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正義は勝つ

おいでませ。玻璃です。

小学6年生くらいになると男女の成長に差が出てくる。
女子の方が精神的に少し大人びてきて、男子の方はまだまだやんちゃな面が多い。

我がクラスの男子のやんちゃぶりに、女子たちは困っていたし、腹が立っていた。

何かといえば変なあだ名を付けて、からかってくる。
私のあだ名は、旧姓の苗字に「宮」が付くからと、付けられたあだ名は「宮尾すすむ」。それが短くなって「すすむ」と呼ばれていた。

ゆみちゃんは、オナラをしたと濡れ衣を着せられて、「ガスタンク」からの「レッドタンク」。それが短くなって「レッタン」。

原さんは、ゴリラに似ているという理由で「はらゴリラ」。それが短くなって「はらゴリ」。

…というような感じで、クラス中の女子に変なあだ名が付けられた。

それだけでも嫌だったが、男子たちはよく暴力も振るってきた。
イスに座って話している女子の背中にいきなり肘鉄を食らわせてきたり、歩いていると蹴ってきたり、泣かされる女子が何人もいる。

我慢の限界を超えた私たち女子は、放課後に集まって作戦会議をした。

「とにかくアイツらに謝らせよう!」

主犯格の男子達は、サッカークラブに所属していたので、練習が終わるまで教室で待った。
クラブが終わって帰る男子に、私たち女子が詰め寄って

「今までのこと、ちゃんと謝りなさいよー。謝るまでついて行くからね。」

と、ゾロゾロついて行き、男子がそれぞれの家の方に分かれても1人の男子に3人くらいの女子で囲みながら家までついて行く。

さすがにひとりの男子のお母さんが驚いて、学校に連絡を入れた。

次の日の朝の会で西島先生が

「昨日、保護者の方から連絡がありました。どうしてこういう事になったんかね?」

と訊いてきた。

「先生、それは男子がいつも暴力を振るってきたり、変なあだ名を付けてくるからです!」

「じゃ、今日の1時間目はホームルームに変更。とことん話し合いなさい。」

そうして教室の机を移動し、男女が左右にわかれて向かい合って座る。

男子と女子の戦いのゴングが鳴った。

まず、女子一人ずつが立ち上がり自分のあだ名と、されて嫌だったことを告白していった。

「私のあだ名はすすむです。いつも蹴られます。」

「私のあだ名はレッタンです。背中に肘鉄されて息ができなくなりました。」

そうして、女子全員の告白タイムが終わると先生は男子からも言い分を聞いた。
しかし先生が納得できる反論はなく、結局は男子の全面降伏という事で、この戦争は終結した。

次の日から変な呼ばれ方も暴力もなくなり、卒業まで平和な日々が続いた。

戦って良かった。
声をあげて正解だった。

自分を傷つける人、まわりの人を泣かせる人を許せない。
水戸黄門や暴れん坊将軍が確かに私の中にいる。
そして、皆んなで何かをやる事、企画を立てる事がこの頃から好きだった事も再確認。人生を振り返ってみると見えるものがあるんだなぁ。

ではまたお会いしましょう。

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