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時間感覚についての試論 2章と結論

前回の記事の続きです。日常における言葉の理解から離れて、少し専門的な内容となっています。  第2章 ベルクソンと時間知覚  本章では、『時間と自由』におけるベルクソンの時間概念を検討し、時間知覚の意味づけを試みる。第1章の時間感覚仮説の時間論では、かなりの部分をベルクソンの時間論に依拠していた。しかし、この2つの時間論は完全に一致することはない。『時間と自由』におけるベルクソンの時間論には、時間がどのような性格を持っているのかという観点はあっても、時間がどのように可能なの

    • 時間感覚についての試論

      ※この記事は「時間感覚についての試論」の序章と1章のみを載せてい    ます。2章と結論、参考文献は後日投稿します。   序論  本論は、 身体に 時間を感覚する器官があるという 仮説 (以下、この仮説を時間感覚仮説と呼ぶ) を立てることによって、 時間の流れとは何かという疑問に答えることを目指す。 この仮説は時間をあたかも物体のように扱おうとするものではない。そうではなく、この仮説は時間の印象を認めることによって、帰納的に導かれたものである。すなわち、時間の印象があると

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