粉薬
粉薬は嫌いだ。
口に残る苦みも飲みづらさも嫌い。
だけど、僕は粉薬を作っている。
緑色の粉、赤色の粉、黄色の粉。
青もあるし、紫もある。
すべての色を絶妙な加減で混ぜ合わせる。
一粒も落としてはならない。
完成した粉薬。
これを飲めば僕は不老不死だ。
僕はそれを手に持ち深呼吸をした。
粉が鼻孔をくすぐる。
くしゃみをする。
たくさんの粒が飛び散る。
だから、粉薬は嫌いなんだ。
僕は不貞腐れて、膝を抱えた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?