分解
世界を分解してみようと思った。
まずは手元の機械から。
世界と繋がっていたそれは、
金属とプラスチックになった。
次は手近な人間を。
言葉を話していたそれは、
肉と骨になった。
たくさん、たくさん、分解した。
ついでに、この星を分解した。
地面やマントル、ガスや水。
そんなものは、出てこなかった。
ただただ、きらきら光る石になり、
それはやがて、砂になって宇宙に溶けていく。
そんなものになりたい。
最後に僕を分解した。
すべてを分解した僕は何にもならず、
闇に溶けてどこかへ消えた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?