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ネガティヴ・ケイパビリティで生きる 2024/04/19読了

過去に積読のうち一冊、買ってから日が浅くて着手できていない本として書いていた本を少しずつ読み進めて読み終わりましたので、感想を書いておきます。

ネガティヴ・ケイパビリティで生きる 答えを急がず立ち止まる力
谷川 嘉浩 (著), 朱 喜哲 (著), 杉谷 和哉 (著)

まず読むに至った流れですが、過去に谷川さんの「スマホ時代の哲学」を読んでおり、面白かったので同じ人の別の本を読んでみたいと思いこちらの本を選びました。実は前の投稿に朱さんご本人のいいねがついていたという。恐縮です。
三人での対談形式で、少しずつサブタイトルがついて区切られているので読みやすかったです。そして面白かったです。でも面白かった、と簡単に一言でまとめてしまうのはこの本の目指しているところではないと思います。

この本の読みやすさはやはり、対談している三人が同年代で例え話がわかりやすく、話す言葉も自分に近いことが大きいのではないかと思います。当然大学の先生になるくらいなので同世代の中でも突出している人たちなんだろうと思いますが、それでもやはり世代的な価値観や育ってきた時代背景は当然近くなりますので、やっぱり分かりやすさに大きく加担しているのではないかと感じました。
ということはこれから、周りの人が偉くなっていくに従って読みやすい本が増えるのかもしれないですね。そう思えばこれからも楽しく本を読んでいけそうです。

全体を通して印象に残ったのが居場所に関する話題です。閉じた人間関係としてのコミュニティや開いた人間関係としての中間集団という言葉が出てきましたが、他に出てきた属性(マイノリティ、黒人、女性など)もある意味居場所に近いのでは、と感じました。
コミュニティの中だけで通じる言葉や、他の集団のひとと関わる中でわかってくる相手と通じる言葉の築き方のあたりは、私もIT業をやっているのでかなり実感があります。そんな中で「言葉」って面白いな、と改めて思いました。

最近「質感」という言葉をよく見ます。写真でも見るし、今回もストーリーをより具体的に理解するための自分に腑に落ちるだけの情報というようなニュアンスで出てきました。ちょっと今後も注目しておきたいです。

イベントとエピソードという最後の部分の話もちょっと自分の中で引っかかったものがあって、それってインスタよりツイッターの方が好きな理由かもしれないです。

人生長いのでまだまだ生きていかなければなりませんが、ずっと勉強してたいと思うのですが、そうするときちんと他の人と意見を交換して自分の中に取り込んでいける柔軟さが必要ということも思いました。でも昨日久々に学生時代の自由な先輩達に会って思ったのですが、やっぱり人としては芯が通っている方が強いですね。だから芯もありながらどこまで周りは柔らかく保っていけるか、その辺が今後も楽しく生きていくためには必要かなと思います。
当然周りは自分より若い人ばかりになっていくでしょうから、新しい世代の考え方を知っていくためにも、そういう人たちと関わっていくためにも。

ネガティブ・ケイパビリティということに関して言えば、中学から大学まで部活やサークルで互いの意図することを確認しながら意見交換する文化のあるところにいることができたのは良い経験だったなとかなり時が経ってから思いました。これは最後の方に大学のゼミなどに関しての話が出てきたので思ったことです。

さて次に読む本ですが、言葉って面白いなと思ったので、次は言葉が専門の朱さんの方へ行ってみようと思います。「〈公正〉を乗りこなす 正義の反対は別の正義か」を買ってあります。
政治が全く詳しくないので、いつか杉谷さんの方ものぞいてみたいのですが。しばらくはSF界の想定する未来の政治を読んでいるかもしれません。

ということで、なんだか読んだ分量と貼った付箋の量に比べて簡素な感想ですが、これで終わりにします。
小説を間に挟みつつ引き続き哲学路線も進んでいきます。


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