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『名前のない怪物』2

引き続き。


某匿名希望の方からの荷物が届く。

「ベースとなる登場人物の描写を深めるため。」

アニメ「MONSTER」全巻セット。
クライマックスあたりから流し観しつつ
同封されていた書籍の振り分け。
コミックスも
完全版全巻ある。

すでに持っている本もある。
送られてきた それらには
メモの書かれた付箋。
大量に貼られていた。

走り書きのようにも見える文字は
いつも酷く読み難い。
暗号文のようだ。
親しんだ送り主の表情を想い
ちょっとだけ笑ってしまう。

日本語版は持っている。
イタリア語版はさすがに持っていなかったので
助かった。

今は電子書籍化が解禁になった
浦沢直樹氏の著作の数々。
今回は紙の本だ。

「PULUTO」は
おまけ
だそうだ。


紙の本に慣れ親しんだせいだろうか。
直接触れながらの方が
そこにある「深淵の奥」ーそして
更に奥へと 進んでいける気がする。

夢枕獏「サイコダイバー」シリーズの
ダイビングのように
コアに触れることができる。


某匿名希望の方と
そんな話をしたことがあった。

老齢なれど 
電子書籍も積極的に
取り入れている。

紙の本が好きな者同士だからか。
すんなり受け入れてもらえた。


重量感溢れる物体の山。
つい にやけてしまうのは
「本の山」が嬉しいからだな。

「届いたよー」

レトロな呼び出し音は 必ず三度。
ー自宅の電話機。
ホームズに憧れて買ったアンティーク品は
まだ現役なんだろうか。


「寒いねえ」
年齢を感じさせない声は
いつ聞いても
どこかの俳優の囁きのようだった。

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