【デザイナー必見】謎解き会社のデザインはバグ厳禁!デザインで気を付けているポイントをご紹介!
こんにちは!三度の飯より創作人生!でやらせてもらっています。
ハレガケデザイナーの稲川と申します。
最近「君は妖精みたいだ」と友人から言われましたが、どちらかと言えば妖怪な気がしています。
さて、今回は謎解き会社のデザイナーとしてのコラムを書かせていただくことになりましたので、まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。
現在デザイナー歴は約3年で、イラスト含むデザインや動画制作、webやLive2Dなど、いろんなものを幅広く作っています。
プライベートでも、趣味でキャラデザインやイラスト、アニメーションなどを作って過ごしています。
■好きなものに好きなことで役に立つためハレガケに
昔から色々と作ることが好きで、楽しい時間を過ごすためや、発見したこと・面白いと思ったものを何かしら形にして共有することが好きでした。
謎解きとの出会いは高校生くらいの頃で、好きな作品の脱出系ゲームを体験したときにすごく感動したんです。
そんな好きなもの(謎解きイベント)に好きなこと(デザイン)で役に立てたらきっととても楽しいぞ!……と考えハレガケに体当たりしに行った訳です。仲間に迎えていただけて本当に嬉しかったですし、ありがたかったです。
■デザインにもバグが生じるのは謎解き会社ならでは
冊子を折って完成する文字や図形を使った謎、○と○の間を読もうというような指示に合わせて、答えの文字をずらさないように配置したりすることは謎解き会社ならではのデザインなのかなと思います。良かれと思って差し替えた図形が別の部分とリンクしていて盛大にバグってしまったこともありました……(笑)
ある程度謎の構造を理解した上でデザインを進めないといけないので、大変ながらもやりがいのある部分だなと感じています。
入社してから印象深かったお仕事はそれはそれは沢山あるのですが、今回はその中から2つ紹介したいと思います。
◇NON SIX APE
こちらの作品はコンセプトの何から何までが謎めいていて、作っている自分自身もワクワクしながら制作していました。怪しげな世界観をどう表現するか話し合い、イメージを固めていく過程も楽しかったです。
特に○○を○○○○○て○○○○する部分なんかがとてもデザインする上で大変で面白くて……!(ネタバレ防止の為伏せます)
物販化もしていますので、良かったら手に取ってみてください!
◇サンタ姫を助け出せ!!FINAL〜World Tour 2020〜
これが初めての公演型謎解きゲームのデザインの仕事で、本当にたくさんのことを学びました。
基本的に謎解きには単問で答えが導き出せる小謎、情報を集めて挑む中謎、ひらめきを駆使し挑む大謎のフェーズに分かれているのですが、本当にたくさんの印刷物などを準備しなくてはならないので、多くの人と関わりながら作り上げた達成感がありました。実際に公演を見に行った時には、何ものにも代え難い感動を覚えたものです。
■社会に放たれたデザイナーが気をつけている5つのこと
たかが3年、されど3年。桃なら実のなる年月をデザイナーとして過ごしてきました。現在もまだまだ学習中の身ではありますが、これだけは気をつけておきたいと思った『社会に放たれたデザイナーが気をつけている5つのこと』をお伝えしていこうと思います。
デザイナー志望の方や、デザイン知識のヒント得たい方の礎になれたら幸いです。
◇1つ目:よく聞き、よく知り、適切に具現化する力を備える
まず、デザインを仕事として依頼したい方はどんな悩みを抱えているでしょうか。それは、イメージをデザインとしてアウトプット出来ないということです。「季節感のあるバナーを作りたい」「明るいイメージのメインビジュアルにしたい」など、イメージはあってもそれをどう具現化したら良いのかが難しく、デザイナーに仕事として依頼することになります。
つまり、大切なのは依頼された方のイメージをできるだけ詳しく聞くことが重要になるのです。そして、聞き出したイメージに合うデザインを模索し、よく理解し、そこから表現していく段階に移ります。美しく良いデザインを作るのも大切ですが、一番は依頼された方に寄り添った適切なデザインを提供することだと思っています。ヒアリング能力とコミュニケーション能力は、デザイン業務には欠かせないスキルになります。
◇2つ目:誰がみても、分かりやすく伝わりやすいデザインを心がける
では、次に「完成したデザインを見る方」のことを考えてみましょう。
もし緑豊かな公園に、これまた緑色の看板で「公園を利用するルール」についての内容を込めたデザインをしてみたとしましょう。
