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月が見える部屋


私の部屋からは、月が見えたらしい。
らしい、というのも、ここに住み始めてもうすぐ2年が経つのに、たった今初めてそれに気付いたのだ。びっくり。綺麗な満月。深夜2時。


そりゃあ月が見える方角と言ってもこの時間帯だから、気付かなかったのも無理はない。それにいつもはカーテンを閉めている。うちは駅の目の前。駅には常に光が灯っているから、家の周りに暗闇が訪れたことがない。少なくともこの2年は。暗闇が訪れたことがないって、いいな。いいのか? いいなと思うよ、今は。


低気圧完全敗北。今日は天気が良かったのに一生頭が痛くて眩暈がした。なんかここ数日ずーっと調子が悪い。複数いる推しがそれぞれで連日配信をしてくれる。その大好きな大好きな声ですら脳に響いてクラクラする。惚れている意味ではないクラクラ。はい、まぁ、聴くんですけど。そして満たされてしまうのですけど。いつも本当にありがとう。


先日運転をしていたら、「日本五周中」と筆で書かれたキャリーケースを引き運ぶお兄さんを見かけた。重そうだった。キャリーケースと呼ぶのもふさわしいのかどうか、本当に小さな車輪付きの荷物。書かれているパネルはオレンジ色だったはず。車で通り過ぎたからよく見えなかったけれど、ハーフアップで髪を結んだ色黒のお兄さんだったと思う。思わず「え?」って声が出た。日本五周中って、え、本当に? すごいな。どんなモチベーションなんだろう。でも、いいものを見せてもらった。応援しています。


もう一つ運転中に見かけた光景。金曜日かな。強い雨が降っていた。歩道の上、おばあさんが座る車椅子を、おじさん(そのおばあさんよりは若く見えた)が押していた。おばあさんは小さな傘をまっすぐ縦に差していた。安全である。そしておじさんは、もちろん両手で車椅子を押しているから傘など差せるはずもなく、ビッショビショ。それはもう、ビッショビショ。「愛」などと綺麗な言葉で丸めていい内情なのかは知らない。知らないから、はぁ、と息がこぼれた。ヘルパーさんなのか親族なのか。頑張れぇ、って、思った。


ジョイフルの唐揚げってちょっと引くほど美味しい。私が出会った中で一番おいしいのはから揚げ粉(市販のやつ)で揚げた唐揚げって決めていたのだけれど、それを上回るおいしさ。で、ジョイフルってこっちに少ない。たしか大分が一号店なんだっけ。地元では飽きるほど見かけた黄色の看板。小学生の頃、週に一度のハーモニカの習い事。ばあちゃんが連れて行ってくれる外食は毎週、教室の近くにあるジョイフルだった。ばあちゃんはいつも生姜焼き定食。ばあちゃんに会いたい。……待って、もう会えないみたいじゃん。元気です。お盆に帰るよ。


書きたいから、書くことを探そう、日常を見つめよう、と思った。そうしたらとりあえず出来事を脳内に保存する、もしくはその場でメモすることができて、こうして少しだけ書けた。去年の9月はずっとこんな感じだったな。マガジン名のとおりに、消費期限2日のひとかけらたち。ちょっと格好つけた言葉遣いになっている自覚はあります。まぁ許せ。土曜の深夜だから。

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