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スパビーの伊集院は本当に強いという話【蹂躙編】

「伊集院て、魂を蹂躙してくるよね」と、伊集院推しの知人に言われて思わず膝を打ちました。

爆球連発!!スーパービーダマンの中ボス、伊集院圧政(いじゅういんあつまさ)くんのことです。彼は全日本ビーダー選手権においてその圧倒的な実力と悪意でライバルたちを蹴散らし主人公チームの前に立ちはだかる超強大な敵キャラです。立ち位置こそ中ボスですがその凶悪さとカリスマ性はラスボス含めた他キャラの追随を全く許しません。リアルタイムでコロコロを読んでいた当時、伊集院との決着回は本気で最終回だと思いました。

大人になってから読み返すと、改めてその悪役として作中ぶっちぎりでの格の高さに驚きました。そんなとき「伊集院て、魂を蹂躙してくるよね」と知人に言われて、彼の凄さについて改めて考えてみたくなり、このnoteを書くに至ったわけです。


悪と格とはなんぞやというと大変哲学的な問いになってしまうので私の持っているイメージをざっくり書きます。まず悪ですが

・主人公とは違う真理を持っている

・一般には受け入れられない言動や価値観を伴っている

この二つでしょうか。そして格とは

・読者に「是非はともかくこの人は凄い。それは認めざるを得ない」と思わせる説得力

かと思っています。

私がこれらを伊集院のどの辺からバシバシ感じ取ったのかを詳しく書いていきますがまず箇条書きにまとめると、

①魂を蹂躙してくる

②ルールの枠組みを超えてくる

③本気で大切にしてくれる仲間がいる

④強さがもう彼にとって真理の域である

の4点になります。ちょっと書いていたら長くなってしまったのと、ちょっと内容に隔たりがあるので①~③を【蹂躙編】、④を【妄想編】に分けますね。



①魂を蹂躙してくる

すごい言い方ですが、伊集院は何かにつけて相手のとても大切にしている部分を否定し粉々にしていきます。以下、伊集院圧政くんの華麗なる蹂躙列伝です。

・伊集院からいつも下っ端扱いされており、彼と対等になりたいと思っていた後藤と三上を騙してチームを組み、用済みになったら捨てる・・・「対等でありたい」→「お前達は捨て石である」

・上の二人を使って病むまで虐めまくったサラーに君は勝てないとささやく・・・「自分は勇気を持ち恐怖に打ち勝てる人間である(ありたい)」→「お前は恐れ逃げる事しかできない無力な存在である」

・タマゴの赤ボン及びファイティングフェニックスを破壊・・・「ビーダマンが心から大切」→「お前のビーダマンは偽物であり、僕に刃向かった愚行の報いとして破壊する」

・大会初戦、そもそもまともに戦わずチームガッツに見せつけるためにビー玉1発のみで圧勝・・・「この大会で熱いバトルがしたい」→「お前達なんて眼中にない」

・大会準決勝、大差をつけられてもまだ戦おうとするチームレックス相手に圧勝・・・「ビー魂で最後まであきらめない」→「お前達のビー魂などなんの価値もない」

・大会決勝一戦目、ガンマをわざと泳がせ宝を発見させて奪う・・・「まだ勝機がある。チームのために頑張らなければ」→「お前がいくら頑張っても所詮僕の掌の上である」


えげつなくて草。伊集院、相手の「こうありたい」「これが大切」という自分の存在に深く組み込んでいる部分を的確に徹底的に踏みにじるんですよね。ほぼ初対面の相手にさえ恐ろしい嗅覚で攻撃ポイントを嗅ぎ分けてきます。こわい。ただ勝つだけではなくて的確に相手の心を折るメッセージを叩きつけてきます。『オレは今まで、逆らうやつは絶望のフチにつき落としてきた』というセリフがありますが、まさしくです。それを知人は「魂を蹂躙してくるよね」と表現したわけですが、私としてもかなりしっくりきました。

機体破壊など結構下品な行為もしているので咎められそうですが、うまく言い訳をしたり表沙汰にならない程度に留めたり、もう表沙汰になっても構わないタイミングを判断したり、そもそも下3つは別にルール違反をしているわけではなくただただ実力で圧勝しているだけだったりと、絶妙に、失格等大きなダメージにならないようにしています。そういう狡猾さ・客観性の高さも強キャラポイント高いです。大人の狡猾さを感じます。


②ルールの枠組みを超えてくる

相手の心の大事な部分を的確に踏みにじってくることに加えてもう一つ、伊集院独自の能力だなぁと思った点があります。それが、ルールの枠組みを超えてくるということ。主催者や他の素直な参加者が想定しないようなことをしてきます彼。例えば

