この約20年間のキャリアコンサ ルタントの活動領域の変化で、著しいことは、企業領域に携わるキャリアコンサルタントが、24%→42%と約倍増したことだそうです。
日本では、キャリア支援というと、 主に企業内キャリア支援を考えることが一般的になってきました。
一方、アメリカ、欧州等、世界を見渡すとキャリア支援は「社会政策」として捉えることが多いそうです。
「社会政策」とはいささか大げさな感じがしますが、現在、日本でも「格差問題」が叫ばれています。
正社員と非正規社員の格差問題などです。
こうした社会問題の解決策を考えることが「社会政策」です。
下村氏曰く、
「特に、人種、宗教、移民・難民の問題が、他の先進国に比べて、 相対的に少ない日本では、格差の問題は『雇用』で生じる。」とのことです。
現在、国も正社員と非正規社員の格差を解消するために、様々な施策を打ち出しています。
しかし、なかなか格差が解消されたという話は聞かれません。
大企業の正社員など「主流、中心的、多数派」のキャリアから外れた人とどう関わるのかを支援することも、キャリアコンサルタントの役割です。
そして、現実には「キャリア支援を支える『成長』『上昇』『自律』以外の価値が必要になってくる。
その価値とは、『社会正義』というスタンスでキャリア支援を行うことである。」と、下村氏は説きます。