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ドSな彼女

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「ねえ、みちるくん、ちょっと意見聞かせて欲しいんだけど」  バイトの先輩の里緒菜さんに言われた、その一言が、運命の一言だったなんて、女の人に男の性をもてあそばれることが、最高の快… もっと読む
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ドSな彼女 1

ドSな彼女 1

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「ねえ、ミチルくん、ちょっと意見聞かせて欲しいんだけど」
 バイトの先輩の里緒菜さんは、飲み終わったコーヒーカップの横にコミックの単行本を一冊置いてそう言った。閉店時間になって、二人で休憩した後だった。
 そのコミックの表紙を見た僕は、ちょっとした衝撃を受けた。
 可愛い絵柄の女性が、座った状態で裸の少女、いや少年か、その子を向き合う形で抱きしめている。
 女性の方はちゃんと服を着ていて、

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ドSな彼女 2

ドSな彼女 2

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 帰宅して夕食食べて宿題も済んだ僕は、里緒菜さんから渡されたコミックを読み始めた。
 一組の若い男女カップル(女性の方が少しだけ年上のようだ)が、ふつうの性生活から徐々に逸脱していく。女性が責め役で男の子が受けの立場。
 僕のそれまでの価値観が大きく揺るがされる物語だった。
 男は男らしくなんて、過ぎ去った昭和時代のノスタルジックな価値観かもしれないけど、僕は父親からそんな風にしつけられて

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ドSな彼女 3

ドSな彼女 3

 3

 翌日の日曜日。
 マスターは法事に出ないといけないということで、珍しく日曜なのに店休日となっていた。
 そして、僕はというと、お食事会ということで、里緒菜さんに誘われて隣り町のマンションに来ていた。
 向井理沙さんが住んでいるワンルームマンションだ。
 今日はそこに昨日のメンバーが集まって、ピザパーティーをするということらしい。
 漫画の感想、もっと詳しく聞きたいし、男の子がいたほうが楽

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ドSな彼女 4

ドSな彼女 4



 テーブルの上で、僕は向井さんと腕相撲の準備をする。
 手の平を合わせると、男みたいな大きめの手でがっしり握られた。これは手ごわそうだ。
「じゃあいい? レディ、ゴー」
 左側の遠藤さんが握りあわせた手をタッチして、スタートの合図をした。
 肩に力を入れて、相手の腕を押し倒す。向井さんの腕は一瞬動いたあと、すぐにぐっと押し返してきた。
 そして反対にこっちが倒されてくる。僕はさらに腕に力を入

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ドSな彼女 5

ドSな彼女 5


 向井さんの手が僕のジーンズをゆっくりと引きずり下ろすと、そのまま足から抜き去った。
 僕は上体を里緒菜さんに支えられ、足は伸ばしたまま。
 水色のボクサーブリーフ一枚にされてしまう。そして僕の股間は思い切り膨れ上がっている。
 こんな格好を女子大生四人に見られているなんて。
 顔から火が出そうなくらいに恥ずかしいのに、すごく興奮してしまう。
「もうまるわかりだね。本当に、テント張ってるみたい

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ドSな彼女 6

ドSな彼女 6

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「やっぱり泣き出しちゃったね。あの漫画って大げさじゃなかったんだね」
「男の子って、本当に寸止めされるときついんだね」
「勉強になったわ」
 遠藤さんと田中さんが言いあっている。
 僕は3回目の寸止めの後、最後の遠藤さんの番でやっと射精を許されたのだった。
 そうして大きな脱力感の中、僕は縄を解かれた。
「ミチルくん、どうだった? もうこりごりかな? それとも、次はもう少し先まで行ってみる

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ドSな彼女 7

ドSな彼女 7



 最初の試練は次の日の朝だった。昨夜は風呂もトイレも特に不便じゃなかった。
 もちろん貞操具の違和感はあったけど、寝てるときも、寝返りに気を使う程度だったのだ。
 ぎちぎちとした痛みが股間を襲ってきて、僕はまだ外が薄暗い中目覚める。
 僕の股間のものが狭いケースの中で思い切り大きくなっていた。
 それ以上大きくなれない憤りが、ペニスの付け根の部分を盛り上がらせている。
 痛たた。僕は深呼吸し