・・・残念ながら誰も読みません。保護色になってしまい、せっかくの美しいデザインも効果を失ってしまうのです。見る人はどんな場所で見るのか、文字は読みやすいか、余計なものが入って邪魔していないかなどを考えることが重要です。これらは「UIデザイン」ともいいますが、分かりやすく目的に導くために即したデザインを作ることも大切なのです。
実際にそのデザインを利用する人になったつもりで、完成したデザインを見直してみましょう。
◇3つ目:あるある!わかる!にひとつまみの「新しさ」をトッピングする
SNSなどを見ていると「いいね」や「リツイート」など、人は共感するものに強く惹かれる傾向があるように私は思います。
「月曜日の朝はしんどいなあ」「外出先でお気に入りの曲がかかっててテンションが上がった!」など、世の中にはあるある!が溢れていますが、あるあると思うことは実際に何度も使い古されていることが大半だったりするのです。王道のRPGも、たくさんの情報に囲まれた現代では埋もれてしまうことも多いでしょう。
そこに一つ、違和感にもなり得る「新しさ」を入れてみるのです。新しい、といっても全く別世界の思いもつかないなにかをゼロから作る必要はありません。
白いイカスミパスタ、雲を掘り進むモグラ……。
ほら、なんだか面白いですよね。デザインにもあるあるな構図に一個の違和感を盛り込むことで「新しい」を見つけられるかもしれません。
◇4つ目:挑戦し最後までやり遂げるループを作る
デザインをする中で陥りがちなことだと個人的に感じることがあります。
それは、「これダサいな」と思うと萎えて投げ出してしまう、という大事件。結局完成できないと評価もしようがないですし、世に出すことも躊躇ってしまうでしょう。苦しくても一度、完成させること。それが失敗でも成功でも、確かにあなたの経験になります。
また、ありきたりなことを繰り返すことも成長にはつながりません。これはイラストの話になってしまいますが、新たな構図やポーズに挑戦してみたりすることも大切だと思います。より良いデザインを生み出すには、小さな挑戦をして、その成功や失敗などの体験の積み重ねが大事なのです。
困ったり詰まったりしたら、誰かに相談するのも良い方法だと思います。
◇5つ目:デザインに答えはない!
ここまで良いデザインの秘訣をお伝えしてきましたが、これは私がたどり着いた通過点に過ぎません。また3年後には時代も変わって、デザインのあるべき形もどんどん変わっていくかもしれません。なので、上記の4つを実行したからと言って成功するかと問われれば「そんなことはない」と思います。人生に必勝法がないように、同じくデザインにも必勝法はない、ということなのです。
ここまで読んでいただいた方の期待を裏切るようで本当にごめんなさい。
ですが!これだけはある意味正解に近いかも、という持論があります。
「デザインは人と共に存在している。
だから、誰かの為のデザインを模索し続けなければならない」
人の数だけ誰かが喜ぶデザインが存在していて、それが流行りを生み出したり、定番を作り上げたりします。私の好みのデザインもあれば、あなたの好みのデザインもあります。自分の好きを突き詰めて、誰かに伝えることを目標にしても良いですし、誰かの助けになるようなデザインを対話を通して実現するのも素敵だと思います。
デザイナーとして誰かと関わるために、誰かに送るプレゼントのために、自分の思いを実現するために、無数の目標の中で、あなたが目指したいデザインを探してみてくださいね。
あとがき 〜しょうらいのゆめ〜
どうやったら自分の感じたこと、伝えたいことを言葉だけじゃない何かで体験してもらえるだろう。
私は常にそんなことを考えながら過ごしていました。謎解きは自分自身の頭や身体を使って体験するイベントなので、より深く没入して体感することが可能なのです。そんなところに惹かれてやってきて、この場所に落ち着いたのかもな……と思っています。
これからも謎解きの面白いところを表現していきたいと思いますし、私自身の溢れる存在感をいつか形にして世に爪痕を残したい!
そんな野心を燃やしながらこれからも活動していきたい所存です!
これからも是非是非、よろしくお願いいたします。
今回はこちらのコラムを読んでいただきありがとうございました。
■株式会社ハレガケについて
ハレガケはリアル謎解きゲームをメインにイベントの企画制作を専門とするイベント会社です。(創業:2013年)300以上の企画実績を持ち、周遊型謎解きや公演型謎解きをはじめARやVRを使った最新のプロモーション、懇親会や研修などの社内イベントまで幅広いコンテンツを提供しています。
ライター:稲川 桃花(デザイナー)
編集者:榮 健伸(マーケティング)/大岩 加奈(広報)
新型コロナウイルスによるイベント自粛が広がる中、ハレガケでは社会にエンタメを提供したいと考え「新しいイベントの開催方法」などを模索しています、期待としてサポートをお願いします!