看護師に露骨な嫌味を言われることもあった
「夏場だしケトン体出たら大変なんで点滴でしっかり水分摂っときましょうね」と言う看護師もいた
同じ産院でも色んな看護師がいる
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この間の家事は全て夫がやっていた
見よう見まねで案外出来たようだ
分からないことは家の中でも電話がかかってきた
夫の匂いで吐いてしまうからだ
食事も簡単なものを作れるようになった
卵もろくに割れなかった夫が野菜を切り焼きそばを作れるようになった
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無事に長男を出産し家事に育児が加わった
里帰りもせず自宅で過ごすことになった
レトルト食品や冷凍食品には随分お世話になった
買い出しは全て夫がやってくれた
その食生活を心配されて姑が「ちゃんと作りなさい」と強めに言ってきた
3ヶ月経っても悪露が出続けてまだ出かけられる状態じゃなかった
個人宅に材料を毎日届けてくれるサービスに登録して、昼過ぎに届く材料を息子が眠った隙に晩ご飯を作るようになった
1年くらい利用したがメニューが決められていて小分けにされた野菜は皮も剥きにくくとても苦になった
配送担当のお姉さんが異動になるタイミングでやめた
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休みの日に材料をまとめて夫に買ってきてもらい、料理していた
息子が2歳になる前にフルタイムの仕事に就いた
そのことも姑は気に入らなかったそうでサポートは受けられなかったし、将来介護はしないと心に誓った
結局無理は続かず、すぐに退職することになった
職場にも上司にも大変な迷惑をかけた
後悔しかない
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その後1年近い入院生活を経て自宅療養になった
出来ることは限られて、息子は少し大きくなっていて私をママと認識するのに時間がかかった
私の退院後は、朝保育園に夫が送り、私が夕方お迎えに行くようになった
帰宅してからお風呂に入り夫が帰ってくるまで2人で過ごした
1週間もすると息子はとても甘えてくるようになった
ずっと抱っこをせがんだりくっついてくる
可愛いと思った
私がいない1年間は男2人で生活するだけで必死だったそうだ、放課後デーサービスもファミリーサポートも利用してなんとか仕事との両立を保ってくれていた
半年が経ち、放課後デーサービスの担当者と面談する機会があり「最近、息子さんの表情がとても明るい、通いはじめた時はもっと表情が乏しくて遊びにも興味を持たなかった」と言っていた
体調が悪く寝込んでいる時も息子は時々部屋に入ってきては「ママいなくならない?」と聞いてくる
「大丈夫、少し寝たら治るからね」と言う
息子にとってママ認定されたなぁと思った
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こうして私は望まぬ形で専業主婦をしている
有難い話ではあるが細かい経緯がある
甲状腺の病を発症してしまいそちらも一生治らない
異常なまでに疲れやすいのには理由があったのだ
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そんな中で家事の担当のバランスが少し変わった
買い物リストは私が作り、買い出しは夫が行く
調理は全面的に私が担当している
掃除も私が全面的に担当している
外に行く家事は夫、家の中は私の分担だ
育児面では夫はとても協力的だ
休みの日には息子を外に連れ出してくれて
その間ゆっくり家事をすることができる
疲れたら静かな部屋で休める
特に有難いのは外で遊んでいる様子も写真に撮って送ってくれることだ
保育園の面談も行事も、保護者会も夫が行ってくれる
私も一緒に行きたいが体力的に難しい
少し外に出たらすぐに体調に出てしまう
それでも夕方のお迎えだけは行けるようにしている。延長保育を使えば夫が迎えにもいけるが、息子の「ママ!」という笑顔が見たくて行く
夫が帰宅したらバトンタッチで休ませてもらう
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育児のおかげで家事のバランスも変わったし、夫の愛情深いところも見れた
息子を溺愛している
産まれた時、夫が泣いているところをはじめて見た。長い付き合いの中でこの1回きりだ。
それ以来、夫は息子のことを驚くほど大切にしてくれている。
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家族として母親として私は不充分だと思う
でも出来る範囲で頑張ることにしている
夫もそれでいいと言ってくれた
息子は大きくなった時、友達のママと違うと思った時嫌がらないだろうか。
月に一度の大学病院の検診にも夫は付き添ってくれる
普段の生活や注意事項がそれなりにあるので共有している
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時代錯誤かもしれないが我が家にはこの暮らしがいいのかもしれないと思いはじめた
食洗機はあるが、ルンバはない
狭くて古いマンションで住んでいる
お風呂は追い焚きもできないし
窓もなく足も伸ばせない
伸ばしたら風呂の淵に足を乗せることになる
逆半身浴と呼んでいる
洗濯機は外置きだ
しかも家電類は私が一人暮らしの時に
使っていたものもかなりある
食器もそうだ
洗濯機は奇跡的にまだ動くのだ
中古で7000円で買ったのに
10年以上元気に洗濯してくれている
息子誕生時に乾燥機付きのドラム型を考えたがサイズ的に不可能と知り、洗濯は夜に回してエアコンをつける部屋に干して加湿器がわりにしている
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かつて夢見た一軒家に住み、ふわふわの猫を飼いスマート家電に囲まれた生活は手に入らなかった
身の丈にあった生活で家事を分担している
遠くにある実家は年齢に応じてしょっちゅうリフォームしている
お風呂はもちろん足を伸ばせるし
高齢の祖母のためにつけられた手すりや非常用ボタンのおかげで1人で入れることが出来る
両親は家電もDIYも大好きだ
壁紙だって張り替えてしまう
還暦とは思えぬ情報収集力
情報源は大体YouTubeと聞き侮れないと思った
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私たちはそんな夫婦になれるだろうか
また年齢に応じて分担内容も変わるだろう
その都度話し合って解決していきたい
無印良品のポチ菓子で書く気力を養っています。 お気に入りはブールドネージュです。