不時着
僕が不時着したのは、白骨化した星だった。
降り立った地平には白いものしかない。
廃墟、死骸、その景色、すべてが白だ。
生き物は見当たらない。
植物も虫も何もかも。
足を進める。
歩く度に、ぱきんぱきん、と音が鳴った。
骨が折れるような音だった。
かつてランドマークだっただろう建物。
それも異様なほどに白く骨組みだけになっていた。
僕はそれが大好きだった。
知らない星に不時着したと思った。
だけど、この場所であっていたのだ。
ここは僕の故郷。
いつの間にか死に絶えていたらしい。
不時着だったらどれほど良かっただろう。
僕はその場に立ち尽くした。
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