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都会のナイトライフだな<La Fontaine>デンマークでジャズを浴びる1

「デンマークとスウェーデンで北欧ジャズを全身で浴びる旅」をピアニストの視点からレポートする、初回はデンマークの首都、コペンハーゲンにある有名ライブハウス La Fontaine(ラ・フォンテーヌ)です。

ライブ時間が 21時から25時まで、店の営業は早朝 5時まで、という時間に店の活気を感じ、まずはここに行かねば、と思った。店はビルの 2階にあり、階段の下に人がいて、ここで入場料 120 DKK 払う。概算で 2400円という料金は日本のジャズライブハウスの一般的なミュージックチャージと同じくらい。物価が高くて有名な北欧、さらに円安である時期を考えるとこれは安い。夕飯に食べたバーガーセット 142 DKK(約2800円)よりも安いのだから!

道に置かれた店の看板、ビール割引は月~木曜、を見逃した

開始10分くらい前に到着、まず驚いたのは観客の多さと店内の賑やかさ。大きめのテーブルが7個ほどがすべて満席だなんて、、カウンターに行ってデンマークの定番ピルスナービール Tuborg(ツボルグ)500ml を頼んで 60 DKK 払う。道路の立て看板には 40 DKK て書いてた割引価格は月~木曜だけなんですね。このビールは美味しい。

開演後もお客さんの足は止まらず、補助イスまで出して満席オーバー。年齢層も様々。熱心に聞いている人もいれば、しゃべり続けてる人もいる。MC デンマーク語でみなさんわかっているようなので旅行者ではなさそう。ディナー後にライブハウスにきて生演奏を聴く、というのがコペンハーゲンという都会のナイトライフのひとつなんだな、と思った。ジャズシーンが生きている。

バンドはギターリーダのトリオにアコーディオンという変則的な構成。

・Jacob Fischer ギター
・アコーディオン
・ベース
・ドラムス

時間通りに始まるのに少し驚く。ファーストステージ演奏曲のコメント。

  1. ジプシージャズを感じるのはアコーディオンがあるから?この「いなたい」感じを聞きに来たのではないのだけど、、バンドの音も少しバラバラなのは始まったばかりだから仕方ないか

  2. あれ、こんどはジャズですね、それも Giant Steps のように曲内でどんどん転調していくタイプの。ギタリストとアコーディオン、かなりのテクニックと経験を感じる。アコーディオンでこんなにバリバリジャズをやる方を初めて拝見しました。バンドも突然まとまってきて、前にドライブする推進力が出ている

  3. G のブルース。カントリー風に始まって、だんだんとドジャズ風に変化。ギタリストは自由自在にスタイルを操っている。色んな音楽を通ってきた歴史を感じる。ドラマーもいままで奥まっていたけど、場慣れしてきたのか、鋭さとパワーが出てきた。ギタリストに隠れてまだ顔が見えない

  4. このイントロは So Nice(サマーサンバ)なのかな、と思ったら正解だった

  5. ジングルベルだ。キーAメジャー。ギターテーマが終わったらアコーディオンがマイナーでテーマを繰り返す。フェイクをつけてベタに陥らないようにうまく弾いている。そしてソロへ。うーん、これはジャズだなあ。このベタ曲もマイナーにするとジャズアドリブのカッコイイ題材になるのか

  6. When You Wish Upon A Star キーF。ゆっくりした3連スイングのフィールでバラード曲をやるのは、アメリカでもよく聞いた。日本ではあんまり聞かない気がする

  7. アップテンポのカントリー系のイントロから、アップテンポFブルースへ。各自のソロをしっかり聞かせる形。

以上約1時間、経験豊かな強者ベテランたちが、リラックスして演奏するライブだった。演奏で空気感を作る形というよりは、バンドのアンサンブル、そして各自のソロをフィーチャーするライブ。ドラマーは若かった。まだ学生に見えるくらい。

ドラマーは若かった

聞きたいと思っていたジャズではなかったが、デンマークのジャズのレベルの高さと生きたジャズシーンを感じられた。

午前1時になるとどんな演奏になるのか、早朝5時の店内はどうなっているのか興味あったが、長旅の疲れもあって、初日はここで退散。

Guitarist Jacob Fischer
Tuborg ビールとバーカウンター

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