「しっかり者」は環境によって作られる。

夫が昔一人暮らししていた部屋に遊びに行った時、部屋の汚さに絶句した記憶があります。言い出したらきりがありませんが、一番記憶に残っているのは歩くたびに何か足にひっつくんです。
なんだこれは?と思ったらなんとお菓子のカスでした。
(えええ、ありえない。)と内心思っていたものの、
「なんでこんなことになるわけ?」って当時やんわり質問したら、
「ああ、寝っ転がりながらお菓子食べたらこうなった。」と平然と回答する様子に一抹の不安を覚えた記憶があります。
(大丈夫かしら・・・この人・・・。)
そういう不安です。

この後1年同棲して、結婚してからもずーっと
私=几帳面、しっかりもの
夫=ずぼら

このポジションが定着していました。
でも、去年あたりからこのバランスが変わってきた。
夫は一足先にフリーランスになりました。忙しいのはもちろんだけど、自分で時間を管理できるからでしょうか。ゆとりが増えたように思います。

私は去年は会社とライター兼業生活。今年はフリーになったものの、ペースをつかめずなんだかんだでずーっとパソコンにかじりついている生活になってしまっている。

忙しさが逆転とまでは言わないけど、私も忙しくなってきました。
するとですね、どういうことが起きるかというと・・・
私がものすごいズボラになりました。
いや、別に好き好んでスボラになってるわけではない。
だけど、管理できないんですよ、いろんなことが!そして疲れ果ててしまってだらしなくなってしまう。


ごめんよ、夫。あの日冷ややかな目で見てしまって。
思えばあの頃夫は超ブラックな整骨院で激務だった。善悪は別として、疲れてお菓子の一つでも寝っ転がって食べたくなるわなぁ。
今日ファンヒーターの前で大の字になって寝っ転がりながらみかんを食べていた時に、ふとあの日の記憶が蘇り、あの日の夫の状況を今更理解できました。

ちなみにこの後「ママ寝ながらみかん食べない!」と長男に注意され、
夫には「みかんの皮をリビングのゴミ箱に入れない!生ゴミは台所!」と注意されましたよ。はい、悪いのは私です。
・・・これ一昨年くらいまでは、私がずーっと言ってたことなんですけどね、しっかりものポジションがすっかり入れ替わったってことでしょうね。


そう考えると「しっかり者」なんて人、実は最初からいないのかもしれない。
しっかりしないと!って状況になった時、人は勝手にしっかり者になるのでしょう。つまり「しっかり者」は環境によって作られているってことですね。

なーんて、みかんを食べながら考えた日の話でした。

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浜田 綾(コトバノ):ライター
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