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狩りが私たちをつなぐ

私と妹は7歳も歳が離れている。7歳違うと、もう世代が違う。当時人気だったアニメ、漫画、ドラマや音楽。何も一緒にはならない。小学校だって被らないのだから、当然中学も高校も被らない。

そんな私たちを繋いでくれたのがゲームだ。ありとあらゆるゲームを一緒にやった。王道なところでは「ポケモン」に「スマブラ」、「マリオカート」。「星のカービィ」や「ヨッシーアイランド」も一緒にやったし、当時はクリアできなかったけど「ゼルダの伝説」なんかもやったりした。長期休暇は家族全員で「桃太郎電鉄」をやるのが我が家の習わしだったりする。お父さんは強すぎるからオブザーバーだけど。

大学から一人暮らしを始めた。家族は父の駐在にくっついてアメリカに飛んだ。物理的な距離はもちろん、時差もあって精神的にも離れてしまった気がしていた。その時に私たちを繋いだのがモンスターハンターだった。モンスターハンターポータブル3rdはまだネットワーク機能はなかったけど、どこまで進んだか、どんな武器を作ったか、可愛い防具は何かを共有し合った。夏休みにアメリカに行くと、二人でマルチプレイに熱中してお母さんに怒られた。

今、私は結婚して地方に暮らしている。妹は大学進学のために東京に出た。昨今の情勢のせいで、なかなか会えていない。それでも私たちは繋がっている。バイトで失敗して落ち込んでるらしいと母から聞けば、私は時間を作って連絡する。
「ねぇ、欲しい武器あるから一狩り行こうよ」
PS4を起動し「モンスターハンターアイスボーン」を起動する。フレンドから妹を選んで招待する。スマホは音声だけにして、顔は見えないけど協力してゲームをする。お互いのオトモアイルーの名前が、実家に暮らす2匹の愛猫なのに兄弟の絆を感じる。
全然倒せなくて、強い人に応援を要請する。あまりのプロっぷりに二人で感嘆する。相手に聞こえていないけれど、二人で称えて感謝する。もう大騒ぎ。

流行りも世代も違うけど、私と妹は繋がっている。どこにいても、いつでも。同じ目的で集うことができる。一緒に熱を共有し、盛り上がることができる。きっと、いろんな手段がある。音楽かもしれないし、映画かもしれない。私たちの場合はゲーム。私たちの場合は「モンスターハンター」だった。私たちは「モンスターハンター」を通じて繋がり合い、そして世界と繋がっている。

来春、「モンスターハンターライズ」が発売になる。なんとオトモアイルーに加えて、オトモガルクが登場する。念願の犬だ!実家にいる愛犬の名前をどちらが使うか、妹とは協議中。私には祖母の家にいたシェルティの名前を使うというオプションがあるから、最後には実家の愛犬の名前は譲ってあげようと思う。大切な狩友だからね。

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