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不育症スクリーニング検査体験記

私は第一子妊活中の身ですが、2度の稽留流産を経たことを受けて、不育症スクリーニング検査を受けました。
今回は、検査に至った経緯や検査項目内容、検査の流れや結果について記載していきます。

※医療は専門外の、一経験談です。

検査に至った経緯

記事の頭に記載のとおり、2度の稽留流産があったため、
2度目の流産手術(内容物除去術)の経過観察終了後に、医師・患者(私)どちらからともなく「これは検査が妥当ですね」という話になりました。

通常、不育症とは流産3回以上と定義されることが多いです。
また、2度の流産原因はいずれも「胎児の染色体の数の異常」ということで、母体側の原因が強く疑われるような原因ではなかったわけですが、
1度目の稽留流産も同じ医師に診ていただいていて、胎嚢の発達が異様に悪い様を見てもらっていたこと、
通院先がたまたま不妊・不育に力を入れている病院だったため
回数に依らず検査に進むことができました。

あくまでも私の場合ですが、万が一医師から検査を打診されなくても
こちらから検査を申し出るつもりでした。
2度目の流産の際には、その確率の低さも「不育症」という言葉も知っていたこと、めちゃくちゃ精神的ショックの大きい流産を二度としたくないと思っていることが理由です。

実施病院

青森市のエフ.クリニックという病院に通っています。
産科・婦人科があり、それぞれに担当医が1名ずつ。院長は婦人科の先生が務められています。
2度の流産確認とその手術、子宮筋腫切除術もここで行っています。

検査項目

まず前提として、症状が起きている原因をあぶり出すための検査であるところの「スクリーニング検査」は、そのあぶり出し方が病院に依ることから、病院によって定めている検査項目が異なります。
このため、以下に記載する検査項目は、あくまでも私が通院する病院での検査項目であり、全ての不育症スクリーニング検査に共通する検査項目ではないことを明記いたします。

私たち夫婦が行った検査項目

※保険適用外の検査に関する料金は、各病院によって異なります
※保険適用外の検査には、スクリーニング検査でなく治療目的の検査であれば保険適用となる検査も含まれます

①血液凝固因子・凝固阻止タンパク・抗リン脂質抗体検査(女性・採血)
 血栓ができやすい原因がある状態かどうかの検査
 一部保険適用外
②免疫機能検査(女性・採血)
 免疫バランスがよいかどうかの検査
 保険適用外
③甲状腺ホルモン検査(女性・採血)
 あらゆる原因で不妊・不育を引き起こす甲状腺ホルモン関連の症状かどうかを見る検査
 保険適用
④その他の血液検査(女性・採血)
 上記のほかに、貧血・肝機能・腎機能・葉酸・ビタミンD・感染症・血液型不適合(※)の有無を調べる検査
 一部保険適用外
※血液型不適合の詳細はこちらをご参照ください

⑤染色体検査(男女両方・採血)
 夫婦の染色体の転座(※)の有無を調べる検査
 (実施病院からは、検査を専門施設に依頼する都合上平日午前にしか検査ができず、結果判明まで約3週間かかりました)
 保険適用
※転座:染色体の一部が決まった場所ではなく別の場所に移っていること(かなり平易にするためにこの書き方にしています。詳細は必ずご自身でお調べください

⑥精液検査(男性・自己採取)
 精子濃度・運動率・DNA損傷等の検査
 保険適用外

行わなかった検査項目

実施病院から提示される検査項目のうち、私たち夫婦にとって現時点では必要と判断されなかった検査を列挙します。
今後もしかすると下記の検査を行う日が来るかもしれませんし、状況が異なるカップルでは検査項目に入る可能性があります。