・後藤と三上を騙して使い捨てにする。普通に規定違反でしょうけどバレてないので・・・。運営しっかりしろ。まず2チームに所属してるとか思わないじゃん普通。別に、バレて二人の護衛がつけられなくなっても特に問題なさそうなところもまたえげつないです。ところで関係ないですが、Twitterかどこかで「チームガッツの3つめのビー玉の№が1004で、3で割れない数であることが伊集院がスリークロウズとして登録していない伏線である」という意見を見た時にはなるほど!!!と感動しました。


・PIシステムのデータをコピーする。一応これはJBAも想定していないこともない感じだった(今賀先生のTwitterに、本当に知られてはいけないデータなら絶対に見られないようにしている、とありました)ようですが、やっぱりラボやOSパーツを与えられたら、普通は自分たちに合ったOSパーツを探したり作る程度だと思うんですよ。チームガッツは天才ガンマくんが居たのでパーツどころかOSビーダマン、さらにはPIシステムまで独自開発してしまいましたが。

そして、さすがはビーダーの王キングビーダーズ。OSビーダマンを作ったうえでさらにPIシステムのデータをサーバー?からコピーする。独自開発とコピーだったら独自開発の方がやっていること自体はすごいかも知れませんが、この大会は開発大会ではないので、チームガッツより遙かに楽に早く最新鋭機を手に入れているという点で非常に効率が良くて恐ろしいです。「実は新システムのデータがあるのではないか?」と考えたのはもしかしたら早乙女かも知れませんし、なんとなくパソコンをいじっていたら見つけた程度かも知れませんが、とにかく他チームがしなかったであろう方法で、最小の労力で最新鋭機を手に入れているので・・・。


・ガンマを泳がせて宝をゲットする。これもなかなかえげつなくてニッコリしてしまいます。普通ルールを聞いたら、まず「宝を探そう!」と思うと思うんですよ小学生だし。まぁ、「宝よりも先に敵を殲滅した方がよくね?」くらいは思いつく子もいるかもしれませんが、私がこのルール考えた人だったら「敵の一人を泳がせて見つけたら横から奪おう」とかそんなえげつないことを小学生が考えつくと思わないんですが・・・。もっとこうさぁ、楽しくワクワクしながら自力で宝探しやると思うじゃん・・・。甘い??


とにかく伊集院、与えられたルールのさらに上を行ってくると言いますか、ルールを作る側の発想をしているよ・・・。長期戦略に長けているガンマでさえ、一応ルールの枠組みの中でまず考えているのに。もしかしたら札月はハチャメチャに鍛え上げればこういう能力が使えるかも。


③本気で大切にしてくれる仲間がいる

超凶悪な伊集院ですが、ご存じの通り彼には本気で彼を大切にしてくれる仲間がいます。北条については作中で関係が描かれてますし、早乙女は今賀先生のTwitterで過去に何があったか言及されてます。是非ともマンガに描いていただきたかった・・・!!!

二人とも有能だったということもあるでしょうが、伊集院にとっても二人は大切な友人だったのでは??と思うと妄想が膨らんで大変楽しいです。人格崩壊して皆敬遠していく中、二人は普通に接し続けたのかな?とか。

とにかくメチャクチャ凶悪で、逆らう者を徹底的に蹂躙して二度と刃向かえないようにしていく伊集院圧政(名前やべーな)、仲間としてもなかなかに関わりたくない人物に思えますがそれでも誠を尽くしてくれる・見捨てないでいてくれた人間が二人いる辺り、人格崩壊する前の彼の人望がうかがい知れますね。


強いとにかく強い

伊集院は本当に強いです。ルール違反はしません(決勝でタマゴにブチ切れた時のみFP破壊と未遂ではあるもののタマゴを撃つ事をしましたが、勝つためではなく恐らく傷つけるため)。そんな事しなくても圧勝できます。審判付きの公平なルールの下認められた手段のみで完膚なきまでに相手を叩きのめすことができます。体力・戦略・開発力・チームワーク、どれをとっても秀でています。伊集院が強いということは、誰にも文句のつけようがない現実です。


長くなりましたのでいったん切ります。今までの話は一応作中で描かれたことを直接の根拠としていますが、次は【妄想編】とあるように、「こうだったんじゃないか?」という妄想に依っていたり、ちょっと私の解釈の部分がかなり大きくなりますのでそれでも良い方は読んでくださると嬉しいです。






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