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ドSな彼女 8

ドSな彼女 8

 8
 
 
「さっきはやばかったね」
 里緒菜さんがバーガーセットのトレイを渡しながら、てへぺろ顔で言う。
 夕方に近くなって客の入りが戻ってきたところだ。
「まったく、焦りましたよ」
 僕もひと言で答えて、トレイを受け取った。あんなかわいい顔されたら怒ることもできない。
 そして、そのトレイをもっていった先の3番テーブルには、里緒菜さんの大学仲間の向井さんと遠藤さんが座っていた。今日は田中沙織

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ドSな彼女 9

ドSな彼女 9



 僕は里緒菜さんが好きだ。この感情は恋愛感情だ。ずっと一緒に居たいし、結婚して二人の子供を作って家庭を持ちたい。そういう感情だ。
 では里緒菜さんの僕を好きという感情が、どういう感情かが問題なわけだ。
 ペット愛だとしたら。お互いの感情がすれ違うことになる。
 ペットと結婚したいって人はいないだろうから。
 だとしたら、里緒菜さんの気持ちを確かめることは簡単だ。
 結婚してほしいと言う僕に、

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ドSな彼女 10

ドSな彼女 10

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 里緒菜さんと二人で話すチャンスは、午後一時半に訪れた。
 客も少なくなったことだし、20分ほどお昼休憩行ってきていいぞと、マスターが言ってくれたのだ。
 里緒菜さんと二人、バーガーとコーヒーをもって、二階の里緒菜さんの部屋に上がることになった。
 部屋に上げてもらうのは初めてだったのでドキドキだった。
 八畳の部屋だけど、ロフトベッドだったからか広く感じた。
 あまり飾り気のない、さっ

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ドSな彼女 11

ドSな彼女 11

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「ちょっとウォーキングしてくるね」
 里緒菜さんがマスターに声をかけている。午後三時。客もほとんどいないがらんとした店内を僕は出た。
 バイトが終わって僕はこれから帰るところだ。
 自転車のロックを外して通りに出ると、上下スウェットに着替えた里緒菜さんが待っていた。

「ちょっと公園で休みましょう」
 里緒菜さんに誘われた僕は、恋人同士で公園のベンチ、思わずドキドキしてしまう。
 相変わら

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ドSな彼女 12

ドSな彼女 12

 12

 次の日の木曜日は一日オフだった。
 家で夏休みの課題をずっとやっていたけど、すぐに頭の中は里緒菜さんとのことに支配されてしまう。
 里緒菜さんも僕を愛してくれているという思いで幸せを感じる一方、その里緒菜さんを僕は幸せにしてやれるんだろうかと不安になることもあった。
 里緒菜さんとの性生活が、一般的な、というか僕が思い描いていたものとかけ離れていたからだ。
 里緒菜さんを幸せにするには

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ドSな彼女 13

ドSな彼女 13

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 クチュクチュという卑猥な音はやまなかった。
 思い切り射精して、僕は立っていられなくなって跪いたけど、里緒菜さんの手の動きは止まらない。
 射精したばかりの敏感な亀頭を刺激されて、逃げたくなるけど、逃げると叱られるのが目に見えている。
「ああ、もう勘弁してください。くすぐったいです」
 言っても里緒菜さんの手は止まらない。 
「我慢しなさい。約束より早く射精した罰だと思って。両手は後ろ

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ドSな彼女 14

ドSな彼女 14

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「いいなあ、里緒菜。ミチルくん可愛くて。やっぱりミチル君を男の娘にするつもりだったんだね」
 キャーとかかわいいとか、ひとしきり歓声が上がった後、落ち着くと遠藤さんが言った。
 部屋の中には前回同様、部屋の主の向井さんと、遠藤さん田中さんがリビングの低いテーブルをはさんで座っていた。
 男の娘にする? どういう意味だ? そんなことは聞いてないけど。
「いや、そんなわけないよ。私は普通にして

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