①流産した胎児の病理組織検査・絨毛染色体検査
 流産原因を調べる一助となる検査です。
 既に実施済のため、不育症に関する検査としては行いませんでした。
②子宮内膜の機能的検査
 不妊・不育を引き起こすとされる子宮内膜炎等かどうかの検査です。
行わない理由に関して言及がなかったと記憶していますが、過去の子宮筋腫切除術にて、だいぶ内膜も焼き切って綺麗にしていただき、その病理検査も行ったと聞いています。
もしかするとその時点で検査が完了していたのかもしれません。
③子宮形状の検査
 子宮形状が正常かどうかを調べる検査で、粘膜下筋腫やポリープがあれば切除が検討されます。
 こちらも、子宮筋腫切除術を終えていますし、その前段階として子宮ファイバースコピーでの形状確認も済んでいたので、対象外でした。

検査実施決定~検査結果通知までの所要期間

この期間はつまり、妊活停止期間ですが、私たちの場合は以下のとおりでした。
検査実施決定~全結果確認&治療開始:約3か月
(うち、検査開始~全結果確認は1か月20日程度)

検査実施を決めたのは、前述のとおり2度目の流産手術(内容物除去術)の経過観察終了後でして、これが10月2日でした。
そこから2度の生理が順調に来ることを確認してから検査開始と言われました(実施病院・患者の状態により様子を見る期間は前後すると思います)。
生理終了直後に検査したので、私の検査は11月19日に実施(1日で全て完了)。
旦那はこの時期なかなか平日日中に仕事を休むことができなかったので、約半月後の12月6日に実施。
私の検査結果は12月13日に確認できましたが、旦那の検査結果は年末年始を挟んで1月8日の確認となりました。

ということで、もしもカップルが同日に検査を行えれば、もっと早く結果確認できると思います。

検査費用

しめて¥88,900でした。
自費診療の検査項目が多くありますので、同じ検査項目でも別の病院では金額が変わってくる旨、ご了承ください。

結果に基づく治療・その費用

不育症スクリーニング検査を経て、異常が見つからない方は半数~65%超と言われていますが、私は2つ原因を見つけることができました。

①免疫異常(NK細胞過活性)
②血液凝固因子異常

いずれにも深く関与するのが、ビタミンD不足です。数値的には欠乏群(12.5ng/ml)でした。
上記異常・ビタミンD不足ともに自覚症状は全くなく、魚やきのこを意識して食べていたつもりだったので、まさか欠乏群とはと驚きでした。
やはり日焼け止めを欠かさないのがあだとなっているようです(とは言え妊活とは別で日焼け止めは必須だし…もごもご)。
体内で起こっている一連の事象としては、
ビタミンD不足→NK細胞過活性→血栓形成促進という感じのことが体内で起きているようです。
※こちらにかなり分かりやすく書かれていました

治療としてはビタミンD(サプリ)と低用量アスピリン(小児用バファリン)の服用という、投薬治療(保険適用外)のみとなっています。
バファリンで胃が荒れる可能性があるので一緒に胃腸薬も処方してもらっています。それもあってか、副作用等は一切ありません。
バファリンだから鎮痛効果があるかというとそれも全く感じられず、いい意味で服薬前後で何の変化も感じていません。
これは、妊活中~授かってからも一定期間服用し続けます。
(ちなみに、現在私は仕事都合により妊活中断中で、その期間は服用無しです)

費用は、それぞれ60日分ずつの処方で¥8,080でした。
院内処方かつ保険適用外の投薬なので、別の病院・薬局では金額が変わってくる旨、ご了承ください。


以上が私のケースの不育症スクリーニング検査でした。
私の2度の流産原因は染色体の数の異常なので、正直なところ、今回の検査結果で割り出された原因とはあまり関連性の無い結果となりました。
ただ、これはつまり「染色体異常のない子を授かったとしてもダメな状態だった」ということと思っているので、粛々と状態改善に努めていければと思っていますし、
もしも今後も染色体異常による流産が続けば、その時にまた別の検査・治療方針になるのかなと思っています。

この記事は一経験談でしかありませんが、何かのお役に立てれば幸いです。


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