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虫の音

秋の夕暮れは「つるべ落とし」と、言って、
瞬く間に夕陽が大地に吸い込まれていきます。
場所によっては、海に吸い込まれていることも…
秋は夕暮れ…とは、よく言ったものですね。

私たち日本人は、そんな自然の移ろいを敏感に感じ取って、生活の中に潤いを得ていた民族。
太陽を神様と崇め、自分を取り巻く自然界に感謝し、それを表現するために祭りを催す。
まさに、いかされているいのちを感じながら、日々を送っていたのではないかと思うのです。

また、我々日本人が古くから親しんできた虫の音もまた、外国の方々には聞き取れない音らしく…
(正確に言うと、母国語が日本語でないと、聞き取れないんだそうです。)
ある民族に言わせると、日本人は、伝えたいことを虫に託し、伝えてもらっていたのだとか…
それを「虫の知らせ」と、呼ぶのだそうです。

でも、そんなことすらすっかり忘れてしまった日本人。
時間に追われ、忙しさに紛れ、日本人が持っていた大切感性を、失いつつあるのかもしれません…

その民族は「日本人が虫の音を聞かなくなったら、この世の終わり…」
とも言われているそうです。

急ぎ足を少しだけ緩めると、道端から、ヒュルルルル
と…コオロギの声が聞こえてくるのに気付きませんか?


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