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ロンドン発会員制社交倶楽部、新しい形で世界各地に再到来

© comemo796046091                                                oxford and cambridge club ホームページより引用

200年前、会員制社交倶楽部が英ロンドンでスタートした。1880年頃のピーク時には400もの倶楽部がロンドンに存在していたという。

今に続くこのジェントルメンズ・クラブ、いわゆるイギリスの伝統的な紳士クラブは元々家の外の「場」で会員が集い、会話を楽しみ、食事をし、落ち着く環境でくつろぐ場だ。多くの倶楽部には宿泊施設があり、お酒を楽しみ、翌朝まで過ごせる快適な環境が提供されている。ビジネスと余暇を堪能し、会員ネットワークで様々な情報交換をし、予想もできない広がりが多々ある場所だ。

私は1821年から続くオックスフォード・アンド・ケンブリッジ・クラブの会員である。バッキンガム宮殿から徒歩数分、オックスフォード大学またはケンブリッジ大学卒業生らが集う倶楽部だ。会員は約3000人。紹介者二人の推薦が必要で、200年近く倶楽部の「品格」は守り続けられている。様々な会員同士の新しい出会いもあり、ロンドン滞在中はここに泊まる。ゲストも招待でき、非常に優位性が高い環境である。

特徴は世界中に提携倶楽部があることだ。オックスフォード・アンド・ケンブリッジ・クラブは36カ国150以上の倶楽部と提携している。香港、パリ、東京にも提携倶楽部がある。もちろん提携倶楽部の会員もオックスフォード・アンド・ケンブリッジ・クラブを使える、双方向の提携制度だ。これはグローバルでビジネスを展開する中で非常に便利で価値がある「どこでもドア」的な制度。多くが世界中の都市の一等地に位置し、提携倶楽部をフル活用できるのはビジネスやレジャーにおいても大きなメリットがある。

過去、スターバックスが「第三の場所(サードプレイス)」、いわゆる家庭とも職場とも違う、人々が気軽に集うことができる場所として話題となった。仕事や家庭でもない非日常な空間。一人で過ごすのにも友人らと楽しむのにも「第三の場所」であるからこそのくつろぎや楽しさを与えてくれる。とは言うが、スターバックスには不特定多数の人が集う。もちろん会員制ではないので、横の繋がりができる事は滅多にないかもしれない。しかし、会員制倶楽部は入会費年会費を支払い、基準を満たした人物が集い、そして会員が招待するゲストで成り立っており、その独自のコミュニティーでイベント等通じて新たな価値が生まれる素晴らしい特権がある。

その様な中、最近ロンドン、サンフランシスコ、シンガポールなど世界各地で新生倶楽部が次々に誕生している。Soho House、Conduit Club、Battery Club、Straits Clan Club、67 Pall Mallなど。ワインを好む愛好家、ソーシャルインパクトを目指す起業家、アートシーンで活躍するなど様々な会員が集う会員制倶楽部が誕生している。

最近、今までのオフィスの概念を全く変えたWeWorkなどの存在が日本でも話題になっているが、ビジネスだけではない会員制倶楽部の新しいトレンドもまたひそかなブームを迎えている。

東京でいえば、世界的に通用し歴史あるTokyo American Clubがある。最近、新たな会員制倶楽部を設立する必要性の声も上がっている。もうすぐ東京で新しいグローバル水準の倶楽部の誕生があるかもしれない。

新しい倶楽部で世界各地から集う人々と会うのが楽しみである。

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