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「本のエンドロール」を読み終わって再確認したこと

この本を読み終わって、思った。

やっぱり本が好きなんだな。
本屋が好きなんだな。
文字が好きなんだな。

そして、DTPオペレータが好きだったんだな。

528ページ。文庫本。分厚い。

途中、中断はあったものの、また読み始めてたら一気にその世界に吸い込まれてしまった。(今でもどっか、夢心地)
いや。そんな夢心地という言葉は似合わない内容。
むしろ、どうしようもなくリアルな世界が描かれている。
一冊の本が出来上がるまでの工程が、手に取るようにわかる。

これは、DTPオペレータの仕事をしている時に出逢いたかった本だ。
そしたら、もっと営業の人たちに優しく応対出来たかもしれない。
無理難題な〆切を交渉されて「んなの、出来る訳ないよ!」って何度もブチ切れてた。
営業の人たちも無理を承知でお願いしてきてた訳だし、そこは折り合いをつけてうまい具合に交渉できただろうなあ…と、今になれば思う。

実は「オペレータ」という響きに機械的なものを感じて、コンプレックスを持ちながらずっと仕事を続けていた。
自分は単なる「オペレータ」だ。
指定された原稿を忠実に再現するだけの仕事だ、と。
でも、他に出来ることがないから、これでやっていくしかないって。

なので、この本に登場するDTPオペレータの福原さんが、自分の仕事を「天職です」ってきっぱり言い切っているくだりに清々しさを感じた。

いや、福原さんだけではない。

この物語の登場人物は最終的にはみんな、各自の仕事に誇りをもってとりくんでいくようになっていて、あー、こんなふうに仕事をしたかったなって思った。

この本のタイトル「本のエンドロール」
エンドロールとは、奥付のこと。
その本の著者をはじめ、印刷所・製本所・発行所・出版社等が紹介されているページ。
映画のエンドロールと同じだ。

本は、作品だ。
その本が沢山集まっている本屋は、遊園地だ。(←小さい頃、本気で本屋に住みたいと思ってた)
そして、その本を作る印刷業界は「メーカー」だ。
営業の浦本さんが言うとおり。

やっぱり、本を愛している。
本を読めるって最高に幸せだ。
どうもありがとう。

そして、かつての自分へ。
『「DTPオペレータ」は素晴らしい仕事だよ。もっと誇っていいんだよ』

なんだかうまくまとまらないけど。
改めて「本が大好き」「印刷が大好き」な自分を再確認できた本でした。


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