松野貴則 俳優・ライター・物書き・だしだんし

【100人の人と出会い、話し、写真を撮る】 年内に100人の働く人生を聞き、写真を撮影…

松野貴則 俳優・ライター・物書き・だしだんし

【100人の人と出会い、話し、写真を撮る】 年内に100人の働く人生を聞き、写真を撮影企画 「はたらくあなたの物語」をnoteで発信させていただきます。 生きていくことの美しさと感動が、誰かの生きていく勇気になることを願って活動して参ります。俳優・だしだんしイベント情報も順次公開

最近の記事

【志大学校 中村祐木】後編 何も無いからなんでもやれる 初回記念連載インタビュー②

前回の「はたらくあなたの物語」では、中村さんの壮絶な人生が赤裸々に語られた。 中村さんはどのように人生を立て直したのか。 そして自分の中に‟ぽっかり空いた穴”をどのように埋めていくのか。 中村さんの中に眠る一つ一つ想いや生き方が、その輪郭を取り戻す後半戦。 愛するとは。生きるとは。 一つの出会いで、中村さんの人生は大きく変わり始める。 第4章 それでも僕は「愛」したかった―その女性との出会いで、人生が大きく変わっていくんですね。 そう、こちらが尋ねると、中村さん

    • 【志大学校 中村祐木】前編 失われた家族愛と存在理由を探し求めて 初回記念 連載インタビュー①

      まえがき 少年性の中に眠る野心を探る人生は顔に出る。戦い続けた人。戦ってこなかった人。 それぞれの生き方に上も下もないけれど、 誰かのために、何かの為に表に立って戦い続ける人の顔つきは やはり一味も二味も違う。  それは精神年齢という、そんな生易しい表現ではなく、 人生の不都合を受け止められる器の大きさと強さなのではないだろうか。 今回は、志大学校を創業された中村祐木さんにインタビューをさせていただいた。 中村さんから迸るエネルギーを目の当たりにした人は、 きっと彼の

      • 『【人生を変える読書とは?】「志大学校」学長中村祐木さんが伝える120%なりたい自分になる独自メソッド徹底解説』

        皆さん、初めまして、 役者業をしている松野貴則と申します。 いきなりですが、一つ質問をさせてください。 「皆さんは自分の人生、仕事、夢に満足していますか?」 今回は、 自分の人生に納得のいかない人、 本気で人生を変えたい人たちに、 読んでほしい記事になります。 私には夢があります。 役者として活躍し、 多くの支えてくれる人たちを喜ばせたい。 そして、 生きていくことがいかに美しくて、 感動に満ちているか。 そのことを映画作品や舞台作品で 伝えていきたい。 私は毎日

        • 息子は父よりもちょっと良い父になる

          「東京の空気がうまく感じるんだよ」 あなたはそう言った後、空に向かってタバコの煙を細く吹いた。 大人はなんでタバコを吸うんだろう。子供の頃その意味が僕には分からなかった。 けれど、あの時に言った父の言葉だけが妙に胸に残っている。 「だけ」というのはそれ以外に残るものが何もないからだ。 父は何もできない人だ。 多分、僕の知らない10代の頃からそうだったし、これからもずっとそうなのだと思う。 そして、彼にとってそれは自ら望んだことだ。何もできない、何もしないということ

        【志大学校 中村祐木】後編 何も無いからなんでもやれる 初回記念連載インタビュー②

          10代と残された90年について

          10代の美しさはいつの時代も、消費され尽くされている。 刹那的で、エネルギーと哀愁に満ちていて、小さな棘がチクリと大人たちの心を刺すのだ。 でもね、と思う。 でもね、あの頃が一番美しくて、あの時ほど誰かを愛せないのだとしたら、10代以降の90年はあまりにも長すぎる。 10代のとびきり甘くて、思い出したら、反射的に喉がせり上がって、うわずった声を上げてしまうくらい恥ずかしい思い出の数々。 あの頃と同じくらい、 あの頃以上に、 輝いていなくては100年も人の人生がある意味

          【短歌】ドラゴンボールな僕らのこと

          【短歌】ドラゴンボールな僕らのこと

          【短歌】今宵の刺し傷は

           私だけのものは今宵の刺し傷  誰にも取らせないは打つ脈 つくづく、自分には何もない。 嫌気が差すこの言葉が日常化して、 差す嫌気すら無くなる夜でした。 決まってそんな時に、 誰も近くにはおりません。 布団にくるまって しめしめ泣くのも虚しく、 心が確実に乾きに乾いていくのを ただじっと静かに感じていると、 ふと、自分が世界に存在していない、 というより、世界の中で蛇足、 余分に溢れたもののように感じます。 刺してみました。 私の外で、行き場を失った血も溢れました。

          短歌 カモンベイビー

             カモンベイビー  35億の女を切っても抱きしめたいひと 聞こえるかい? 俺は今、君に直接語りかけている。 君は小さい。 手も肩もお腹も足も頭も。 そして、いずれそのすべてが変わってしまう。 そういうことが寂しくもあり、嬉しい毎日は 君としか味わえないんだろ? それって恋なのか、 もしくは愛っていうのかな。 そのどれでもないんだろうなぁ。 大きい感情の前で言葉は無力だよ。 応答せよ。ベイビー。

