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セッションに行ってきた<La Fontaine 3>デンマークでジャズを浴びる5

「デンマークとスウェーデンで北欧ジャズを全身で浴びる旅」をピアニストの視点からレポートする、第5回はデンマークの首都、コペンハーゲンにある有名ライブバー La Fontaine(ラ・フォンテーヌ)の日曜セッションです。


La Fontaine では日曜がジャム・セッション、と出発前から楽しみにしていた。ついに来たぞ、最初の日曜が、ドキドキ。デンマークのセッションとはどんなものだろう。なんとかピアノ弾きたい。ホストミュージシャンは

Martin Schack – Hammond(オルガン)
Janus Templeton – Trommer(ドラム)

このお二人は La Fontaine をはじめ、他のお店でもお名前をよく見かける。人気なんだな。マーティンは昨夜もここでファンクをバリバリ弾いていた(別レポートあり)。

Janus Templeton ヤヌス・テンプルトン、ホストドラマー、リーダのようだ

21時スタートに少し遅れて行った。なんと無料!なので勝手に店内へ、そして驚く。何ですかこの混雑は。しかも皆さん若い。3日連続で来てるけど一番若い、一番うるさい。でも楽器は??持ってきてないの??

ステージではホストのお二人の演奏が続いている。Caravan をセカンドラインのリズムで。セカンドラインでスタンダードをやるのはデンマークでも流行っているのかな。It's alright with me、In A Sentimental Mood と続く。結局ファーストは全部ホスト演奏。Jam session is the best play ground of music とか We will burn the house down とか、ヤヌスは言葉に力がある。ある意味ロックだな、ヤヌス。

しかしこのセッティングは何でやー。ピアノの椅子を取っ払い、ピアノの上において、空いた場所、ピアノギリギリまでドラムで占領。オルガンは昨日のようにエレピを横に置いといてくれたらいいものを、オルガンだけ。これはフロントの参加しか考えてないやろ。ピアノ人は入れないではないか。

セカンドステージの一曲目、トランペットとテナーサックスが参加して Now's The Time をエイトで。エイトのブルースは好きだなあ、いい感じ。アメリカでもよく聞いた。サックスもトランペットもかなりの腕前、というか、普通にうまい。

セッションがスタート、参加者のレベルは想像以上だ

What Is TheThing Called Love、Skylark (Eb)、If I should lose you、Alone together ハーモニカ、My favorite things でセカンド終了。参加楽器は Tp 2、TSax 1、Gt 1、Harmonica 1 だった。ボーカル、鍵盤、ドラム、ベースの参加ゼロ。

無理してでも、入れてくれと言おうか、最初からずっと、迷った。言えば入れてくれるだろう、ドラムの位置をずらしてでも。でも、でも、このバンドに入れてもらったとして、弾いたとして、自分らしく弾けるとは全く思えない。ドラムの真横で、あのパワーにアンサンブルしに行くのか。数年前なら、参加することに意義があると思っただろう。今は違う、参加しないことに意義があると思った。ビールでも飲んで、もう少し眺めてから帰ろう。

印象に残ったのは、ホストのお二人が一番楽しそうだったこと。バッキングの演奏も工夫を凝らして、抑揚をつけて、リズムでも遊んで。参加者のレベルも高く、ガチンコ勝負のセッションだった。ホストのお二人の人気の理由もわかる。フロントの参加者で音楽的にフィットするなら、最高のセッション体験ができると思う。入場無料だし、ドリンク頼む頼まないも自由。頼まなければ、すべてタダ。デンマーク、物価は高いがセッションはタダ。このバランス感覚が突き抜けている。参加はしなかったが、勉強になるセッションだった。おすすめだ。

店内はほとんど聞き専の人々
Viscount Legent Organ + Leslie Speaker
ドラムは今のところ Gretsch 多いな
演奏するのが、セッションするのが楽しくて仕方がないホストのお二人
ドラムの右横がピアノ

サードは Work Song から始まった。Tuborg を小さいグラスでもらって 32 DKK 払った。大人の味がした。


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