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幸せを繋いで渡し、広がり増える。

「お祝い事は 分ちあう方がよい」

そろそろ100になる彼女は現役だ。
縫いあげたウェディングドレスを一目見て
花嫁は涙を流して喜んでくれたそうだ。

感動した分にはあまりに過分な仕事料だった。
返そうとしたが、乞われ渡され、
それ以上は断れなかったようだ。

寸志だと 彼女から渡された。
これぞ過分どころではなく。

仕事関係の連絡や ちょっとした事務処理を手伝うことはある。
出会った時に たまに御馳走してもらう。
それで十分過ぎると思っている。

貰えないと断ると
「じゃあ お年玉の先渡し」
そう 笑顔で彼女は言った。

お祝い事は いくらあってもいい。
みんな幸せになればいい。
涙も感動や喜びの涙は綺麗だ。
その日の花嫁は 誰よりも美しかったことだろう。

ありがたく受け取った。
「美味しいもの 食べにいこうよ」
彼女の希望は
焼肉定食だった。
デザートは きっとアイスクリームに違いない。


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