          【短歌】大人になるってよ

           また一つ  大人になるの  こんなにも  地に足つけず  イケるものなの 今日30歳になりました。 月並みな言い方だけど、 昔感じていた30歳って もっと大人だと思ってました。 車で家族旅行なんかして、 お金のこととかしっかりして、 ローンなんか組んで家買ったり、 社会のこともある程度わかって、 社会人としての余裕もあったり、 そういうのが30歳だと思っていました。 現実の私は、 いまだに車は運転できないし、 多分もうずっと運転することはありません。 車の免許はとりま

          【短歌小説】とりあえず生の人

           スキップで街を彩るはずでした  とりあえず生の人、挙手して 私は、高知で育ちました。 大学に入学するタイミングで、 上京してきたので、 東京に来てもう7年になります。 私の育った町は 高知のなかでも、 電車も通っていなくて、 全員顔見知りの人しかいないような、 それくらい小さな田舎でした。 東京はずっと憧れていました。 母の影響が大きかったのは間違いありません。 母が東京出身の人で、 私が小さい頃から 東京の思い出を語ってくれました。 ドラマのこのロケ地は行ったこと

          【短歌小説】寝ろや

           悔しい以外の言葉が見つからん  明日になれば死ぬかもしれん 旦那がビールを食らってる。 悔しい。 悔しくて悔しくて、 悔しいという感情が ゲシュタルト崩壊している。 もう何が悔しいのか、 悔しさとはなんなのか、 侮ると悔しさの違いは? にんべんとこざとへん? こざとへんは違う。 「院」の左のクネクネだ。 悔しさの左にあるあれはなんだ。 部首名がわからなくても、 悔しいという言葉を 使いこなしてる俺はなんなんだ。 ちくしょう 殺してくれ。 いっそ人想いに殺してくれ。

          【短歌小説】死ぬんじゃねぇぞ

           窓に景色が映る頃 貴女の響く足を追う       死ぬんじゃねぇぞ たった2ヶ月しか経っていないのに 突然彼女は今、この部屋を出ていく。 彼女はアクション映画が好きな女性だ。 ブルース・リーもランボーも 彼女に教えてもらった。 僕はどちらかと言えば邦画派で、 静かな映画が好きなのだが、 是枝裕和や北野武を一緒に見ていると いつのまにか彼女は寝てしまうことが多かった。 映画の感想を聞けば、 「それで?って感じ。」 とだけ言って ビールをかっ喰らう。 そんな風に まる

          【短歌】誰のために生きれるかなウチ

           まだサンタがサンタでない冬  誰のために生きれるのかなぁウチ あぁさむ。 タカシいたら、 今頃あったかいココアを買ってくれてたんかな。 でもアイツの浮気はぜってー許さねぇ。 なんでよりによってミキコなん。 そらブチギレだし、 おかげで、このくそ寒い中、 このくそみたいな田舎の田圃道歩いてもぉ最悪。疲れた。 タカシが浮気癖があるのなんとなく知ってたけどまあ、優しそうだったし、なんとなく気が合いそうなふういきあったから、 流れでヤって、流れで付き合っただけだし。 別にマジな

          【短歌】誰のために生きれるかなウチ

          【短歌】吐瀉をする俺

          「月が綺麗ですね」と  はにかんで  涙を流す君と  吐瀉をする俺 最悪な夜だ。 俺の人生にドラマチックな展開なんて 起こりはしない。 作家ではなく作家「志望」の肩書は 32にもなれば恥ずかしさしかない。 もう誰も夢を追いかけてて良いねなんて 言ってくれなくなったし、 あの頃言ってくれてた奴らも 内心ではバカにしてたんだろう。 しかも、今夜俺を最も惨めにしたのはコイツだ。 同じスクールに通ってた田中美紀。 田中はコンテストに入賞して、 華麗に作家志望から「作家」にな

          【短歌】20cmの冬

           あの冬の  背伸びをしても  届かない  20cmは  今もそのまま 「少し変わった耳の形だ 巻貝に似ている」 そんなことを考えて 冷静さを保とうとしていた。 横顔を見上げるだけで、 想いを伝えるには 遠く感じる冬だった。 でも不意に無責任を装って 言えてしまえそうでもある距離。 20cm。 彼との距離を 幸せに感じられる日が 来るだろうか。 クリスマスの2日前、 夜のイルミネーションに照らされる 彼の横顔を見て、 そんなことを考えていた。

          【短歌】どこにも行けない恋人たち

           水を得た金魚のように  恋人は  どこにも行けぬ魚となりぬ 朝、目が覚める。 スマホを確認するが、 あなたからの連絡はない。 また期待と落胆から 朝が始まってしまった。 こちらから連絡しないと 会話は始まらないだけで、 そして 返信が遅いだけで、 久しぶりに2人で一緒にいるのに、 時計をやたら気にする姿を見るだけで、 私の知らない過去が会話の端々に ちらりと見えるだけで、 そしてその全貌を話してくれないだけで、 私はどんな風に生きて行けばいいのか はたまた、

          【短歌】どこにも行けない恋人たち